Xperia XZ3のカメラ、DxOMarkスコア79点の惨状。

掲載日時: 2019/03/21(木) 23:27

 DxOMarkからしばらく採点すらされてこなかったXperiaフラッグシップですが、ついにXperia XZ3のカメラスコアが発表されました。

ついに旗艦Xperiaが久しぶりにDxOMarkで採点

わずか79点、トホホな点数

 カメラ評価の権威である研究機関DxOMarkは、Sony Mobileのフラッグシップスマートフォン「Xperia XZ3」を採点。その総合スコアが79点であると発表しました。

 ちなみに昨今のフラッグシップスマートフォンは100点を超える点数、トップは同点109点で熾烈な争いを繰り広げており、そろそろHuaweiの新旗艦が出れば110点台の争いが始まることは容易に予想がつく、そういう戦況であるため、どれだけXperia XZ3の点数が異常に低いものなのか、おわかりいただけると思います。

 この79点という数字は、5年前、当時長らくカメラスコアトップに居座り続けたNokiaの伝説の4100万画素カメラ搭載機種「808 PureView」を、OneSonyを掲げて登場した「Xperia Z2」が打ち破った時の衝撃的な点数なので、未だに覚えています。(後述するように、現在の採点基準と少し異なりますが)

 79点というのは最近の他社機種などと比較しても低すぎますし、海外ではよく「最新機種のDxOMarkの点数がリークされた!」などとフェイク画像が投稿されることもあるので、さすがに捏造だろうと思って見たのですが、サイトのドメインは間違いなくdxomark.comでした。

(Xperia XZ3カメラレビュー 79点)

 Xperia XZ3の79点は総合スコアであり、細かく見ると、静止画スコアは76点、動画スコアは85点。

 DxOMark Mobileはテスト項目にズーム、ボケ機能、微弱光性能、シーン内の動きなどを2017年に加えたため、当時と同一の点数とは言えないですが、Z2のカメラスコアは総合79点、静止画81点、動画73点でした。参考程度までに。

同年の自社ミッドレンジは……

 なお、完全に全く同一採点基準であると思われる2018年ミッドレンジのXperia XA2 Ultraは、静止画スコアは75点であり、2018年後期発売の旗艦Xperia XZ3の静止画スコア76点というのは、これとほぼ同じということになります。カメラ性能を見る限り、他社製品と比べても、同年自社製品と比べても、もはや現代にハイエンド・フラッグシップを名乗るのも恥ずかしい点数と言えるかもしれません。

Xperia XZ3のカメラ評価

「現在の上位スマホとは全く競争にならない」

 DxOMark Mobileは、Xperia XZ3のテストに際し、ハイエンドスマホで一眼カメラは珍しいとしつつも、適切なチューニングとソフトウェアならその競争に追いつけるといいます。

 Xperia XZ3の得点は、DxOMark曰く、Xperia XZ Premium(2017年3月発表、総合83点)に次ぐ高得点である(つまり2年前の同社製スマホにすらも満たない)といいます。しかし、現在上位得点のスマホとは全く競争することができないと厳しく評価しました。

静止画

 すべての光条件での良好なターゲット露出、正確なAF、優れた質感と良い色付けで、静止画76点を獲得。明るい場所ならホワイトバランスや、細部・テクスチャをよく描写できるとします。

 とはいえ、ダイナミックレンジが競合他社の最新機よりも著しく制限されているため、ハイコントラストなシーンで明るい部分が失われることが多かったとのこと。

 明るい条件での色付けを好むテスターもいたとしつつ、複数の色被りを確認、暗い場所でわずかに彩度が高くなりすぎることがあるとのこと。また、好評とされたAFも薄暗い照明下では著しく低速になるとのこと。

 さらにArtifacts、つまり信号処理や画像処理で発生する信号の歪み、誤データ、ノイズが多数検出され、Artifactスコアが38点という著しい低得点になったとのこと。

動画録画

 動画モードでのパフォーマンスは85点。電子手ブレ補正を高評価。ほとんどの光条件下で良好なターゲット露出、ノイズ、AFを確認したとしています。

 欠点としては室内で色被りが目立ち、暗い場所ではディテールが損なわれ、静止画のようなダイナミックレンジ制限による弊害が見られるといいます。Artifactはまだ静止画よりはいいとしつつも、テクスチャにおいてはArtifactは見られるとのこと。

DxOMark総評

 好条件下ではいいものの、単眼カメラや画像処理手法の欠如により、困難な撮影条件下では、他社より早く限界に達すると品評。

 主な批判ポイントは、ソフトエッジ、非常に強い歪み、リンギングなど、画像Artifactとのこと。Xperia XZ3をハイエンド市場で推薦するのは困難であると結論づけました。

筆者雑感

 Xperiaのカメラは進歩がなく、もはやノイズリダクションすらまともにかけない体たらく……本当に数日前に公開したこの記事の内容そのままだと思います。Xperia 1での再起を願います。

 DxOMarkの言う欠点である「単眼カメラや画像処理手法欠如」もまさにXperia 1で解決されるであろう話(三眼化、ノイズリダクション改善)ですし、まあ再起を織り込み済みの採点かもなぁとも感じますが、少なくともカメラ評価の重要な指標とされている場で勝負をするようになったという意味ではいい動きかもしれません。(DxOMarkに対してサンプル機を送っているのでしょうし)

 あとはカメラのチューニングの追い込み次第でしょうから、Xperia 1を期待して見守ることにしましょう。

情報元DxOMark

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