Google Pixel 9シリーズは、全モデルが遭難や事故にあったなどの緊急時に衛星を介してメッセージを送信できる「Pixel 衛星 SOS」に対応です。これは、中国国外で販売されているAndroidスマートフォンとしては初めての機能です。
一度は試してみたい!という人もいるでしょうが、消防や警察に通報するのと同種の行為であり、実際の緊急事態でないと使用してはいけません。初めて見る機能を使ってみたくてウズウズしているユーザーに当ててか、Googleは衛星SOSのデモ機能を追加したようです。
現時点では、Pixel 9シリーズの衛星SOS機能はアラスカ州とハワイを除いた米国でしか利用できませんが、日本向けモデルにおいても衛星通信そのものには対応しているようで、iPhoneのように将来的に解放される可能性はあります。
日本のPixel 9シリーズでもデモ機能が利用できるかは分かりませんが、同じく日本でサポートされていない機能である「地震アラート」に関しては、そのデモ画面が日本向け端末でも表示できるため同様にデモが表示できる可能性はありそうです。
余談ですが、同システムはAndroid Earthquake Alerts Systemを活用した地震速報配信サービスで、安定した場所に置かれているAndroidスマホを地震計として利用し、地震を検出するという画期的で壮大なもの。日本では緊急地震速報のシステムが構築されているためサポートされていませんが、弊誌読者の中にはスマホをいじる中で地震アラートのデモを押してしまい、机下に隠れろという表示とともにえげつない爆音が流れてビビッてしまった方もいるのではないでしょうか?
話を戻すと、Pixel 衛星 SOS機能のデモを試すには、設定から安全と緊急を選択し、衛星SOSの項目から「デモを試す」をタップします。デモ中は一時的にWi-Fiとモバイルネットワークが無効になりますが、これは一時的なもの。
衛星通信を利用したSOSは、山奥や海上など従来の電話で救助を要請できない環境下で使うものであるため、デモであれどインターネット通信がオフになるのはむしろユーザーにとって分かりやすい表示と言えます。
デモが始まる、いわば衛星通信を使ったSOSを実行すると、まずはどういった事態に巻き込まれているかを選択できる画面に移動するようです。病気・ケガ、車両や船舶での事故、犯罪などから選択し、緊急連絡先に現在の位置や状況を共有するかを選んだのち、アメリカでの衛星通信の提携先であるGarminの「Garmin Response」につながるとのこと。
通信中は端末を衛星の方向に向かせる必要があり、衛星の位置と接続のステータスはピクチャーインピクチャー形式で出現。
GoogleらしいMaterial Youのデザインで、緊急性があまり感じられないのは微妙なところ。ピクチャーインピクチャーをタップした隅にある終了ボタンによって、デモが終了するようです。
従来型の緊急通報よりもひどい環境下にあると予想される衛星SOSを使う場面には今後一生遭遇したくはありませんが、備えという意味でも一度は試してみるべきかもしれませんね。