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未来な「eSIM」の夢をブチ壊す。povoの衝撃ロートル仕様「電話手続き必須、夜8時まで」、驚愕のサービス実態とは

 先日、KDDIの新料金プラン「povo on au」を開始初日(3月23日)に物理SIMで契約しました。5Gモジュールを備えたモバイルノートPC「VAIO Z」に挿して利用しています。

 加えて今回、満を持して他社契約のメイン電話番号を、MNPでpovoのeSIMに転入することにしました。LINEMOのeSIMからのMNPです。ネットで遠隔で契約者情報をササッと書き込めるスマートな未来のSIM、eSIMが大好きな筆者。3月27日にpovoに転入を申し込みました。

 povoへのMNP時、必要だったのはau ID。既に物理SIMのpovo回線にau IDが紐付いているため、MNP転入申し込み時に既存au IDを指定することができず、新しいau IDを取得することを強いられました。

(別のau ID作成を求められる)

 3月28日の朝、povoへのMNP申込みの審査が完了していました。メールに手続き手順が届いていたので、その通りに進めていきます。まずは「回線切替」手続きが必要。新しく作った方のau IDでログインし、手続きを完了させます。

(回線を切り替えるボタンを押す)

 ところが、いつまで経ってもeSIMプロファイルのダウンロードができません。それどころか、一度もeSIMダウンロードをしたことがないにも関わらず、再度ダウンロードは出来ない、異なる端末でダウンロードした場合再発行が必要とのエラー表記。いきなり意味がわかりません。

(一度もプロファイルをダウンロードしたことないのに『一度プロファイルダウンロードを完了した場合、再度ダウンロードすることはできません』『auのeSIMをお申込みされた電話番号と異なる携帯電話機で誤ってプロファイルダウンロードをした場合、再発行手続きが必要になります』とエラー表示)

 当初、物理SIMのpovoのau IDでログインした端末で、メール内のリンクURLを踏んだような記憶もあるので、何らかのミスが生じたのでしょうか?と疑いました。

 しばらく待っていても、このeSIM再発行の画面は変わらず、eSIMのQRコードは出てきません。ダメそうなので、サポートセンターにeSIMを再発行するよう問い合わせ。テキストは自動応答なので、電話をします。

 サポートセンターによると、回線は使えるようになっている状態とのこと。また、eSIMダウンロードのエラー画面の文言は、今後そういう行動をするとどうなるかを書いているだけであって、エラーの内容を書いているわけではないとのこと。そんなもの、わかるわけがありません。当然、エラーという文字の直下に書かれているのはエラーの内容・原因であろうと考えるのは、99.9%のユーザーがそうだと思うのではないでしょうか。この画面を設計した人は感覚が非常におかしいと思うので、至急改善すべきだと思います。

 また、新しく作った方のau IDにログインができない事象も別途発生しました。eSIMを発行するためには、au IDへのログインが必要です。ところが、昨日作ったばかりのau IDなのでIDもパスワードも確実にわかっているのですが、設定した記憶のない二段階認証が働くことで、ログインができなくなりました。しかも、この際二段階認証の確認コード送り先となっていたのは、MNPした電話番号そのものです。その番号でSMSを受信するためには、eSIMのダウンロードが必要です。だからau IDからeSIMをダウンロードしようとしているのに、先にSMSを受信しろというのは、一体どうすればいいのでしょうか。

 先程のサポートセンターに連絡中であったので、この点を問うと、auユーザーしか対応できない、povoユーザーはサポートできない、案内できる窓口もないとのこと。

 しかし、au IDは一応au以外でも使えるキャリアフリーのサービスではないのでしょうか?povoに加入すると、他社ユーザーでも受けられるであろうサポートも受けられなくなるのでしょうか?と問うと、とにかくできないとのこと。この点についてはサポートセンターの現場の方が非礼や無知であるといったことは全くないと思います。povoに関して上から資料があまり降りてきていないのだそうです。

