Xperia 1 II(エクスペリアワン マークツー)より新たに搭載されたPhotography Pro(以下Photo Proと省略)。これはまさかの「マニュアル写真撮影特化アプリ」。
しかもアプリのUIはSonyのカメラと同じという本格派でロマンあり。一眼カメラ「α7 III / RIII」を利用している筆者としてはどれくらいαに近いのか、どれほど使えるのか気になっていました。
今回、auから販売されているXperia 1 (SOG01)を、編集長からお借りしたのでPhoto Proを解説しつつ、α7 RIIIと比較していきます。
カメラUI
起動すると真っ先に紹介されるα9 IIとRXシリーズ。
起動するとαを使っている人なら馴染みのある画面が展開されます。
α7 RIIIがこちら。アイコンや操作系統が非常に似ている、というよりまんまなのがわかるかと思います。
レンズは画面左下の項目から変更可能です。α7ならレンズ交換が必要なのでワンタップでは行えません。雨の中でもレンズ交換が容易で羨ましい……。
レンズの横に表示される>マークをタップすると、細かいズームが行えます。カメラを扱ったことある人なら馴染みの焦点距離が表示されるので、本物のレンズでズームしている感覚で扱えます。
アイコンを一つ一つ紹介していきます。まずはドライブモード。Xperia 1 IIではα9 II譲りの秒間20コマの連写が可能です。連写を行うにはドライブモードを連続撮影Hiにする必要があります。
αと比較します。αでも同様に連続撮影、セルフタイマーは存在します。Photo Pro、本当に遜色ないレベルでαを実現していますね。αにはあるブラケットモードはXperiaにはありません。(Xperiaにブラケット撮影あっても使う人いるのだろうか)
ちなみにこの連続撮影のHiモードは24mmのレンズを選択している場合のみ表示されます。70mmや16mmでは表示されないので要注意。
フォーカスエリアはシングルAF、コンティニュアスAF、マニュアルAFの3つから選べます。
ホワイトバランスもαのように細かく設定できます。個人的にびっくりしたのがカスタムホワイトバランスが設定できること。白色の物体にカメラを向けて白の基準を設定することができます。しかもそれが3つ固定しておくことができます。もうカメラだよ、コレ。
そして微調整も可能です。自分が意図した色味で撮ることができるよう、ブルーかアンバー寄りか、グリーンかマゼンタ寄りか。しっかりと色を作り込むことができます。まさかこの機能がPhoto Proに存在するとは思ってもおらず、びっくりしたポイントです。
唯一惜しいのが、ケルビン単位で設定できないこと。αではケルビンを指定して細かく調整できますが、Photo Proにはそのような項目は見当たりませんでした。次期モデルに期待したいところですね。
こちらがαのホワイトバランス調整。もうそのまま持ってきた、という感じです。
フォーカスエリアはワイドか中央のみ。筆者はαでフレキシブルスポット(フォーカスしたいところをスティックで選択できる機能)を多用していたので残念だなあ……と感じていましたが、フォーカスモードをコンティニュアスAFからシングルAFに変更すると、フォーカス位置を指定できるようになりました。
シャッタースピードは最大30秒。バルブ撮影には非対応です。(よく考えればスマホでバルブ撮影するのは無理がありますね)
最小は1/8000。α7 IIIでは最大1/8000なので同等ですね。ただα9は1/32000なのでそれと比べると劣ります。
ISO感度はレンズによって変動します。16mmでは50〜1600、24mmでは64〜3200、70mmでは25〜1000という仕様です。おそらくセンサーによって仕様が異なるのでこのようなことになっているかと思いますが、レンズによって感度が異なるのはめちゃくちゃ使いにくいな、と感じました。
測光モードはマルチ、中央、スポットの3つから選択可能です。
メニュー
Photo Proのメニューを展開して紹介していきます。αと比べると非常に簡素に出来上がっています。
