「Xperia 1 II」の「Photo Pro」レビュー。文句のない24mm、T*コーティングの威力

掲載日時: 2020/08/04(火) 17:44

 前回Xperia 1 IIに搭載されたPhoto Proを紹介しました。今回はそのPhoto Proを使って撮影した写真を紹介します。

 今回はXperia 1 IIの写真の実力を伝えるために写真はPhoto Proで撮影したもの、Lightroomや本体内の編集加工なし、そして最大解像度でアップロードできるFlickrにアップロードして紹介させていただきます。そして本記事では16mmを超広角、24mmを広角、70mmを望遠を定義させていただきます。

自然

 都民なので地方に出かけるのはよろしくないと判断し都心の公園でテストしました。

オートはフツー

 まずは広角で適当に撮影。特にいじらず、あえてオート(Photo Pro内のAUTO)で撮影しました。全体的にきれいに撮れているものの、空は白飛びしてしまっています。αでも感じていますが、Sonyはオートがそれほどうまくないと感じています。

 同じく紫陽花もオートで撮影。うーん、お世辞にもきれいは言い難いですが、シャープには捉えていると思います。

 せっかくなのでα7 RⅢとSEL24105Gm(24mm)で撮影した写真(解像度変更、RAW現像有)と比較します。SEL24105Gの最短焦点距離が長いため、24mmで撮影すると、このような画角になってしまいます。比較にならないかと思いますが参考までに。

やはりマニュアル!

 ではマニュアルはどうか。以前も紹介した通りPhoto Proは本格的なカメラのようにISOやシャッタースピードなどをを細かく調整し撮影することができます。αのようにマニュアルで撮影してみました。

 花はあまり詳しくないのですが、夕顔でしょうか。水滴一滴一滴がしっかり鮮明に描写できています。草木の緑もきれいですね。

 これはどうでしょうか。雨上がりのあとに撮影しましたが、葉の質感、水滴の感じ、しっかり捉えられていると思います。ぱっと見た感じ一眼で撮ったと言われてもわからないかと思います。

いたずらに暗くしてみました。この状態でもAFが来るのは素敵ですね。ToFの効果が現れているのでしょうか。暗くてもISO感度を下げ、シャッタースピードを上げることで、ノイズの少ない写真が撮れています。

瞳AFの威力

 撮りながら歩いていると、水面に亀と鯉が寄ってきました。そんな一瞬でもしっかり合焦。流石に亀や鯉相手では瞳AFは試すことはできず。

 さっきのAFはまぐれでは?と思われますが、別のシーンでも亀が現れ、厳しい条件下でもしっかり亀にピントが来ています。優秀ですね。

望遠はいまいち

 いいことづくしかと思いきや、気になったのは望遠。望遠では何故かXperia 1のときのような、絵の具のような質感になってしまいました。気になって調べたところ、望遠側のみISOCELLのセンサーを採用しているようで、納得。広角は?どうなんだ?次を見てみましょう。

構造物

 よくインターネットでみる東京国際フォーラムでテスト。まずは標準域で撮影。思わずははっと笑ってしまいました。これスマホで撮ったんですよ?すごくないですか?

 青さはホワイトバランスの調整で好みの色を演出しました。細かい調整ができるのはPhoto Proだけですね。拡大しても鉄骨の1本1本、下のタイル地の境界線、全てが細かく描写されています。

 こういうシーンではやっぱり超広角使いたくなりますよね。使ってみました。これも良いか悪いかで言えば良いと思います。ただ拡大してみると、広角よりノイジーでシャープではないですね。超広角なのでしょうがないといえばしょうがないのですが、望遠よりははるかに良いと思います。

 新宿でテストしました。Photo Proは最大30秒のシャッタースピードを活かせるので、三脚など使うと面白いかもしれませんが、スマホの魅力は手軽であること。今回は手持ちで撮影しました。

 新宿は眠らない街と言われるほど明るいので、夜にISO 64でもシャッタースピードは1/6で適正の露出が取れます。試しに撮影。

 まずびっくりしたのが、1/6の手持ちでも全くブレないこと。少し前のカメラならコレくらいでも手持ちならぶれてしまいますが、トラックの尾灯を見る限り全くブレていないことがわかります。

 次にびっくりしたのが、ゴーストが発生しないこと。iPhone 11 Proや多くのスマートフォンではゴーストが発生していますが、Xperia 1 IIではあまり見られませんでした。コレはなぜか。おそらく答えはXperia 1 IIより新たに搭載されたT*コーティングにあるかと思います。

 そして惜しいと感じたのがダイナミックレンジの狭さ。最近のスマートフォンの写真では多くがHDR合成され、白飛び、黒つぶれとは無縁になってしまいました。しかしそれを前提におかず、Xperia 1 IIの写真と比較しているサイトも多くありますが、それは間違いかと思います。

 Xperia 1 IIのPhoto Proは、Dレンジオプティマイザー がデフォルトでオンになっています。Dレンジオプティマイザーは写真を自動的に人間の目が見た露出に補正してくれる機能です。なので、白飛びや黒潰れが減る写真が撮れるものの、近年のHuaweiやiPhoneのような非現実的な写真にはなりません。なので、今回白飛び、黒潰れするのは個人的には写真らしいと思います。ただ、写真はある程度RAW現像で補正できるものです。

T*コーティングの威力

 筆者はSonyが販売するカールツァイスレンズ、SEL1635ZやSEL35F28Zを利用しており、T*(ティースター)コーティングの凄さを体感していました。

 T*コーティングは、カール・ツァイス社が提供するコーティングです。主にフレアやゴーストを低減し、それによりコントラスト・解像力の高い写真を生み出していました。現在はカール・ツァイスが販売するレンズや、サイバーショットの上位機種、α7のEVF(電子ファインダー)などに施されています。

 今回おそらくスマホでは初めてT*コーティングが施されたXperia 1 II、カメラ部分をよく見ていただくとわかるのですが、標準カメラのみレンズの色が異なるのがわかるかと思います。

 先程見ていただいた新宿の夜景、ゴーストが一切発生していないのがわかるかと思います。これはおそらくT*コーティングの威力かと思います。

総評

 24mmの広角は文句のない出来。ようやくOne Sonyが出来たXperiaだと思う。ただ、超広角はあと一歩、望遠は全然ダメ。

 広角の24mmは近年のスマホと比較しても良いものが撮れると思います。T*コーティングの威力もしっかり確認できました。

 Exmor RSを搭載したことで、Xperia 1と比較しても色味が標準に近づきましたが、やはり超広角にもT*は欲しかったな、と思います。

 ただ望遠に関しては全然ダメです。使い物になりません。ノイズもひどい、解像力もない、そこらの中華メーカーのカメラのほうがまだ画質良いのではないでしょうか。唯一望遠を褒めるならばXperia 1のときよりレンズを切り替えたときの色味は全体的に調整できていると感じました。

 次回、最新アップデートで追加されたRAW関連についてご紹介します。

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