世界最薄級の折り畳みスマホ「HUAWEI Mate X3」レビュー

掲載日時: 2023/08/11(金) 23:15

 HUAWEIの新型折りたたみスマートフォン「HUAWEI Mate X3」を購入しました。 ” 世界最薄 ” を謳う一台で、厚みはわずか約5.3mm。端末重量だと、iPhone 14 Pro Maxより軽いみたいです。

 実際にしばらく使ってみたので、レビューをお届けします。

HUAWEI Mate X3をざっと紹介

 まずはMate X3がどんな機種なのか、軽くご紹介します。この折り畳みスマホ、マジで強いです。

 こちらがMate X3本体。今回はグリーンを選択しました。背面にはレザーが使われており、深緑の色合いと合わさって大人びた印象を受けます。

 カバー側画面(サブディスプレイ)は約6.4インチ有機EL。リフレッシュレートは120Hzでタッチサンプリングレートは240Hzです。LTPO式の可変リフレッシュレートとなっており、状況に応じて自動でリフレッシュレートを変えてくれます。最低1Hzまで落としてくれるので、バッテリーの節約に貢献してくれそうです。

 800万画素のパンチホール型インカメラを搭載しています。

 開くと約7.85インチのディスプレイが登場。メインディスプレイにもパンチホール型インカメラが搭載されており、右上に姿が確認できます。

 前モデルのMate X2ではメインディスプレイにインカメラはありませんでしたが、今作から搭載に。メインディスプレイのインカメラを使うシーンは筆者としてはほぼないため、取っ払ってくれたほうが嬉しかったですね。

 サブディスプレイはアスペクト比が一般的なスマホと変わらないので、非常に扱いやすいです。ベゼルは非常に狭く、ヒンジ部分もスッキリしているので「これ折りたたみスマホなの?」と思ってしまいます。

 Mate X3で一番驚いたのが「圧倒的な薄型ボディ」です。

 約5.3mmという厚さは凄まじい薄さ。薄すぎて曲がらないか心配ですが、造りがしっかりしているので、ぐらつくことはありません。

 手持ちのiPhone 13 miniと比べるといかに薄いかわかります。薄さで言えばXiaomiの折りたたみスマホ「Xiaomi MiX Fold 2」も変わらないのですが、Mate X3は30g以上軽いのです。持っていると8インチ近いタブレットとは思えません。

 今までGalaxy Z Fold4を使用していた筆者には、全く新鮮な体験でした。これを味わってしまうと、正直、他の折りたたみスマホが霞んで見えますね。

 Mate X3では自由に角度調整が可能です。前作のMate X2では、一応一定の角度を保持できるものの、ちょっとでも力を入れようものならば、すぐパタンと倒れていました。Galaxy Z Fold4と同程度の角度調整ができるので、格段に便利になっていますね。

 閉じたときの隙間はありません。ここらへんは前作同様。Galaxy Z Fold4では隙間がかなり目立ちますが、構造上、強力な角度固定を両立するためにはある程度やむを得ません。

 ところが、Mate X3はIPX8の防水に加え、角度調整まで自由にできるときました。技術的には他メーカーの一歩先をゆくHUAWEI。先日発表された「Galaxy Z Fold5」では、ようやく隙間がなくなりましたが、Mate X3のような薄さは実現できていません。

Galaxy Z Fold4

 半開き状態だと、対応しているアプリでは最適化表示がされます。下半分にコントロールバーを表示すれば、任意の時間に移動したり、10秒送りや再生/停止などがサクッと行なえます。YouTube、Hulu、NetFlix等の動画コンテンツを試してみましたが、解像感の高さや低音の効きが非常に良く、イヤホンを使わなくとも十分満足です。

 大画面を生かしたコンテンツ消費がとにかく楽しい。KindleやGoogle Map、Amazon Prime Videoなど、約7.85インチの大画面だとスマホでは味わえないコンテンツ体験ができます。

Kindle

Google Map

Googleサービス無し、中国国外での運用は難儀

 現在展開されているHUAWEIのスマートフォンは、Googleサービスが非搭載です。APKファイルでのインストールでも利用不可。

 基本的には、HUAWEIのアプリストア「AppGallery」から使いたいアプリをインストールするのですが、YouTubeやGoogle Mapなど、Google関連アプリは排除されています。AppGalleryはGoogle Playと比べると圧倒的に品揃えが悪く、お世辞にも使いやすいとは言えません。

 ただ、グローバル版のMate X3では「Lighthouse」なるアプリが動きます。Lighthouseを導入することで、Googleモバイルサービス(GMS)が動作するようになるので、Mate X3でもGoogle MapやYouTubeなどのアプリが使えるようになるのです。

