KDDIが「アパレル販売向け高精細XRマネキン」を開発

掲載日時: 2022/05/29(日) 12:15

 KDDIは5月18日、バーチャル上で衣服を確認できるソリューション「アパレル販売向け高精細XRマネキン」を開発しました。

 Google Cloudの新しいクラウドレンダリング製品である「Immersive Stream for XR」を日本国内で初めて利用したということです。

 昨今のアパレル業界は「大量消費、大量生産」の構造になっています。消費者の多種多様なニーズに答えるべく、豊富なサイズ・カラーで商品を揃えているものの、もちろん店頭に並んだものすべてが誰かの手に渡るわけではありません。売れ残ったものはすべて廃棄を余儀なくされているのが現状です。

 SDGsが騒がれる昨今にこの状況はまずいとして、KDDIがGoogle Cloudと協力して立ち上がり、本ソリューションを開発したとのこと。

 既存のバーチャルサービスは、利用するために端末にそれなりのスペックが要求されるのに対し、このソリューションは「Immersive Stream for XR」を活用したことで、スペックに依存することなく利用可能にしたことが特徴です。

 負荷のかかる作業はクラウド上で行い、端末にはあくまでストリーミング映像を配信するだけにしたことで、これを実現しているとのこと。

 このソリューションを用いて、商品の確認をバーチャル上で行い、そのまま購入もECサイトへ誘導する形をとれば、店頭に在庫を余分に置く必要がなくなります。さらには、個人のスマホでも利用可能になるとのことで、店舗に行くことすら不要に。

 もちろん今でもECサイト上で衣服を購入することは出来ますが、実物(に限りなく近いサンプル)を自分の目で見てから購入できるようになることで「サイズが合わなかった」「色味が思っていたのと違った」といったミスチョイスを最小限にすることが出来そうです。

 ちなみに商品をバーチャル上で着用してくれるマネキンは、KDDIのクリエイティブチーム「au VISION STUDIO」がプロデュースするバーチャルヒューマン「coh」。髪の毛一本一本まで精密に表現されているうえ、人間の動きを取り込んで動かすことも可能で、衣服の素材感や布の動き方までも確認できるとしています。

 グーグル・クラウド・ジャパン合同会社代表の平手智行氏も「このKDDIのソリューションは、まさにアパレル業界のあり方を大きくかえる第一歩」と期待を示しています。今後、実店舗導入に向けて検証が進められていくということです。

 店舗で実物を見て、触って、確かめながらショッピングをするのが好きな筆者としては少々複雑ではありますが、持続可能な社会の実現のためには変化を避けては通れません。アパレルショップから店頭在庫が消え、デジタルサイネージだけが並ぶ未来もそう遠くないのかもしれませんね。

情報元KDDIYoutube

おすすめ記事

何が出るのか教えて!シャオミ日本新機種、「Ultra」だけではない伏兵が存在か?

2024-04-29 23:58:57會原

Mi MaxXiaomiXiaomi 14 UltraXiaomi Pad 7 MaxXiaomi SU7 Max

シャオミは、X(Twitter)にて連日ティザーを投稿。このなかで、中国Weiboで使用したXiaomi 14 Ultraのティザー画像が存在しており、もはやXiaomi 14 Ultraの登場は確定的となっています。一方で、他のティザーも気になるところ。モニターなどスマホ以外の製品のものと思われるティザーも含まれていますが、スマホの可能性が高そうなものも。「最先端の超高速充電」とあることから、こ...

【朗報】Android 15は新しい「強制ダークモード」対応かも

2024-04-29 00:38:35會原

Android 15ダークモード

ダークモードがさらに広がりそうです。9to5Googleが伝えています。UIを黒基調にするダークモードは数年前にようやく定着しましたが、依然として非対応のアプリがあります。Android 15では、アプリにダークモードを強制するための新しいオプションがあるとのこと。Android 10から、GoogleはAndroidアプリで開発者オプションとして「フォースダークのオーバーライド(強制ダークモード...

Qi2、液晶での電池残量表示対応!Anker MagGo Power Bank (10000mAh) レビュー

2024-04-24 19:56:54そっぷる

Anker MagGo Power BankQi2レビュー

AnkerよりQi2対応のモバイルバッテリーが発売されました。前回紹介したものは6600mAhですが、今回は10000mAhの大容量モデルです。それ以外にも違いがあるので紹介していきます。内容物はUSB Type-Cケーブルとモバイルバッテリー本体のみ。ワイヤレス充電面にはQi2対応を表すQi2のロゴが表記されています。背面には簡易的なスタンドが備わっています。スタンドは非常に簡易的なものですが、...

HUAWEI Pura70シリーズ発表!Pシリーズから名称が変更、Ultraはレンズがつき出る1型沈胴式カメラを搭載

2024-04-24 18:50:23ピュアセル

HiSiliconHuaweiHuawei Pura70Huawei Pura70 ProHuawei Pura70 Pro+

中国ファーウェイは、中国国内で同社最新フラグシップスマートフォンの「HUAWEI Pura70」「HUAWEI Pura70 Pro」「HUAWEI Pura70 Pro+」「HUAWEI Pura70 Ultra」の4機種を発表しました。 同社傘下のHiSilicon製SoCを搭載し、Pura70 Pro+/Ultraは衛星通信に対応。Pura70 Ultraでは1型センサーと可変絞りの沈胴式広...

カテゴリー