台湾当局、「中国台湾」表記のあるスマホを販売禁止に――中国台湾網伝える

掲載日時: 2020/03/15(日) 18:31

 「台湾」の表記については、政治的立場により「中華台北」、「中華民国台湾」など様々な表現がされますが、中国大陸では「中国台湾」が「政治的に正しい」とされています。なお、筆者が個人的に一番エモいと思う表記は「中華民国自由地区」ですが、この記事は日中共同声明第三項に示された日本政府の立場に準拠しています。

 この度、この「表記」についての台湾当局による決定をめぐり、物議を醸しています。台湾「経済日報」報道をもとに、大陸の官営メディア「中国台湾網」(中共中央台湾工作弁公室、国務院台湾事務弁公室主管媒体)が伝えました。

  さて、中国大陸のメーカー的に当然台湾は「中国台湾」となるわけですが、3月11日、台湾当局の通信主管部門を通過した「電信端末設備審検弁法」改正案において、携帯電話、タブレットPCなど電子製品の包装、説明書、ソフトウェアとハードウェアなどに「中国台湾」の表記があった場合、審検証明を発給せず、証明を取得したものについても、違反が発見された後に修正しなければ証明を取り消し、販売を禁止すると規定されました。当該規定は公告の14日後から発効し、電子製品をサンプル検査し、違反を防止するとのこと。

 台湾の通信主管部門が今回の決定をしたことは、「突然ではない」とか。中国台湾網によれば、昨年華為(Huawei)のP30、P30 Pro、 Nova 5Tの3機種はシステムアップデート後、一部項目に台湾地区を「中国台湾」としている表記があったため、当該機関は「国家尊厳」を損ねるものとして、変更を要求していました。

 昨年末に台湾通信主管部門は、スマホブランド業者に対して「中国台湾」と表示することと、システム更新時に表示させることを禁止。その結果、中国大陸のメーカーは台湾で新機種を販売できない事態に。

 「中国台湾報」は台湾4大新聞の1つ、「中国時報」による「両岸(中国大陸と台湾)関係は元来敏感であり、過去には一定の暗黙の了解とグレーゾーンが存在し、これが双方による拘留と相互利益の基礎となっていた。この禁止令は、こういった暗黙の了解を打ち破るものになる可能性がある」との社説を紹介。

(国務院台湾事務弁公室は、台湾との関係事務や研究を担当する中華人民共和国国務院直属機関)

 なお、これに先立って台湾民進党当局が台湾の通信キャリアに対し、台湾を「中国台湾」と表記する華為のスマホ販売停止を強いた件について、国務院台湾事務弁公室は「民進党当局による両岸の正常な経済貿易交流を破壊する政治的なやり方は、両岸同胞の共同利益を損ねるものである」との立場を表明しているとのこと。

  本件を受けた中国大陸のスマホメーカーによる対応については報じられていませんが、地域設定を「日本」「米国」「北京」「上海」「浙江」「台湾」のように、「中国」という項目を取っ払って一律「省級」にするのが最も「無難」な選択肢でしょうか。

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