アクセスブロッキング実施を総務省に要請する署名活動、YouTuberが開始 すまほん!!

 YouTuberの「セゴリータ三世」という方が、Change.orgにて、以下のような署名活動を開始しておられました。

 この方は音楽を愛しており、音楽業界・アーティストに還元したいとの想いがある一方で、中高生の間で、スマートフォン用の海賊版音楽ダウンロードアプリが流行、蔓延している実態を突き止め、これに対する「アクセス禁止(つまりブロッキング)」を総務省に求める署名活動を開始した、という経緯のようです。

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 個人的には、音楽を守りたい熱い想いに感銘を受けると共に、概ねポジティブに受け取っております。芸能人やセレブが社会をより良くしようと一歩政治に踏み込んだ発言をするのは海外でも見られる光景でして、YouTuberにもそれがあるんだなと捉えています。言論の自由のある健全な民主主義社会ならばこそでしょう。

 その一方で、それに対して違うと感じる部分は意見を交わし、より良い意見へと修正、磨き上げていくのもまた必要な行程なのだろうと思う次第です。それが言論の自由の根拠たる憲法第21条に関わる、民主社会の基盤となっている部分に関わるアクセスブロッキングの問題なのだから、尚更のこと。憲法第21条は、通信の秘密と検閲の禁止を定めています。

 YouTuberに対する返歌はYouTubeで行うのが粋だろうと思い、不慣れながら、取り急ぎ動画をアップロードしております。内容としては、署名の改善を指摘するため、これまでブロッキング問題を追ってきてお伝えしてきた内容を噛み砕いたような、ざっくりとした、原理原則・基本を説くような内容ですので、熱心な読者の方は改めて観るまでもないかもしれません。

 若く純粋な熱い想いが社会の新しい改革に不可欠に違いないと信じる一方、それで民主社会の根幹に関わる、国民の重要な権利を支える憲法条文まで揺らいでしまったら元も子もありませんから、冷静な議論も必要だと思う次第です。

 その点も、やはりポジティブに、やや楽観して捉えている部分は私の中にあります。先のブロッキング議論だと、ロビイングで強力に推進した政商は、出版社の社長でもあり、政府の会議にも参加しており、そこに与党議員も乗っかる形でしたので、ブロッキングの阻止に回った有識者・弁護士の先生方は、あまりの強敵に大変な苦労をされたはずです。

 しかし今回はYouTuberの方が荒削りな部分もありながらも行動を起こし、これから議論が巻き起こる段階です。ネット社会としてはほとんど一度通った議論。漫画村に始まったブロッキング問題、どこが、なぜ良くないのか?もう一度ネット社会でおさらいが行われるのではないか、犯人逮捕・テイクダウン・プラットフォーマーへの対応など、より良い対策が出てくるのではないかと、良い方向に運ぶことを期待しております。

 そういう意味だと、より実現が近くて国民にとって厄介なのは、スマホとPCの販売価格に著作権料を転嫁する動き(私的録音録画補償金制度の見直し)でしょう。

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 実は、通信の監督官庁総務省ではない、文化庁の文化審議会著作権分科会にて「著作物等の適切な保護と利用・流通に関する小委員会」が脈々と開催され続けており、engadget日本版にて石川温さんが伝えています。もし実現してしまえば、スマホ代やPC代を高くした分が補償金としてJASRACなどに回ることになります。

 自由なインターネットとスマホ・PCへの、音楽業界方面からのやや不穏な動き、今後の事態の推移を見守る必要がありそうです。