まずは撮影。縦横比が4:3(12MP)、16:9(9MP)、1:1(9MP)、3:2(10MP)から選択可能です。そしてドライブモード。ドライブモードは先程も紹介したとおり、最初の画面から変更が可能ですが、メニューからも変更可能です。
次に露出/色です。測光モードは撮影画面でも変更可能です。
フラッシュモードフラッシュモードは撮影画面でも変更可能ですが、紹介し忘れたのでここで紹介します。16mm選択時フラッシュは強制OFF。オート(常時選択不可)、強制発光、赤目軽減、OFF、照明(24mm時のみ使用可能)が選択肢として用意されています。オートは項目はどういった条件下で選択できるのか筆者ではわかりませんでした。
DRO/オートHDRは写真の処理方法を変更することができます。DRO(Dレンジオプティマイザー)は1枚の画像を元に露出を調整しますが、オートHDRでは露出の異なる複数の画像を撮影し合成する手法です。この辺は撮影状況や撮りたい写真に応じて変更することをオススメします。
美肌効果も搭載されています、集合写真を撮るときに捗りそうですね。
フォーカスでは撮影画面でも変更可能なフォーカスモード、フォーカスエリア、それに加えて顔検出/瞳AFのオンオフが可能です。
セットアップでは細かい設定を変更することが可能です。タッチで合わせる項目ではタッチしたときにフォーカスのみ合わせるか、AE(露出)とフォーカスを合わせるかの2項目から選べます。
グリッドラインは3分割のみ。オンかオフか選択できます。
水準器の補正は水準器がおかしいと感じたときに仕様してください。
音量キーの割当を変更することができます。ズーム、音量、シャッターの3項目で変更可能です。
カメラ操作音はAFがあったときのピピッという音などを切ることができます。なお、シャッター音は消せません。
気になるポイント
筆者がPhoto Proを使う前に気になっていたポイントがどうだったのか、簡単に紹介します。
RAW
RAW撮影は非対応、JPEGのみで撮影。(※記事執筆時点。記事公開時点では、RAW対応ソフトウェアアップデートの配信が開始され、対応)
シャッターボタンは?
通常のカメラアプリのように、画面内のシャッターボタンを使って撮影することはできません。本体にあるシャッターキーを押す必要があります。ただ、シャッターボタンでは半押しでAF、押し込みでシャッターとカメラの操作を踏襲しており、画面内は不要かなと筆者は考えています。
手ブレ補正の切り替えは?
手ブレ補正のオンオフはできません。というよりそのような項目がないので、動作しているのかどうかもわかりません。Photo Pro内にそのような表記がないです。
短期間使ってみた感想
仕事が忙しかったこともあり、あまりガッツリは扱えていませんが、軽く使ってみた感想としては「コレ!コレが欲しかったんだ!」というのも筆者はXperia 1を使ったときにこのような感想を書かせていただきました。
そしてカメラアプリが使いにくすぎます。せっかく21:9という比率を採用しているのに、その比率を活かしきれないUI、画面の配置。そのまま引き継いだんだろうという感じです。機能を切り替えるたびにワンテンポ待たされるのも気になるところ。広角と望遠の切り替えも、他機種と比べるとスムーズではありません。
(省略)
いっそ動画はCinema Proが搭載されているなら、写真もαのようにプロのような写真が撮れる機能が提供されても良いのでは?と思います。RAWで撮影して、そのまま編集したり、UIに好きなところに好きなボタンを配置したり、一眼カメラを販売しているメーカーだからこそできるカメラアプリが私は見てみたいです。
Xperia 1のカメラを利用したときのレビューで筆者が問題として挙げていた21:9を活かしきれてないUI、ワンテンポ待たされる動作、レンズの切り替えなどが改善され、そしてαのようなアプリが提供されました。これ、アイディア使用料いただきたいくらいそのまんまのものが出てきて筆者は感激しています。次回はこのPhoto Proを使って撮った写真を紹介していければと思います。
Xperiaをオンラインで購入する。 [AD] | ||||||
ドコモ | au | SB | Y! | UQ | 楽天 |