 Lighthouseの導入はかなり簡単にできます。AppGalleryを起動し、地域設定をマレーシアなどの国に変更すればインストール可能。

 筆者は実際に入れてみましたが、Google アカウントのログインは問題なく行え、Google関連アプリの起動もできました。アプリ通知の受け取りも良好です。

 ただ、Google Playはインストール出来ないので、アプリの追加は「Aurora Store」などのサードパーティ製ストアを使用するほかありません。

 それによる弊害でGoogle Fitなど開発者サービスを使うアプリは使用不可

Google Pixel Watchとのペアリングは不可でした

 Lighthouseの導入で利便性はかなり向上しましたが、快適にGMSが使える端末と比べると不満点が非常に多いです。目をつぶれば使えないこともないですが、そこまでするとスマートフォンのあるべき使用スタイルから逸脱してしまうと感じます。

HUAWEI Mate X3のカメラ性能

 Mate X3のカメラ構成は以下のとおりです。

 以下、作例をご紹介します。

 彩度の調整がかなり強めに入るので、メリハリが効いた一枚に仕上がります。同じく再度補正が強いGalaxyに比べると若干控えめです。

 料理の写真との相性は抜群。F1.8の明るいレンズのおかげで、ちょっと暗めの店内でもキレイな写真に仕上がります。

 夜景モードはかなり白飛びを抑えてくれます。低照度においてはたまに補正がうまく行かないこともあるので、場面に応じてオートと夜景モードを使い分けたほうが良さそうです。

 光学5倍ズームを備えており、折りたたみスマホの中でも望遠性能は高め。

5倍

 Galaxy S23 Ultraのような光学10倍対応のスマホと比べると、10倍ズーム以降の粗さが気になります。補正で頑張っている感が強く、拡大すると少々残念。ぱっと見の印象は悪くはないので、極度な望遠性能をを求めない日常利用では問題ないでしょう。

10倍

10倍

10倍

総評

 前作のMate X2を触ったときも、筐体の薄さと軽さ、カメラ性能の高さに心震えましたが、Mate X3ではそれ以上に感動したのを覚えています。思わず笑っちゃうくらいビルドクオリティは高く、できるならガシガシ使っていきたいですが、障壁になるのはやはり「Googleサービス非対応」。

 Lighthouseの登場で格段に使いやすくはなりましたが、それでもまだ多くの問題点を抱えます。また、端末の価格自体も非常に高価で、日本から手に入れる場合は25~30万円は覚悟したいところです。

 とはいえ、創意工夫で使いづらさを克服でき、一味違うスマホを追い求めるならそれだけの価値がある端末だと思っています。

おすすめ記事

何が出るのか教えて!シャオミ日本新機種、「Ultra」だけではない伏兵が存在か?

2024-04-29 23:58:57會原

Mi MaxXiaomiXiaomi 14 UltraXiaomi Pad 7 MaxXiaomi SU7 Max

シャオミは、X(Twitter)にて連日ティザーを投稿。このなかで、中国Weiboで使用したXiaomi 14 Ultraのティザー画像が存在しており、もはやXiaomi 14 Ultraの登場は確定的となっています。一方で、他のティザーも気になるところ。モニターなどスマホ以外の製品のものと思われるティザーも含まれていますが、スマホの可能性が高そうなものも。「最先端の超高速充電」とあることから、こ...

【朗報】Android 15は新しい「強制ダークモード」対応かも

2024-04-29 00:38:35會原

Android 15ダークモード

ダークモードがさらに広がりそうです。9to5Googleが伝えています。UIを黒基調にするダークモードは数年前にようやく定着しましたが、依然として非対応のアプリがあります。Android 15では、アプリにダークモードを強制するための新しいオプションがあるとのこと。Android 10から、GoogleはAndroidアプリで開発者オプションとして「フォースダークのオーバーライド(強制ダークモード...

メタ、VR/ARデバイス向け「Meta Horizon OS」発表。ASUSやレノボが採用、「メタバースのAndroid」になれるか?

2024-04-24 12:46:18riku

ASUSLenovoMetaMeta Horizon OSMeta Quest Software

Metaは、同社のMeta Questシリーズに搭載しているMeta Quest Softwareを拡張し、新たに「Meta Horizon OS」としてサードパーティーのハードウェアメーカーに解放することを発表しました。Metaによると、「Meta Horizon OS」は、利用者により多くの選択肢を、開発者により大きなエコシステムを提供するとのこと。同OSを搭載したデバイスとして、既にASUS...

無限装着快感。完全無線イヤホン「HUAWEI Free Clip」レビュー

2024-04-21 20:52:41Jiyoung

HuaweiHUAWEI FreeClipTWSレビュー完全無線イヤホン

ずっと気持ちよく付けていられる一台!HUAWEIの完全無線イヤホン「HUAWEI FreeClip」。開放型のイヤホンで、イヤーカフ型の形状を採用という非常に興味そそられる製品です。実際に購入ししばらく使ってみたのでレビューをお届けします。HUAWEI FreeClipの特徴HUAWEI FreeClipの特徴は以下のとおりです。開放型の完全無線イヤホン耳を塞がずに使える左右関係なく装着できる重量...

カテゴリー