OneGx1レビュー。上質キーボードの小型ゲーミングPC

掲載日時: 2020/07/08(水) 12:41

 中国PCメーカー「One-Netbook Technology」より、最新UMPC「OneGx1」の試作機を貸与していただいたのでレビューします。

 本機はあくまで試作機であるため、実際の製品とは異なる部分があることに注意して下さい。

OneGx1レビュー

開封

 化粧箱を開封すると本体と充電器がお目見え。USB-C急速充電器が付属します。

通信

 待望のSIMカードスロットも備えており、4G通信を利用可能。製品版のLTEバンドはB1/3/8/18/19/26/28/41。

(nanoSIMとmicroSD)

 アンテナ感度はあまり高くないかな、といった印象。UMPCでモバイルネットワークは夢とロマンが詰まっていて最高ですが、まだ本機も競合他機種も熟れていない感じではあります。ただ方向性としてはモバイルネットワークは絶対に正しく、私もここ10年近くPCを使う時はほとんど「SIMが刺さるもの」を選択しており、この試みは継続して挑戦してもらいたいところ。

筐体

 筐体はいかにもゲーミングと言った風貌。ゲーミングPCをギュッと凝縮した印象の見た目に仕上がっています。青っぽい色もどうなんだろう?と当初思っていましたが、「ありそうであんまり無い」個性的な色なので、これはこれでアリ。天板など筐体はさらっとした質感のため、指紋でベタベタになることもありません。

 後方にインターフェイス、充電端子が集中しているのがいいですね。横だとゲームプレイにちょっと邪魔ですからね。

 重量は実測645g。8.9インチのMAG1よりは軽い。排熱を強化したフォームファクタである以上、7インチとしては敷き詰まっている感じ。厚みも増しています。

 8.9インチのMagic-Ben MAG1だとギリギリ、むりやり押し込んで入れている常用のカバンに、OneGx1はちょうどすっぽり収まるのが個人的には好印象。7インチだからこその携帯方法を見つけられると手放せなくなりそうです。

画面

 ディスプレイは7型液晶。画面解像度はWUXGA(1920 × 1200) 16:10で、323ppiと精細。申し分ありません。

 IPS液晶らしく視野角は広く綺麗。

(開閉角度には限界があるが、視野角も広く、Gセンサーによる画面自動回転にも対応)

 単にきれいなIPS液晶というだけでなく、最低輝度がしっかり暗くなるのがポイント。最低輝度が明るすぎて、周囲が暗い状況では眩しくて使えない機種もあるんですよね。「寝モバ」に使えます。

(左:OneGx1、最低輝度がかなり暗い。右:MAG1、最低輝度が眩しすぎる)

 強いていうとバックライト最低輝度と、その一段階上の明るさの乖離が若干あるかなぁ、ぐらい。真っ暗な部屋でフルボイスのノベルゲーをするなら問題ありません。

RGBキーボード

 発表会展示ではわかりにくかったRGBキーボードですが、暗いところではなかなかオシャレ。

 ただめまぐるしく色を変えながら点灯されると、「寝モバ」しにくいですよね。Fn+Spaceでの点灯/消灯や、Fn+Enterでの色変更も可能なのでご安心を。ちなみに基本消灯、打鍵した部分から広がるようにキーが光る、といったギミックもあり。寝室向け?

