個人情報漏洩を防ぐため、LINEを完全隔離して運用する方法。

掲載日時: 2014/06/09(月) 12:00

 スマートフォン向けの無料通話アプリの先駆けとも言えるLINE。日本だけで5000万人以上のユーザがいるとされ、特に若年層における普及率は目を見張るものがあります。しかしながら、未だにアドレス帳の自動送信による個人情報漏洩の不安を拭いきれず、まだ利用されていない読者の方もいるのではないでしょうか。僕自身、LINEを100%信用することができず、利用を控えてきましたが、とある事情でLINEが使う必要に迫られました。本稿では、個人情報漏洩の心配なく、LINEを安全に運用する方法を紹介します。

※この記事は100%の安全性を保証するものではありません。自己責任でお願いします。

概要

 セキュリティの世界には「サンドボックス」という概念があります。サンドボックスとは、信頼出来ないプログラム(アプリ)を隔離された保護領域内で実行し、通常のデータ領域へのアクセスを防ぐことで、安全を確保する仕組みのことです。PCでは、ウイルス対策ソフトなどが隔離領域を用意しますが、スマートフォンでは、ソフトウェア的に隔離領域を設けることが困難です。

 一方、物理的に隔離することは比較的容易で、(1)LINE専用のスマートフォンを用意する、(2)スマートフォンのエミュレータを使う、といった方法が考えられます。ここでは2のエミュレータを使う方法を採用します。

Genymotion

 Genymotionは、Genymobile社が開発したAndroidエミュレータです。Android SDKに付属のエミュレータと違い、サクサク軽快に動くのが特徴です。ドラッグ&ドロップでファイルを投入したり、位置情報を自由に書き換えたりできるのも便利なポイントです。Google系アプリがプリインストールされていないのが残念ですが、対処法はググると見つかります(今回は説明を割愛します)。

 Windows、Mac、Ubuntu、Debianで利用可能で、下記のURLから無料でダウンロードできます。

 http://www.genymotion.com/

構築方法

 用意するものは、PCと、(SMSを受信可能な)携帯電話の2つです。

 まずは、PCにGenymotionをインストールしましょう。Mac / Linuxの場合は、Virtual Boxも別途インストールしておく必要があります。Genymotionを起動したら、Androidのシステムイメージをダウンロードします。Nexus5、Galaxy Note3、Xperia Tablet Zなど多彩な選択肢がありますが、画面解像度などの設定が異なるだけで、いずれもAOSPな(≒ 素の)Androidです。起動するとこんな感じになります。気になる方は、言語設定を日本語に変更しておくと良いでしょう。

 次に、CPUアーキテクチャ(Intel系とARM系)の違いを克服するパッケージをインストールします。下記のzipファイルをダウンロードして、エミュレータの画面にドラッグ&ドロップします。一度、エミュレータを閉じて、再び起動するとインストール完了です。

 https://docs.google.com/file/d/0B2oUUnig1zCOV01tSnRwNUpGdzQ/edit

 さらに、APK Downloaderを用いて『LINE』のapkファイルを入手します。apkファイルは、エミュレータの画面にドラッグ&ドロップするだけでインストールできます。

 最後に、LINEアプリを起動して、アカウントを作成します。途中、SMS認証に使う電話番号の入力を求められますが、SMSで届く4桁の数字を入力するだけなので、フィーチャーフォンの電話番号でもOKです。動作確認は、いつでもチェットに即レスしてくれる、LINE英語通訳(@linejpen)を使うのが便利です。

レビュー

 Genymotionのエミュレータは、アイドル時のCPU使用率がほぼ0%なので、起動させっぱなしでも苦になりません。また、画面サイズの調整も可能なので、普通のPC用チャットアプリのように常時起動させておくことが可能です。また、エミュレータに『Google日本語入力』をインストールしておけば、PCの物理キーボードから文字入力することも可能です。スペースキーで漢字変換もできるのも嬉しいポイントですね。

おまけ

 LINEのID検索機能には年齢による利用制限があり、通信キャリアによる年齢認証が必要だと思いますが、上記の方法で作成したアカウントでは、なぜかID検索機能が利用可能でした。良いんですかね、これ。

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