中国のスマホショップは儲かってるの?
中国の街角には、「コンビニより多いんじゃないの?」という勢いでスマホ・ショップが乱立しています。これは筆者も見てきた通り。しかも、機種購入と通信契約が紐づいていない自由販売市場で、どうやって採算をとっているのか?不思議なところです。
同じ疑問は中国の人も抱いているようで、「そこら中にあるスマホ・ショップは、いくら稼げるのか?」という記事が、「百度号」に掲載されていました。通信キャリア代理店の収支や、ブランドごとの粗利なども紹介されていて、興味深い記事なので、ご紹介します。
Index
中国スマホショップの種類
まずは、中国でのスマホ販売店の種類について、見ていきましょう。
ブランド専門店
第一に、ブランド専門店。華為やOPPO、VIVO、SAMSUNG、Appleなどの専売店が、本当にどこにでも、大量にあります。江蘇省・蘇州の繁華街では、Apple Storeが向かい合わせになっているという珍風景も。
直営、フランチャイズを問わず、専売店の店舗家賃はメーカーから補助があるそうです。
家電量販店
次に、家電量販店。たとえば中国最大の量販店「蘇寧電器城」では、ネット価格と店頭価格を一致させており、透明性が顧客の信用を獲得しているようです。圧倒的な薄利多売体制により、販売価格が一般の小規模店舗の仕入れ値と、ほぼ同じなのだとか。恐ろしいですね。
キャリアショップ
3つ目は、通信キャリアの店舗。一般的に代理店の形式がとられていますが、こちらも店舗家賃をキャリアが補填している他、店舗改装はキャリアが直接負担するそうです。
キャリアショップの仕組み
参考元記事の筆者は以前中国電信(チャイナ・テレコム)の代理店をしていたとのことで、詳細な説明が加えられています。
SIMカードとインターネット契約業務に、手数料が発生します。とくに毎月の料金が発生する固定契約業務は、大きなものだと一件1,000元(1元=約17円)になるのだとか。
元手と家賃、改装は全額中国電信が負担し、代理店が負担するのは、光熱費やカウンター、パソコンなどだけ。1カ月の収入が2~3万元になるのも普通だといいます。光熱費はたかが知れたもので、人件費も夫婦でやっているならタダ。日本円で30~50万円の収入がほぼ収益になりますね。いい商売です。スマホは売れるなら売り、売れなければ他の業務で稼ぐ、という方式だとか。
売ると儲かるスマホブランドはこれ
ブランド直営店については、店舗の独立採算ではないためか、研究対象外としています。
おいしいのはOV
スマホの粗利は、「OV(oppo=vivo)>SAMSUNG>華為>Apple>栄耀(hornor)>魅族=楽視>小米」だそうです。
oppo,vivoは価格が統一されており、値動きしないようです。フラッグシップモデルは400-500元、1,000元の低価格モデルでも200元程度の利潤が出るそうです。
SAMSUNGでも儲かってた
SAMSUNGの利潤は200-500元の間で、価格が高ければ高いほど利潤も高くなるといいます。S6は1台800元もの利潤が出て、あとから価格が調整されたとか。「今では買う人が少なくなった」というのは、小売店からすれば残念でしょうね。
Huaweiは機種次第
華為の機種は、発売からの時間によって異なるそうです。今はP9のような機種は400元くらいと非常に高い利潤がありますが、P10やmate9は在庫が少ないため、入荷するには高値を出す必要があり、公式サイトの販売価格よりも高くつくのだとか。
低価格帯は基本的に安い
栄耀(hornor)、魅族、楽視は100~200元とのことですが、低価格帯のブランドなので、こんなものでしょう。さらっと流されています。
Appleは驚くほど低い
Appleについては、「利潤が驚きの低さ」と嘆いています。一般に200元ほどで、たとえばiPhone7は仕入れ値が4,700元前後と、大型ECサイト「京東」とあまり変わらないのだとか。中国のスマホショップでは、「iPhone爆発しろ」と思っていることでしょう。
最も売りたくないスマホはXiaomi
小米は基本的に公式サイトよりも低い価格で仕入れられることは有り得ず、それより高い価格で仕入れることになり、更に価格を上乗せするこのになるといいます。「最も売りたくないスマホ」だとか。Xiaomi自身はあくまでECサイトでのオンライン通販をメインとしているので、メーカー的にはそれでもいいのでしょうね。
実は儲かる「パチモノ」
あとは、利潤が驚くほど高いものもあるそうです。例えば、利用情報が一致しないもの、所謂「バッタ物」ですね。それに農村では、価格を好きに決められる「山寨(パチモノ)」もいまだ流通しているそうです。
中間業者を挟むとプリインアプリがてんこもり。キャリアから買うのが安全
とくにキャリア代理店なら「いい商売」だといいますが、一方で、今、量販店によるスマホ市場への打撃は相当なものであるとも指摘します。
実店舗でスマホを買うなら、「蘇寧(SUNING)」か「国美(Gome)」だろうともいいます。価格もさることながら、品質の保証が大きいようです。
仕入れに仲買が存在する場合、アンドロイド機は、各種アプリがプリインストールされています。キャリアの契約機は出荷時のまま販売しているそうですが、それ以外は保証できないのだとか。事情が日本とはまるで逆さまなのは、苦笑するしかないでしょう。
蘇寧や国美、それに京東は仕入れルートが信用できるので、安心だとのことです。