日本人の知らない中国「老人ケータイ」の世界

掲載日時: 2020/02/03(月) 20:31

 中国といえば、華為、小米、OPPO、vivoなど、大手スマホメーカーが林立し、「なんでもスマホ決済」というイメージがある中国ですが、「スマートではない従来型携帯電話」もちゃんと存在しており、一般に「老人機」或いは「効能機」と称されます。

 先日ふとしたきっかけからECサイトの「老人機」を見てみると、SONYと一文字違いのメーカーや、Android搭載モデルなど、ここ5年くらい忘れていた「こんなガジェットがあったのか」という感動を味わえたので、独断と偏見で「これ面白いな」と思った機種をいくつかご紹介します。

中国「老人機」の世界

「PHILIPSブランド」のAndroidガラホ

 まずご紹介するのは、「王道」というべきAndroid搭載のガラホ的な製品、「PHILIPS E518」。

京東より)

 「フィリップスって、あの医療製品やシェイバーの?携帯電話作ってるの???」と、まず気になるところですが、2007年に同社携帯電話事業を中国企業が買収しているそうです。

 ECサイト・京東に掲載されているスペックはこちら。

 やけに「その他」が多いですが、おそらくデフォルトがスマホ基準の選択肢で、選びようがなかったのでしょう。なお「その他」となっていますが4G LTEには対応しているとのこと。

 Android 8.1搭載、タッチパネルと物理キー操作の両方に対応。なぜかダブルSIMスロットで、FMラジオの聴取が可能。アプリストアがインストールされているかは、ちょっとわからないですが、なかなか面白い機種ではないかと思います。お値段は599元なので、概ね1万円以下。

折り畳み「索愛」

 お次は、「あー、ガラケーと言えばこれこれ」と言いたくなる機種。索愛Z86。SONYの中国語名「索尼」と一文字違いなのが味わい深いブランド名ですね。

京東より)

 時計が大きく表示されるパカパカケータイ、懐かしいです。カタログスペックは次のとおり。

 なお、セールスポイントは、ショートメッセージの内容や、誰から電話が来たか、メニューなどを音声読み上げ可能。当然中国語なので、これは使えませんね。

3.5インチカードサイズ

 次に、変わり種。3.5インチのカードサイズ・ミニスマホ、小辣椒 R17。

京東より)

 スペック表はこちら。なお、ダブルSIMスロットです。

 お値段499元、約8,000円と、動作がクソでも腹が立たないお手頃さなので、ちょっと欲しいかもしれません。

動くのか?激安99元

 最後に、激安モデル。「小辣椒」の製品ですが、型番の記載がちょっと見当たりません。99元(約1600円)という激安価格、「動くのか?」と少し心配になりますが、「交換のみ、修理せず」と大きく書いてあるので、動かなくても交換はしてくれるそうです。

京東より)

 なお、真ん中の大きなボタンは「SOS」ボタン。押せば緊急連絡先へ通知がいくようになっているとのこと。老人や幼児に持たせることを強く意識した商品設計ですね。

 以上、中国の携帯電話「老人機」を、典型的なガラホ、ガラケー、変わり種激安スマホ、激安モデルの4種類をご紹介してみました。

 大手ブランドのスマホは競争の結果だいたい似たような内容に落ち着いていますが、こういった群小メーカーの激安製品は、まだまだ「なにこれ?」なロマンがあるようです。

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