究極のUMPC「GPD Pocket3」爆誕。新機軸「モジュール機構」で歴代機の特徴を兼ね備えた最強マシンに

掲載日時: 2021/11/25(木) 18:57

 深センGPD Technologyの国内正規代理店である株式会社天空は、東京都内にて11月25日、8型2in1 UMPC「GPD Pocket3」を正式発表しました。GPD DirectおよびAmazonにて2022年1月下旬より順次発売予定。

新製品を解説する株式会社天空山田拓郎社長

 GPD Win MAXより3D性能1.5~2倍となった第11世代 Intel Core i7-1195G7を選択可能な高性能モデルながらも、重量725gの軽量さを持ち合わせます。

 シリーズ三世代目となるGPD Pocket3。これまでGPD社は、生産性モデル「GPD Pocket」シリーズ、ゲーム特化モデル「GPD Win」シリーズ、サーバー管理者向け「GPD Micro PC」シリーズなど特色あるモデルを展開してきましたが、これまでのモデルの特徴を統合し全てを注ぎ込んだ「究極のUMPC」が、GPD Pocket3の開発コンセプトとのこと。

 2軸ヒンジを採用し、画面は180度の回転が可能。

シャーシは削り出しアルミ合金。2軸ヒンジで画面回転可能、画面はタッチパネルで筆圧検知スタイラスにも対応

GPD Pocketシリーズでは非搭載だったものの、GPD P2 Maxでは搭載していたWebカメラ。本機は左上に200万画素カメラを備えビデオ通話も可能に

三ボタンクリック、指紋認証兼用電源ボタン、タッチパッドの操作系が上部に配置され、キーボードは下部に。手に持って使うことを念頭に置いたGPD WIN Maxもこのスタイルだった。これにより電車等で立った状態での利用も容易。キー配置やキー形状含めGPD Pocket2から大きく改善、キーピッチは16mm。

 ヒンジ部分は数万回のひねりテストをクリア。日本刀のように急速に冷やして強度をつけているといいます。

 GPD Pocket3で導入された最も特徴的なギミックが、モジュール式拡張端子。

左から有線LAN端子、給気口、モジュール。

 ネジで簡単に取り外して着脱が可能。USB2.2 Gen2、HDMIキャプチャー+USB Type-C(KVM)、シリアル通信用RS-232端子が選択可能。

 特にHDMIキャプチャー+USB Type-Cモジュールにてサーバーを有線接続して操れるのでサーバー管理者のエンジニアには重宝するかもしれません。

RS-232CやLANポートを備えサーバー管理者向けに売り出したGPD Micro PCの特徴をも獲得した

 なおSD/microSDカードスロットモジュールの開発が進行中であるほか、中国でSIMスロットのLTEモジュールを搭載して欲しいとの要望の声があがっており、現在検討中。日本のユーザーからの声が高まった場合に開発する可能性があることを示唆。

 もしモバイルネットワークに対応する場合、電波感度確保のためのアンテナ設計も考慮する必要があり、単にモジュールを追加するだけで十分な通信品質を確保できるのか?Wade代表曰く「技術的に難しいが解決策は無くはない」と言うに留め、現段階では具体的には言えないものの何らかの策を持っていそうな様子を伺わせました。

GPDのWade代表は遠隔にて質疑応答に回答。筆者が1年半前のGPD WIN MAX日本発表会でモバイルネットワーク対応について訊いた時は不要との見解だったが、時間の流れを感じた

 性能は「ファイナルファンタジーXIV: 暁月のフィナーレ ベンチマーク」で1920×1200(WUXGA)標準品質にて計測すると、6201点(やや快適)。1280×800のGPD WIN MAXでは5000点ほど。高解像度にも関わらず非常に高いパフォーマンスを発揮できることがわかります。

 高い性能を生かして動画編集などクリエイティブPCとして利用できるほか、HDMIキャプチャーを生かした配信用PCとしてアクティブな活用も見込みます。従来モデルでは困難だったFHDの映像配信も、本機の処理性能なら可能になってくるといいます。

HDMIキャプチャーモジュールでカメラを有線接続することでビデオ通話や動画配信など可能性が大きく広がる

 UMPCはモノラルスピーカーどまりが多い中、本機はステレオスピーカーを搭載します。

各部位名称一覧。TDPとメモリ周波数を引き上げることもできる

ストラップホールやイヤホンジャックも搭載。2軸ヒンジの小型ガジェットと言えばLinux ZaurusやLOOX Uですが、それらもストラップホールを備えていたので本機は「わかってるな!」という印象を強く受けた

左:GPD Pocket3、右:Magic-Ben MAG1

筐体は幅198mm、高さ137mm 左:GPD Pocket3、右:iPhone 13 Pro

iPad miniと同等という魅力的なサイズ感 左:GPD Pocket3、右:第6世代 iPad mini

もちろん厚みでは差がある 左:GPD Pocket3、右:第6世代 iPad mini

 スペック表は以下の通り。

OS Windows 10 Home 64bit
CPU 第11世代 Intel Core i7-1195G7 / Pentium N6000
GPU lntel Iris Xe Graphics 96eu / Intel UHD 630 Graphics 32eu
メモリ 16GB / 8GB LPDDR 4x
3733MHz / 2933MHz
ストレージ PCIe M.2 NVMe SSD
1TB / 512GB
ディスプレイ 8型IPS液晶 16:10 1920×1200 248ppi
500nit 10点マルチタッチ
2軸ヒンジ180度回転
4096段階筆圧検知スタイラス
DC調光
バッテリー 10000mAh
45W PD
寸法 198×137×20 mm
重量 725g
モジュール RS-232 9ピンシリアルデバイス
KVMモジュール  HDMIキャプチャー
カメラ 200万画素IRカメラ 77度
その他 Wi-Fi 6 2402Mbps, Bluetooth 5.0
3.5mmイヤホンジャック, 指紋認証センサー
Thunderbolt 4, Supports USB4
RJ45 2500Mbps
USB A
HDMI
2.5mmストラップホール
ステレオスピーカー

 税込み価格は以下の通り。

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