サムスン一極支配を粉砕。アップル、独自の有機EL開発へ

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 Appleは今年の9月以降、「iPhone 8(もしくはiPhone Pro)」という名前の新モデルを正式にお披露目する見通しです。このモデルはディスプレイに5.8インチの有機ELを採用することが確実視されています。

 これまでAppleはiPhoneに、液晶ディスプレイを採用してきました。これに対し、Samsungは2010年の時点では既にGalaxyシリーズにSuper AMOLEDこと有機ELディスプレイを採用。Samsungはモバイル分野の有機ELパネルの9割を占める、支配的なプレイヤーです。

 AppleのiPhone 8への有機ELディスプレイの供給は、最近のレポートではSamsungが独占的に行うというものもありました。

 しかしSamsungはiPhoneのライバルであるGalaxyシリーズを製造する商売敵でもあります。クリティカルな部品をSamsungに独占供給させるのは、Appleにとっては好ましくない状況です。

 これまで、そうした状況になることを避けるべく、複数のベンダーに部品を供給させるのが慣例でした。

 ET Newsによると、AppleはCVD装置を購入し、台湾で有機ELスクリーン技術専用の研究開発ラインを準備したとのこと。CVDの生産量の大半は日本企業のキヤノントッキ株式会社が占めています。

 CVDとは化学気相蒸着装置であり、これを有機EL製造装置に実装することで、有機層蒸着後にバリア膜を真空中にて連続成膜することが可能となるという、有機ELの量産には欠かせない存在です。キヤノントッキ製のCVDの多くがSamsungに供給されている状態です。

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(画像出典:キヤノントッキ

 AppleはCVD装置購入によって、より多くのメーカーにOLEDサプライチェーンを開放することができる見込み。将来的に、Samsungとキヤノントッキの地位を脅かすことになるかもしれません。

 有機ELへの研究開発には時間が掛かり、実際に日の目を見るのはiPhone 9の頃合いになる可能性があります。

 他にもAppleは、LGに投資して工場の生産ラインをiPhone専用に確保するなどの動きが伝えられており、Samsungの有機ELの支配的な状況に、Appleが様々な手を打とうとしていることがわかります。