BlackBerry KEY2徹底ガチレビュー。これが物理キーの最強神機

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 中国TCL Communication製のAndroidスマートフォンBlackBerry KEY2をレビューします。BBF100-4とKEYoneは自腹購入、BBF100-9はFOXによる提供です。

良いところ・悪いところ

👍ココが良い! 👎ココが悪い!
+長年物理QWERTYに魅せられてきたがこれは間違いなく上位に入る出来のマットキーボード
+iWnnも選択肢、さらに有償だが理想的なIMEも存在
+デザインが死ぬほどカッコいい、新しさと懐かしさの融合
+消灯時ナビゲーションキーの隠遁による黒ベゼル堪能
+電池持続時間が良好
+国内3社ネットワーク対応、B18やB19、au VoLTE利用可
+技適あり
+イヤホンジャックあり
+輝度調節センサーしっかり追加も見逃せない
+S660・6GB RAMにより実用性能獲得、あらゆる意味でメイン機として使えるようになった
+マルチウィンドウも発信・テキスト入力メインのユーザーにとっては快適
-128GBモデルがシングルSIM
-ソフトウェアの作り込みが甘く、粗が目立つ
-前モデルが良すぎたとはいえ、飯テロ能力は落ちた

外観

 左がBlackBerry KEY2、右が前モデルのBlackBerry KEYone。フォームファクタは大きく変えずにデザインのブラッシュアップとスペックなど向上、キーボードの改良を進めたモデルです。ソリッド・スクエアなデザインが印象的で、ナビゲーションキーが画面消灯時に消え、黒ベゼルの良さを強調。

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 背面はラバーコーティング仕上げで、BlackBerryロゴはエンボス加工のようにくぼんでいます。想像以上にいい質感。カメラはデュアルカメラ。

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 何気にイヤホンジャックもあります。外観は総じて良くできており、美しい。大人の上品さがあります。本当に素晴らしい出来。

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スペック

 前モデルKEYoneはSnapdragon 625で、随所でもたくつ場面も多く、はっきり言ってスペック不足でした。同じ6xx系でもS660やS670だったらかなり違うんですけどね……。

 というわけで今回出てくれたKEY2は、Snapdragon 660、実行6GBメモリーという豪華な仕様。メイン機として使用するに足る十分なスペックを誇ります。

 前機種に引き続き電池持続時間も良好なのがグッド。安い中華端末では省かれがちな自動輝度調節センサー、前機種にはありませんでしたが、本機種では追加。メイン機で使える要件を満たしてきています。

OS Android 8.1 Oreo
CPU Qualcomm Snapdragon 660
メモリ 6GB
ストレージ 64GB(Silver) / 128GB(Black)
microSD最大256GB
ディスプレイ 4.5インチ 1620 x 1080 IPS液晶
Corning Gorilla Glass 4
カメラ 12MP+12MP
F値1.8, デュアルトーンLED, PDAF
インカメラ  8MP、f2.2
 バッテリー 3500mAh
寸法  151.4 x 71.8 x 8.5 mm, 160g
LTE 1/2/4/3/5/7/8/12/13/17/18/19/20/26/28/32/38/39/40/41
3G 1/2/4/5/6/8/19
その他  Wi-Fi 2.4GHz / 5GHz
Bluetooth 5.0 Low Energy, EDR
NFC, FMラジオ
イヤホンジャックあり
輝度調節センサーあり

ネットワーク

国際版

 中華ECサイトで購入した中国版のBF100-4は、ショップ側が開封、開発者モードを有効化してGMS安装器を用いてGoogle関連アプリをインストールした形跡がありました。

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 普段、変わった中華ガジェットを使う分には「これもまた個人輸入の醍醐味」として割り切れるのですが、BlackBerryというセキュリティー重視の由緒正しいブランドでこれをやられるのは、少し興ざめしてしまう人も多いことでしょう。せっかくKEY2はメイン機を張れる性能もありますしね。

