
Hengeの画面例(開発者がMac上でサンプルデータを使って撮影)
先月、AndroidスマホでiOSを起動する実験的プロジェクト「HackiOS」が登場しましたが、今度はなんとiPhoneの上でmacOSが動きます。
開発者のlevi氏は11月6日、iPhoneとiPadでmacOSを動かすエミュレーター「Henge」の初版となるバージョン0.1をGitHubで公開しました。同氏のX投稿によると、約2週間を費やして開発したとのこと。端末単体で導入でき、Macは不要です。
Henge 0.1 is out, and with it allows you to run macOS on iOS/iPadOS! This has been a project of mine for about 2 weeks, and I’m very happy to finally release it! It’s in a good state, and ready to release. Download: https://t.co/qti10BV7qd pic.x.com/DEup0TIJsB
— levi (@leviidev01) November 6, 2026
動作確認済みの機種はiPhone 17 Pro。macOS Sequoia 15.6.1をインストールして起動でき、ロック画面までは約15秒で到達します。
さらにSafariのほか、Discordのインストールやログイン、メッセージ送信も動作したとしています。iPhoneとmacOS間でのクリップボードやファイル共有にも対応。
iOSはアプリ向けにハイパーバイザーを開放していません。そのためHengeは独自のJITでMacのarm64コードを実行し、メモリー管理機能や仮想デバイスも自前で用意。QEMUやVirtualization.frameworkは使っていません。
また、macOS本体はAppleの復元イメージを端末へダウンロードしてMacと同じ手順で復元し、復号やパッチ当ては行わないとのことです。
操作は画面をトラックパッドとして使う方式。ソフトウェアキーボードの上部にはEsc、Tab、Control、Option、Commandが並びます。
iPadならMagic KeyboardやBluetooth接続のキーボード、マウスでも操作可能。外部ディスプレイへの出力にも対応し、USB-C映像の動作は、開発版の0.1/2をiOS 27のiPhone 17 Proで動かした利用者が確認しています。
しかし、導入の手間は小さくありません。ライセンスの都合上App Storeには公開できないため、SideStoreやAltStoreでのサイドロードか、TrollStoreやTrollStore Lite経由で導入する形になります。加えてJITの有効化も必須です。
対応OSはiOSまたはiPadOS 17以降で、A14またはM1以降のチップを積む機種に対応。macOSに割り当てる実行メモリは4GB、6GB、8GBから選択できます。
macOS Sequoiaの導入には約43GBの空き容量が必要です。内訳はダウンロードに17GB、インストール後のmacOS環境に26GB。ダウンロードしたファイルは導入後に削除できます。
一方、公開時点での実機テストはiPhone 17 Proのみで、iPadの実機検証はまだ行っていないとのことです。macOS Tahoe 26.6.2やmacOS 27.2も選べるものの、未テストの状態です。

Hengeのインストール画面(開発者がMac上でサンプルデータを使って撮影)
また、既知の制限として、macOS内でApple Accountへサインインすると確認エラーで失敗するほか、エミュレーション処理のため実際のMacより動作が遅いと説明しています。
ライセンス面では、macOS本体やMacのブートROMはAppleに帰属するためHengeには含まれず、導入時にAppleからダウンロードします。
そしてmacOS Sequoiaの使用許諾契約上、追加コピーを仮想環境で動かせると定めているのは、すでにmacOSが動いているApple製コンピューターの上です。
ハイパーバイザーを使えないiOS上で、macOSの命令の多くをそのまま流して動かす試みは技術的に実に面白いところです。43GBもの空き容量やJIT有効化を求められ、Apple Accountにも入れず実際のMacより遅いとなれば実用には程遠いものの、個人開発で約2週間でDiscord動作まで漕ぎ着けた開発速度には驚かされます。どこまで快適に動くのか見届けてみたいところです。