 このキーボード侮るなかれ。最近主流のUMPCよりも小型な7インチの筐体で、キーピッチ狭め。アイソレーションタイプでもありません。お互いの隙間がないことで、キーあたりの大きさは確保。このカテゴリにしてはキーストロークも深く、そしてキートップの質感もシルキーでマット。上質。

 幅が狭いので、両手で抱えた状態で、親指でタイプするというのもその気になれば可能。8.4インチや8.9インチでそれをやろうとすると、正直無理がありますが、こっちはいけます。

 机上に置いて人差し指で打つにも、両手で持って親指で打つにも、非常に心地いい打鍵感に惚れ惚れするのですが、キーを詰め込んで直近に隙間なく隣接していることもあり、打ち間違いをすることが結構あります。慣れてしまえばものすごく快適な可能性はありますが、私はまだその域には達していません。

 打鍵感は好きなので作業用にも使いたくなるところ。そういう場合には指紋認証センサーの欠如がネックになります。ただしWindowsのログインパスワードとは別に、ロック解除を4桁の数字のPINで代替する設定もあるため、それを活用すると解消できるかもしれません。

パフォーマンス

 スペックは以下の通り。

OS Windows 10 Home
CPU Core i5 10210Y 4コア8スレッド 
4.0GHz
メモリ 8 / 16 GB 
ストレージ SSD 256GB / 512GB
ディスプレイ 7型 IPS液晶 WUXGA (1920 × 1200) 16:10
323ppi, 視野角178度
バッテリー 12000mAh 3.7V, USB-PD対応
寸法 幅136×高さ173×厚み21(mm)
重量 620g
その他 MicroSDカードスロット
Wi-Fi 6(IEEE802.11ax)
Bluetooth, USB, Type-C×2
イヤホンジャック,
キーボードRGBバックライト

 Fnキー+右上の誤動作防止キーを押すと、ファンが全開で動作するため、重いゲームを実行して発熱が気になる場合はこれを実行すべきです。ただファンの作動音は大きめ。

 ドラゴンクエストベンチマークのスコアは以下の通り。正直、スコアはOneMix 3 Proと特に変わりません。あくまでCore i5 10210Yです。

 Cinebench R20のスコアは以下の通り。

 このほか、3DMark Time Spyは362点。

 OneGx1で実際に動作するゲームとしては、HoI4やCiv6といった戦略シミュレーションゲームがあります。まあこのあたりのSLGはつい「もうちょっとだけ、もう1ターンだけ」とズルズルプレイしてしまいがちのため、12000mAh電池で他機種より長くプレイできる本機は嬉しい悲鳴。移動先でもプレイしたくなり、さらに「寝モバ」にもぴったりの本機ですから、睡眠時間が減って寝不足になってしまう!布団じゃマウスだと操作できないので、無線接続できるトラックボール系はおすすめ。

 他には3Dをゴリゴリ動かすわけではないゲームも。横スクロールなCupheadもスムーズに動きます。ダンガンロンパなんかも。ノベルゲーは全然いけますね。

 一方で3Dのリッチなゲームは画質設定を落とす必要があり、フレームレートが30以下となってしまうゲームが多く、快適とは言い難いです。とはいえ10年前の「3Dのリッチな」ゲームなら動作します。

 もし重たい、最新の3Dゲームを快適に遊びたいのであれば、別の機体やクラウド上でゲームを動作させ、それをストリーミングするSteamリモートプレイやGeForce Nowなどを活用して本機でプレイするのがおすすめ。これらサービスは機体のGPU性能が高くなくとも動作するためです。

 プレイしたいゲームによって評価が分かれそうですね。

排熱機構

 OneGx1で着目すべきは排熱機構です。

 OneGx1を、電源モード「バッテリー節約」で通常利用時、後方の黒い排熱部周りは35度ほど。底部は30度台前半。

 しかしパフォーマンスモード・ファン全開でベンチマーク使用中、後方の黒い排熱部周りは30度台後半から40度台半ば。部位によってはそこそこ高温。しかしながら底部は30度台半ば。ファンをぶん回せば結構冷やせますね。

 たださすがにゲームを結構プレイしていると、底部が40度前後、底部排熱付近が45度近くまでになってきます。1時間近く3Dゲームを起動していると、底部に部分的に50度に達する箇所がありました。

購入

 発売日は2020年8月22日から。One-Netbook公式ストアとAmazonでのOneGx1国内正規版の価格は以下の通り(税別)。

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