3キャリアの「下取り」合戦に総務省の目

ntt-docomo-kddi-au-softbank

 携帯通信大手3社は、米Apple社の「iPhone 6 / 6+」をめぐり、旧機種を下取りに出すことで割引や値引きを増額する下取りキャンペーンをNTT docomoが仕掛けSBKDDIが追随したことで、競争は激化しています。特にMNPの場合の下取り最高額は各社4万円以上にも達しています。

 SankeiBizによると、これについて総務省が25日に開いた有識者会合で質問が行われ、NTT docomoは「下取り端末を中古品市場に回し、しっかりと(収益確保の)バランスを取ってやっている」、SB・KDDIは「競争上やむを得ずやっている」と回答する場面があったそうです。

soumu

 委員からは、還元ポイント分を負担している長期ユーザーがいることへの指摘や、iPhoneユーザー以外の負担にならないよう透明化すべきとの意見が出ました。

 MNPの顧客獲得競争の原資は、多くの場合は他の利用者から徴収した利用料金の利益を割り当てています。前述のdocomoの「下取り端末を中古市場に回し」というコメントは、docomoが下取りした端末を中古市場に売却した利益を、割引の原資に当てており、他の利用者の利用料からの負担を抑えているという自己弁護になっています。

 総務省は、 2014年の春商戦に代表される大手通信3社の「キャッシュバック」合戦の再燃を危惧しており、「SIMロック解除義務化」というトピックも、そうした市場環境を適正化する流れの中にあります。これらの問題は通信キャリアが端末をメーカーから一括で買い上げ、端末販売をもキャリアが取り仕切っていることが根幹にあります。だからSIMロックを立法措置で強制的に解除させて、適正価格でサービスを提供するMVNOを消費者が選択しやすい市場環境にしよう、という総務省の思惑は、様々な「歪み」を解消する上で、少なくとも筋は通っていると思います。それを考えると、資金力でMVNOよりも圧倒的優位にある大手3社が消耗戦に突入すればするほど、MVNOとiPhoneを買わない消費者が損をするだけでしかないので、有識者会合が3社の競争に監視の目を向けるのは仕方のない事だと思います。

 ただ、個人的には、消費者はキャリアの下取りを利用して割引を得ることも、中古市場への売却で現金を得ることも選択できるので、あまり問題だと感じていませんでした。確かにこれまで大手3社が一括0円+高額現金キャッシュバックを乱発してきた経緯を考えれば、監督官庁が厳しい目を向けるのは当然ながらやむを得ないことだと思いますが、自由競争の観点から考えれば、販売施策について実力行使をもって介入するのは最小限度であるべきだとも思います。それよりも、「選べるはずのプランが選べないと案内される問題」「強制オプション」「抱き合わせ販売」に目を光らせてもらったほうが、消費者保護のためになるのではと感じます。

この記事にコメントする

comments powered by Disqus