 私はサポートを最小限にして料金を安くするというサービスを支持します。しかしサービス側のシステム不備や不具合によって生じる事象の解決すら不可能という状況は、サービスとして論外だと思います。至急改善すべきでしょう。

 では、サービスをまともに開始できないので、さっそく他社にMNPすればいいのでは?と思うところですが、MNPの手続きはこの電話では不可能、au IDでログインして転出予約番号発行が必要とのこと。

 仕方ないので電話でeSIM再発行を依頼して電話を終え、au IDへの二段階認証の解除方法について調べると、157(サポセン)に電話をして設定を解除する手法自体はあるようです。しかしpovoユーザーは対応してもらえる保証はないので、パスワードはわかっているのですが、試しにau IDのパスワードリセットをかけてみました。

 すると、メールアドレス宛にパスワードリセット手続きが飛んできました。ここからパスワードをリセットすると、なんとそのままau IDにログインできてしまいました

 これで電話番号による二段階認証を突破できたことになりますが、これなら一体何のための二段階認証なのでしょうか?脆弱性に見えますが、もしメールアドレス側のセキュリティで担保されていれば問題ないという発想であれば、メールアドレスで二段階認証でいいのでは?

(二段階認証の送信先が電話番号となっており、メールアドレスには変更できない)

 せっかくpovoという新しいブランドを、Circle Asiaと協業して作り上げていくのだから、au IDを撤廃してpovo IDを作ってそれで完結すべきだと思います。なぜなら、ログインした後の諸々のサポートを切るという判断自体は低価格サービスゆえにやむを得ないにしても、ログイン不能のユーザーをログインできるようサポートができないサービスは、もはやサービスとしての体をなしていないと思うからです。全てネット完結してユーザーが全部自分でできる真っ当なシステムの存在があって、初めてサポートを切るという判断が可能になってくるはずです。

 とりあえず、なぜかau IDにログインできてしまったので、取り急ぎeSIMのQRコードを端末にダウンロード。なんとか利用開始することができました。

 これで一安心か?というと、まったくそんなことはありません。スマホを初期化する場合や、eSIMを別の機種で使う場合には、eSIMの再発行が必要になります。OS更新や不具合でもeSIMが消える場合もあります。

 ところが、信じ難いことにpovoはeSIM再発行に「電話手続き」が必須。せっかくのネット専プラン、せっかくの遠隔eSIMなのに、自動化されておらずネット完結できないのです。eSIMなのに、いちいち電話で手続きって……。スマホ(povo)とPC等(固定回線)を持っている人は少なくないでしょうが、もうひとつの音声回線のある2台目のスマホを持ってる人は少ないでしょうから、電話が使えない状態の復旧に電話発信を求める仕様は完全にダメだと思います。若者は就職や学業で単身、固定電話なんて引いてないのですから、メインターゲットに全くミスマッチ。

 電話手続きということは、手続き時間も限られます。9時~20時までしか手続きできません。しかし普通、eSIMの手続きは仕事中にはやらず、夜にやるのではないでしょうか?不具合やOS更新などでうっかりeSIMのデータが端末上から飛んでしまうのも、手続き可能時間内とは限りません。なので、povoのeSIMはeSIMである良さを活かしきれていないばかりか、著しく利便性の劣るものだと思います。

 しかもeSIMのデータが端末上から消えた場合、別の電話番号から電話でeSIM再発行を依頼できたとしても、もしau IDログイン時に二段階認証を求められた場合、ログインできない(=eSIMプロファイルを表示できない)可能性もあるので、この辺りの改善も待たれるところです。

 同じくeSIMを提供しているLINEMOも、eSIM周りはトラブルが多数報告されており、筆者も遭遇しています。eSIMの再発行を24時間自動で受付し円滑に登録可能な楽天モバイルのサービス品質が最も優れているというのが、現時点での結論になります。

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