メルカリの売上でビットコイン購入が可能に。現時点ではBTC入出庫非対応、今後の拡大に期待

　メルカリの子会社「メルコイン」は、2023年3月9日より暗号資産交換業を開始、メルカリアプリ内でビットコインの売買ができる新サービスを提供すると発表しました。

　ターゲットはライト層。不用品を売った売上や、還元で手に入れたポイントを1円からビットコインに交換が可能とのこと。価格の上がったタイミングで戻すこともできるといいます。見慣れたマイページで保有額を表示。

　登録から利用まで、すべてメルカリ内で完結するためわかりやすいとしています。本人確認済みなら利用申込は30秒で可能。

　セキュリティ面としてはメルカリグループのセキュリティ専門チームが担当するほか、FIDO認証仕様に基づく生体認証にも対応。資産は分別管理しているので、安心して取引ができるとしています。

　これまで人々の生活がインターネットによって大きく変わってきたが、ブロックチェーンの技術がさらに変えていくといいます。

　個々に分散することで改竄が難しく信頼できる、非中央集権型のブロックチェーン。台帳は誰でも閲覧できる透明性を持ち、送金スピードも高速。決済や送金、取引という概念を大きく変えるといいます。暗号資産の成長は、インターネットと同程度のスピードとの見方を示しました。

　なお暗号資産は日本では所有割合は少ないものの、取引額は多いとのこと。国内暗号資産口座は640万口座、アクティブな口座は370万口座。銀行口座は3900万なのでまだまだ少ないといいます。メルカリ参入によって、累計利用者数4800万、年間流通総額は1兆円。暗号資産の業界に大きな意義があるとしました。

　マイニング電力消費の環境負荷があるが、ビットコイン取引量に応じたカーボンオフセットを実施することで、環境へのネガティブな影響を軽減する取り組みも同時に行っていくとしています。

　ターゲットはライト層ということもあって、2通貨以上あると混乱するためまずは1通貨に絞ったものの、今後顧客の声を聞いてアルトコインに対応していくことは検討するとしました。

　残念ながらローンチ時点では暗号資産の入出庫は非対応とのこと。あくまで日本円とBTC。入出庫への対応はこれから検討を進めるとしています。

　売買の取引手数料は不要でスプレッドのみ。片側1%、両側2%。

　確定申告については、月間取引報告書を出すのでそれベースでやってもらう形ではあるものの、利用状況を見て課税対象者が増えてきたら、サービスとして確定申告サポート機能は検討するとしています。

　今回は限定的な対応となりましたが、今後も広く様々な検討を進めるとしています。アルトコインの取り扱いや入出庫の対応に期待したいところです。