国内版 ブラックとシルバーの違い

 国内版Key2となるBBF100-8/9は、バンド18にも対応し、国内携帯3社のネットワークを利用できます。複数の周波数を束ねる3CC CA/2CC CAにも対応します。技術適合認証取得やネットワーク対応などしっかりローカライズしてきています。

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 BBF100-9はブラックカラーで128GBストレージのモデルなのですが、デュアルSIMではないのが惜しい点ですね。セカンドスロットにはmicroSDカードが入ります。実利用可能なのは112GBほどです。

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(初期化直後に撮影)

 BBF100-8はシルバーカラーでストレージ64GB。DSDSに対応、セカンドスロットにはmicroSDカードまたは2番目のnanoSIMが入ります。

 国内3社販売製品のように小賢しいSIMロックや邪魔なクラップウェアもない、それでいてしっかりローカライズされた、ストレスフリーの格式高い国内正規版の購入をおすすめします。

KDDI系格安SIMで利用

 国内MVNOのAPNは一通りプリセット。SIMフリー機としてKDDI系のネットワークに対応している機種は意外と多くないのですが、本機はau VoLTEにしっかり対応しています。

 データ通信用のUQmobileのVoLTE対応契約のSIMカードを挿入すると、初起動でUQmobileが用のAPNがプリセット済みで、スムーズにデータ通信を開始することができました。

文字入力

買ったらまず最初にやること:ブラックベリーキーボードの無効化

 まず各種Googleサービスの利用のためにGmailアカウントが必要。ここでちょっと躓いたのが、半角英数字入力時でも「.(ドット)」が「。(句点)」として認識されてしまう点。おかげで各種IDなどが入力できず、初期設定から前に進めない……ということに。

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 この現象は国際版でキーボードを差し替えた場合でも、国内版デフォルトのiWnnキーボードにおいても発生します。

 どうやら悪さをしているのは、Blackberry標準のキーボードアプリのようです。まずはBlackberry標準キーボードを無効化しましょう。

  • 設定→アプリと通知→○個のアプリをすべて表示→アプリ情報→システムを表示→BlackBerryキーボード→無効にする

 これで無効化することで、無事「.(ドット)」を打てるようになります。

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iWnnが標準搭載!

 これまでのBlackBerry標準のIMEは端的に言ってダメです。せっかく、いくら端末が素晴らしくても、いくらキーボードが素晴らしくても、やはり肝心のIMEがしっかりしていないと一般層には受け入れられず、もったいないなと感じていました。

 しかし今回、国内版となるBF100-8, BF100-9には、オムロンソフトウェアのiWnnが標準でプリインストール。とりあえず使い物になる日本語入力が搭載されたことは歓迎すべきことですね。

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シェアウェア「AquaMozc」

 KEYoneでGoogleIMEを使うためのキラーアプリ的存在だった補助アプリ「Layout for Keyone」ですが、OSの穴を突いた実装だったため、Android Oreoでは利用不能に、そして出荷時点からOreo搭載のKEY2ではもちろん利用不能。GeminiPDAへの乗り換えを決意させる程度にはショッキングな出来事でした。

 しかし、そこで同アプリの開発者Aquamarine Networksによる、Google日本語入力アプリのオープンソース版「Mozc」改造したバージョン「AquaMozc」が、KEY2含むAndroid BlackBerry向けに登場。これがかなり使いやすいです。個人的には必須アプリがシェアウェアというのは往年のPDAっぽさもあり、中二病心をくすぐりますが、今回しっかりiWnnがあっての上ですからね。喜ばしいことです。

 AquaMozcはGoogle日本語入力さながらの入力が可能です。ただ語彙力は及びません。この辺りは辞書追加などで緩和しましょう。

 Shiftにctrlキーを割り当てた可能。ctrl+z, x, c, vなどを利用できます。さらにスペースキー左右のキーをShiftに置き換え。そしてctrl+B, N, M, $を十字キーとして利用可能。文字カーソルの移動から変換選択まで行え、理想的な文字入力環境を実現できます。実際に入力している様子はこちらを。

