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iPhoneがインド市場で攻勢へ!中印国境紛争の中、中国メーカーは?

 製造業は中国からインドの時代へ!……とはけっこうな昔から言われていることですが、3月9日、アップルはiPhone12シリーズのフラッグシップモデルをインドで生産、主に現地ユーザーに向けて販売すると発表。中国「澎湃新聞」が伝えました。

 インド市場といえばシャオミを始めとする中国メーカーの天下でしたが、中印国境紛争とコロナ禍を受けて変化は起きているのか?こちらは、 「新浪科技」をもとにお伝えします。

アップル、iPhone現地生産でインド市場攻略へ

 背景として、インド・モディ政権は「メイド・イン・インド」をスローガンとして時刻製造業の振興に注力しています。

 同報道によると、スマホメーカーの現地工場誘致のため、工場を設置する企業への優待措置があることが、今回の決定の動機とのこと。

 アップルは声明の中で「我々はインドで現地ユーザーのためにiPhone12の生産を開始できることを誇らしく思う」、「今のところは現地での販売だけでも、今後、インドで製造されたiPhoneがインド以外の市場にも供給されるようになるだろう」と述べたといいます。

 大人口国であるインドはスマホメーカーにとって重要市場であり、中国メーカーのシャオミ、OPPO、vivoはいずれも現地に工場を進出させ、現地市場に製品に供給しています。

 インド市場はミドルレンジ・ローエンドモデル市場がスマホの中心であることから、アップルはこれまで旧式モデルをインド市場へ持ち込んで販売していました。

 しかしインド経済の成長と消費力の向上を受けて、アップルはより多くの経営資源をインド市場へ投入する決断をしたといいます。

まだなかったの?!アップル初のインド店舗展開か

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 また、インド国内への生産拠点進出だけでなく、アップルはインドでの直営店開設を計画を計画しているとのこと。アップルCEO・クックは、昨年2月、2021年にインドで初となる実体小売店を開店すると表明していたといいます。

 公開情報によると、アップルはインドでの業務拡大を急速に進めており、2020年通年で同社のインド国内事業は前年比60%以上の伸長を見せ、同年第4四半期、アップルのインド事業は前年同期比2倍になったとのこと。

 ただし、全体の数字は依然として大きくなく、アップルの第4四半期iPhone販売台数は150万台に留まっているそうです。

インドで強い中国メーカー、中印国境紛争の影響は?

 さて、ここまでを見返してみると、「え、インドってこれまでアップルストアなかったの?!」と逆に驚いてしまうところですが、これまでのインド市場は、インド人から「国内ブランド」と慕われているシャオミを始めとした、中国メーカーの天下でした。

 中国とインドの関係といえば、昨年5月には双方に死者の出る国境紛争も発生しており、インド国内では「中国製品ボイコット」が発生するなど、仲がいい悪い以前のレベル。

 中国メーカーのインドでの業績に、影響はあるのでしょうか?2020年通年のインド市場についての記事が、中国「新浪科技」に掲載されていました。

インド市場は「縮小」気味もシャオミが首位ガッチリ

 2月16日に市場研究機構IDCが発表したレポートによると、インドでの2020年のスマホ販売台数は1.497億台、前年比1.7%減となり、少ないながらもインドスマホ市場で減少が発生したのは数年ぶりとのこと。

 シェア首位となったのはシャオミで、市場シェア27%、第2位サムスン、第3位vivoという顔ぶれ。シャオミの販売台数は前年比6%減の4,100万台、シャオミ販売台数の牽引役となったのは紅米8で、下半期は紅米9が大きく台数に寄与したとのこと。

 サムスンの販売台数は前年同期比4%の2,970万台、市場シェアは20%、主力モデルはGalaxy Mと新発売のGalaxy Fシリーズ。これも中国勢、vivoは前年同期比12%減の2,670万台、シェア12%。そのあとにも、Realme、OPPOと中国メーカーが上位を占めます。

「コロナショック」からは回復基調

 2020年通年のインド市場はコロナ禍以前の水準を下回ったものの後半は持ち直し、第4四半期の出荷台数は4,500万台の「新記録」(前年同期比21%増)となり、IDCの予測としては、2021年のインド市場は5-9%の成長が見込まれるとのこと。

 なお、IDCの分析によると、昨年のインド市場の傾向として、オンライン市場の成長率は12%となり、市場全体の48%を占めたのが目を引くポイント。また、5Gスマホ出荷台数は300万台を突破したといいます。

総評

 2020年のインド・スマホ市場は、コロナ渦の影響を受けて微小ながらも縮小。サムスンに比べて中国勢の下げ幅がやや大きいものの、シャオミは通年で4,000万台以上を売ってシェア27%を守り、相変わらずの「首位独走」、その他の中国勢も3~5位を占めており、中印国境紛争による反中感情の高まりで受けた影響は、あまり大きくないようです。中国勢の「メイド・イン・インド」ローカライズ戦略は割とうまく行っていると評価できるでしょう。

 一方で生産拠点と店舗をインドに進出するアップルですが、「前年同期比で2倍」とは言っても、3ヶ月で150万台という数字では、まだまだ先頭集団とは台数を比べるレベルではありません。これから本格的に浸透させられれば、という「橋頭堡」を築く段階にあるといったところでしょうか。

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