中国ファーウェイは、中国国内で同社最新フラグシップスマートフォンの「HUAWEI Pura70」「HUAWEI Pura70 Pro」「HUAWEI Pura70 Pro+」「HUAWEI Pura70 Ultra」の4機種を発表しました。
同社傘下のHiSilicon製SoCを搭載し、Pura70 Pro+/Ultraは衛星通信に対応。Pura70 Ultraでは1型センサーと可変絞りの沈胴式広角カメラを実現しています。
PシリーズからPuraシリーズへ
デザインとカメラ重視のスマートフォンHuawei Ascend P1からP60シリーズへと12年続いてきたHuawei Pシリーズですが、今回からPuraシリーズへとシリーズ名をアップグレード。
Puraのネーミングは純粋さに由来しており、ハイエンド・究極・シンプル・ピュアのデザインコンセプトを堅持し、技術・ファッション・アートを製品に統合し、大胆な想像力でユニークでモダンな美的デザインを生み出すといいます。
モバイルイメージングをリードするフラグシップシリーズとしての立ち位置はこれからも変わらないようです。
デザイン
Pura70シリーズでは羽をイメージした背面カメラの三角形の形状が特徴的なデザインに。
背面素材はPura70/Pro/Pro+がガラス、70 Ultraのみヴィーガンレザーとなっており、カラーバリエーションは以下の画像の通り。
Pura70/ Proは無地ですが、Pro+は光に反射するチェック柄の加工がなされています。
Ultraはカメラのスペースが大きい分三角形のしたに台座が配置されたようなカメラバンプ。背面のレザーには銀河のスターバーストをイメージした十字の刺繍が高級感を演出しています。
レザーケースや磁気ケース、液冷シェルなど様々な公式ケースも用意されています。
ディスプレイ
Pura70は6.6インチのフラットディスプレイで、Pura70 Pro/Pro+/Ultraはフレームに向かってわずかに湾曲した6.8インチのマイクロクワッドカーブディスプレイ。
全て1~120HzのLTPO可変リフレッシュレートのOLEDディスプレイで、460ppiの画素密度、2500nitのピーク輝度を実現しています。
前面の強化ガラスには自社専用のKunlunガラスを採用。Pura70/70 Proは耐落下性が100%向上した第2世代のKunlunガラスですが、Pura70 Pro+/Ultraは対傷性も第一世代のものから300%向上した非常に傷のつきにくい玄武岩強化Kunlunガラスになっています。
パフォーマンス
SoC
SoCのスペックはMate60 シリーズ同様に記載がないですが、中国現地の実機では、Huawei傘下Hisilicon製であることが確認されています。
その情報によると、Pura70はKirin 9000S1、Pura70 Pro/Pro+/UltraはKirin 9010であるとのこと。
Pura70 Ultraはベンチマークの測定もレビュワーにされており、Antutuベンチマークでは約98万点、GeekBenchで約4750点のマルチスコアを記録。
これらはQualcomm製のSnapdragon 8+ Gen 1に近いスコアであり、最新のフラグシップとしては低性能ながらも、アメリカの制裁下で十分な性能を実現しているのは驚きです。
5G通信の可否については不明ですが、3Gや4Gではない高速な通信回線をなぜか掴むそうです。
衛星通信
Pura70 Pro/Pro+/Ultraは北斗衛星メッセージに対応し、4Gや5Gの通信回線がない環境でもメッセージを送受信することが可能な上、画像メッセージも共有できるようになりました。位置情報の軌跡マップも生成して送信可能です。
Pura70 Pro+/70 Ultraは衛星電話にも対応しています。
HarmonyOS 4.2
HarmonyOS 4.2ではAI機能を強化し、AIを用いた空中ジェスチャーでの操作やインテリジェントな情報保護が可能に。会話や文章の要約などをサポートするパーソナルアシスタントAIやスキンケア知識のQ&Aをしてくれるビューティーコンサルタント機能も実装しました。
AI画像編集機能も充実し、消しゴムマジックのような被写体除去機能で除去後の背景の補完が自然になるほか、写真の画質を生成AIにより高めるAIクラウド強化機能は集合写真、マクロ写真、ポートレート、花などの被写体でも機能するようになります。
システム制御も改善され、アプリケーションのより迅速な起動、滑らかなモーション効果、数万枚の写真の瞬時のロードができるとのこと。
カメラ
Pura70/70 Pro/70 Pro+は広角カメラの5000万画素 1/1.3型センサーでF1.4-F4.0の物理可変絞り、光学手振れ補正(OIS)の強力なハードウェアに。
