解説:スマホの0円・キャッシュバックが無くなるってホント?

docomo-shop-zissitu-0yen

 「キャッシュバック、これが最後」って本当ですか?という質問がメールフォームからあったので答えます。

 総務省有識者会議の報告に基づき、携帯各社はMNPへの過剰な還元を改めます。年内にはガイドライン制定も予定しています。

 いきなり0円が無くなるかのように伝えられていますが、総務省有識者会議で特に問題視されたのは「0円を潜るMNP」です。

 変な用語ですが、これはつまり通信料からの割引(月々サポート/毎月割/月月割)の割引額と、端末代金からの直接の割引額、そしてキャッシュバック(現金/ポイント/商品券)の額、これらを全て合計した還元総額が、端末代金の金額を上回る状況を表しています。総務省は、端末代相殺の範囲を超える還元(=0円を潜るMNP)を、「過剰なMNP還元」のひとつの指標としたわけです。

 ここで、「販売現場で、どのように0円を潜らないようにするか?」という自助努力を、2016年2月より携帯各社が順次開始していくことになります。

 「どのように0円を潜らないようにするか?」というのは、各社の裁量があります。つまりどこを削るかです。例えば端末代金が9万円であるとすれば、これを一括0円で売っても、「0円を潜っていない」ことになります。ただ、通信料からの割引やキャッシュバックを付けると「0円を潜ってしまう」ので、これはよろしくない、無くしていこうね、ということになります。他にも例としては、7万円の端末があって、4万円の端末代値引きと、3万円のキャッシュバックがついて、端末代金を相殺する、というのは「ギリギリ0円を潜らない」ので、当面はOKということになるでしょう。

 総務省は、販売現場を見回り、取組状況を監視すると言っているので、徐々に収束していくことはあっても、いきなり全部無くなるというわけではないでしょう。緩やかに減っていくと考えるのが妥当です。というか、実はこの店頭調査が店を回り始めるのが2月なんですよね(笑)過剰な施策を通報できる窓口も用意されます。なので、2月はMNP還元がかなり萎縮するのは間違いないでしょうね。こっそりやり続ける店もありそうですが。

 これらは、ガイドラインがまだ決まっていない段階での話です。販売適正化の内容を含むガイドラインは年内に制定されます。ガイドライン制定までも、携帯各社は販売適正化のための自主的な取り組みを進めることが要請されており、現段階では各社が自助努力を進めているということになります。

 正式なガイドラインでは、最新機種・現行機種への過剰な値引きが規制され、型落ち機種の値引きやキャッシュバックについては容認される見通しです。

 ドコモやソフトバンクは2月に端末代・通信料割引に関して大きな改定があると複数の筋から聞いています。ドコモは販売奨励金をあまり減らさず、通信料からの割引である月々サポートを減らすことで実質0円を無くすと言っていますが、これは間違っていないと思います。携帯キャリアが販売奨励金を既に減らし続けた結果、販売店は利益を上げるためにレ点商法・詐欺的商法に走らざるを得なくなっているのは弊媒体でも何度も指摘している通り。総務省介入により、携帯販売現場の惨状が悪化する危険性もありました。

 しかし月々サポートを減らすことで、販売奨励金の削減を回避するというドコモの方向性は、今後も注意深く見守る必要こそあるものの、販売店への影響という観点からは、ひとまずは安心と言ってもよいのかもしれません。(まあガイドラインで規制される可能性もまだ否定できないのでそちらも注視していく必要はあるのですが)

 ただユーザーにとっては、これはMNP実質0円を回避するための帳尻合わせのためのポーズに過ぎず、ドコモとしては今後も高額な端末を割賦で購入させつつ、そこそこの月々サポートを付けて、自社回線で顧客に機種変更させ続けようというスタイルはさほど変わらないものと思われます。むしろ、どうせすぐに他社に移動してしまうようなユーザーによるMNPは、月々サポートをカットしようという姿勢を強めていくでしょう。

 じわじわと確実に影響が出てきますが、それは急にではなく、緩やかであろうというのが今のところの見立てです。ただ、店頭見回り開始が2月からと考えると、1月の方が美味しいというのはあると思います。携帯3社の販売現場の動向は今後も追っていく予定です。

この記事にコメントする

comments powered by Disqus