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povoのeSIM、ここで躓いた。一体誰に勧められるのか?

 鳴り物入りで開始されたauのネット専料金プラン「povo」。メインの電話番号でpovoのeSIMを契約していたのですが、そろそろ他社に乗り換えようと思い立ちました。

 ところがオンラインでMNP転出を試みるとエラーが出ます。

My auでMNPできない

 詳細なエラー原因が出てくるわけでもなく「他のお手続き中であるためwebでのMNP予約は承れません」と表示するのみ。Web専用プランなのに、Webで転出できないしできない理由も教えてくれません。

 povoはオンラインでチャットbotに質問することはできますが、あくまでもbot応答であり、人間がサポートしてくれるわけではありません。一応、「他のお手続き」のエラーの場合をpovo公式サイトで調べたところ、料金未収納の可能性があるとのこと。しかしそんなはずはありません、筆者は毎月料金が落ちていることを確認しています。

 一応ダメ元で音声総合案内157に電話をしてみましたが、自動音声で「サポートはオンラインのみ行っています」と流れて電話を切られます。また、別の電話番号から音声案内のMNP窓口に電話をかけても、対象電話番号がpovoだと機械音声で「povo利用中の手続きはオンラインで行っていただくようお願いします」と流れて電話を切られます。オンラインで手続きできないから、電話をしているので、これは詰みです。

 契約時にeSIM発行で手間取った記憶はあったので、eSIM再発行を電話で応じているKDDI電話窓口に電話すると、ビンゴ。「他のお手続き」とは、eSIMのことだったそう。契約当初オンラインのeSIM画面のエラーが起きた時、端末へのeSIM登録後、行き違いでeSIMが再発行されたままになっており、この「再発行後eSIMの『回線切替』と端末への登録が済んでいない」=「他の手続き中」である、とのこと。

 発行済みeSIMを電話対応で取り消しする場合、取り消し処理に1日かかると伝えらました。eSIM発行処理が電話窓口必須で実際に発行されるまでの時間が必要なのと同様に、取り消す処理にも時間を要するのでしょう。回線切替処理は4ヶ月前に届いていたメールからオンラインで行えるようだったので、回線切替をして別のeSIM対応端末にeSIMを登録することにしました。必要なのは当該メール内に記載されている9桁の申込み番号です。

機種変更というほどでもないのだが手続き内容は機種変更となっている

 この儀式を済ませて発行済みeSIMの登録を完了すると、無事WebからのMNP転出がエラーなく行えるようになりました。

 Web完結が魅力なのに、Webのシステムの出来がイマイチ。他にもオンライン解約が理由不明で失敗したりしますが、これはMNP予約番号を発行済みの状態だと失敗するというもの。エラーが出たならエラー原因を表示すべき。問題原因を顧客に提示、自己解決まで行わせられるまともなシステムを用意できないのであれば、サポートを切るべきではありません。その割には「オンライン発行が魅力のeSIM発行に電話窓口の人力が必要」という矛盾した仕様となっており、はっきり言っておかしいです。手続き時間も制限されており、日をまたぐこともあります。

povoはオンライン解約が可能だが、MNP予約受付中の場合はオンライン解約できない

 ちなみに総務省は「eSIMサービスの促進に関するガイドライン」で留意すべき事項として、eSIMの申込みから開通までの設定手続をネットで行う際のサポート体制を充実すべきとしており、現状のサービス品質のpovoでは沿えそうにありません。

 そもそも楽天モバイルであれば電話窓口など不要で、24時間365日オンラインでeSIMの発行/再発行が可能。登録もサクッと簡単。povoの仰々しい「回線切替」なる手続きも不要です。eSIMのサービス品質は楽天モバイルが随一であり、既存各社はこれを見習うべきです。

 Web完結で格安、トッピングで楽しめる廉価な5Gプランというpovoのコンセプト自体は素晴らしいです。しかし、コンセプトに実態が追いついていません。アプリ内で完結できないpovoアプリ(通信1日無制限はアプリ内から有効化できるが、通話定額など各種設定はブラウザに飛ばされてしまう)、未だに開始されていない5G通信、全然増えないトッピングなど。

 UQ mobileが「サポートあり」ながら価格面も非常に頑張っているため、povoに大いなる夢を抱いて契約したユーザーはモヤモヤしているのではないでしょうか。競合LINEMOも当初かなり酷かったですが急ピッチで改善を進めているのを考えても、povoは正直「全然ダメ」という感想です。

 一方で「5G通信やeSIM、トッピングなどにはハナっから期待しておらず、データ通信用のサブ機に物理SIMで挿している」とか、「遠隔勤務ばかりになったので20GB程度で概ね十分。数少なくなった出勤の日は、1日データ無制限トッピングを有効化しておけば節約できて捗る」といったユーザーにはぴったり。

 筆者はpovoを2回線契約しており、体験が最悪だったeSIMは断固として転出します。ノートPCのVAIO Zに挿している物理SIMのpovoには満足しているので残します。回線品質や速度には特に問題なく快適。むしろpovoのトッピング有効化がpovoアプリからしか対応していないせいで、メインスマホ1台では、メインスマホ自身のpovoトッピングとノートPCのトッピングを制御できないので、1回線の方が快適になりそうです。

 Windowsタブレット/ノートPCやHuawei機の存在を想定すればWeb版も用意して、ブラウザからトッピング等を制御できて然るべきだと思います。

 povoの5G対応やトッピング追加は、1ヶ月以内にも行われるのではないかと見ています。これらの進捗や、サービス改善に注目したいところです。

 現時点でおすすめできるユーザーは「1日データ無制限のトッピングを魅力に感じていて、サブ機の物理SIMもしくはメイン機のデュアルSIMの2番目スロットに挿したい人」です。デュアルSIM機の1番目に他社回線の通話用SIMを挿しておき、2番目にpovo物理SIMを挿すというのは、災害/圏外/障害への備えにもなるので良いでしょう。

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