Pura70 Ultraはなんとカメラ起動時にレンズがつき出る、沈胴式カメラを広角に採用。沈胴式カメラは内部のギアによって昇降する仕組みで、稼働部品がありながらも30万回の耐久性とIP68の防水・防塵を実現しました。
この沈胴式カメラにより、1型センサーとF/1.6の明るいレンズにF/4.0までの可変絞り、センサーシフト手振れ補正のもりもりスペックを薄さの限界を超えて搭載を可能にしています。
起動時にはギアの機械音がするという、独特なカメラ体験も味わえるそうです。
Pura70 Pro/Pro+/70 Ultraはf/2.1の明るく、5cmと超式距離での望遠マクロ撮影を可能にする光学3.5倍望遠カメラを搭載。
XD Fusion Pro高解像度エンジンにより、低倍率から高倍率まで鮮明に撮れるとしています。マクロ撮影時は35倍まで拡大可能で、暗い場所でも顕微鏡のようにものを撮影できるとアピールしました。
Pura70シリーズはカメラ機能としてXD motionエンジンと呼ばれる画像処理システムを用いた超高速フラッシュ撮影機能に対応。このモードではリアルタイムで長めの露光時間と短めの露光時間の2枚の撮影からAIが被写体の速度を算出し、移動部分の情報を復元することでブレの少なく鮮明な写真を撮影できるとのこと。
レーシングカーのような時速300kmの超高速な被写体の瞬間も捉えられます。
ポートレートモードでは肌の質感、光と影のぼかし効果を忠実に再現。
また、セルフィーカメラの広角による歪みを補正し、顔のプロポーションを復元する機能を実装しています。
さらに、写真撮影においてリアルな色再現と、オリジナル・ビビッド・ブライトの3つのXMAGEスタイルとモノクロモードにより豊かな色表現ができるといいます。
価格・発売日
「HUAWEI Pura70」「HUAWEI Pura70 Pro」「HUAWEI Pura70 Pro+」「HUAWEI Pura70 Ultra」の4機種は既に中国国内で発売中。
価格がPura70が5499元(約11.7万円)から、Pura70 Proが6499元(約13.9万円)から、Pura70 Pro+が7999元(約17.1万円)から、Pura70 Ultraが9999元(約21.4万円)から。
スペック
Pura70 Ultra | Pura70 Pro(+) | Pura70 | |
---|---|---|---|
OS | HarmonyOS 4.2 | ||
SoC | Kirin 9010C | kirin 9000S | |
メモリ | 16GB | 12GB(Pro)/16GB(Pro+) | 12GB |
容量 | 512GB,1TB | 256/512GB,1TB(Pro) 512GB,1TB(Pro+) |
256/512GB,1TB |
画面 | 6.8型 1.5K (2844×1260) AMOLED 1-120Hz LTPO可変駆動 ピーク輝度:2500nit 1440Hz PWM調光 4辺マイクロカーブディスプレイ |
6.67型 1.5K (2760×1256) AMOLED 1-120Hz LTPO可変駆動 ピーク輝度:2500nit 1440Hz PWM調光 フラットディスプレイ |
|
カメラ | 広角(22.5mm): 5000万画素 1型 1.6μm f/1.6-4.0 物理可変絞り センサーシフト手振れ 補正 沈胴式カメラモジュール 超広角(13mm): |
広角(24.5mm): 5000万画素 1/1.3型 1.2μm f/1.4-4.0 物理可変絞り OIS 超広角(13mm): 光学3.5倍望遠(92.5mm): |
広角(24.5mm): 5000万画素 1/1.3型 1.2μm f/1.4-4.0 物理可変絞り OIS 超広角(13mm): 光学5倍(125mm): |
インカメラ | 1300万画素 f/2.2 | ||
電池 | 5200mAh 100W有線急速充電 80W無線急速充電 20Wワイヤレス給電 |
5050mAh 100W有線急速充電 80W無線急速充電 20Wワイヤレス給電 |
4900mAh 66W有線急速充電 50W無線急速充電 7.5Wワイヤレス給電 |
寸法 | 162.6×75.1×8.4mm, 226g |
162.6×75.1×8.4mm, 220g |
157.6×74.3×7.95mm, 207g |
その他 | IP68 ステレオスピーカー 画面内指紋認証 衛星メッセージ送受信 衛星通信 |
IP68 ステレオスピーカー 画面内指紋認証 衛星メッセージ送受信 衛星通信(送受信/Pro+のみ) |
IP68 ステレオスピーカー 画面内指紋認証 |