 GoogleIMEは変換候補が文字入力中の箇所に表示されるので、指を伸ばすのが大変です。しかしAquaMozcなら予測変換候補を画面下部に表示できるので、変換候補を直接さっと指で触れて選択できるのも良いですね。

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マルチウィンドウも捗る

 マルチウィンドウでの利用といえば、画面が縦に短いから使いにくいんじゃないの?という未使用の方からの推測もありそうですが、実のところソフトウェアキーボードによる画面領域の専有がない分、テキスト入力のシチュエーションが多いユーザーにとっては快適と感じる場合も少なくありません。動画を見ながらSNSで積極的に発信というのも良いでしょう。

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キーボード

ハイクォリティーな物理QWERTY、ひとつの頂点

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 物理QWERTY端末数あれど、ここまでしっくり来たのは驚きました。

 本機の物理キーボードは形状にBlackBerryらしい立体感を残しつつ、マット素材でシルキーな打ち心地。筆者愛用のThinkPadやMajestouch、REALFORCEを彷彿させる上質な質感で、モバイル物理QWERTYの一つの完成形と言っても過言ではないでしょう。

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 キーの打鍵感は硬すぎず柔らかすぎず、ポチポチとスムーズに気持ちよく入力できます。これまでZaurusやCLIE、W-ZERO3シリーズを始めとして、数々の物理QWERTY端末を愛用してきましたが、それらよりも良いと言いたくなります。幅の広いクラムシェルタイプは親指での入力において高速性が薄れるので、親指タイプ派の自分にとってはあれほどの幅は必要ありません。

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 プチプチ感でいうとアドエスは硬すぎて、WILLCOM 03辺りで気持ちいい柔らかさになりましたが、03辺りに近いでしょうか。ただ根本的にスライドQWERTYはフレキシブルケーブル断線やスライドのフレームの摩耗があり、寿命が短いので、やはり堅牢性に優れたストレート・前面QWERTYタイプが合理的です。(現にSH-04AからT-01Bまで、自分のスライド端末はほとんど大体故障で死んでます)

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 前面QWERTYでも、SC-01Bはキーボードが硬すぎ狭すぎ、BlackBerryは至高だがどこかしっくり来ない、HTC X02HTは最高だけれどOSがタッチパネル非対応・音量キーがセンサー式で微妙、HTC ChaChaはAndroid OSが未成熟で適切なIMEもない……など、なかなかこれまで完璧な物理QWERTY端末というのは自分の中で存在しなかったのですが、BlackBerry KEY2はかなり理想に近いものだと感じています。

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 本当に打ち心地が素晴らしい。IMEも良い。往年の物理QWERTYファンにとって、親指タイプ派にとって、またとない福音です。以下、動画で実際にキーボードでの入力や、スクロールなどを行う様子を収録しています。ガシガシ入力していきたいですね。

キーボードをなぞるスクロールは実用的に

 キーボード全体がタッチセンサーとなっており、キーボードをなぞることでスクロールができます。

 この機能自体は前機種KEYoneにもあったのですが、採用素材がいまいちなのと、低スペックゆえに、スクロールは突っ掛かる感じがありました。今回、キーボードの改善とSoCのスペックアップにより、ようやくキーボードをなぞってスクロールが実用範囲内に。

頻繁に呼び出すアプリは便利キーで

 側面のキーはこんな感じ。側面の一番下にあるのが「便利キー」です。

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 ここには、最大3つのショートカットを設定できます。

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 昔のPDAや、Windows Mobileスマートフォンを使っていた方はピンと来るかもしれませんが、ああいった端末ではいかに便利に使えるかカスタマイズするのがキモで、余ったボタンに色んなキーを割り当てたりしましたよね。1つあれば、そこに長押し・単押し・ダブルクリックにそれぞれ別の機能を割り当てたり。ああいう懐かしさを感じさせる部分に何とも言えない愛しさ、そんな端末です。

指紋認証

 国際版でも国内版でも確認しましたが、競合他社最新上位機種と比べると認証精度が若干低い気がします。しっかり指を置いてあげないといけません。

スピードキー、評価が難しい

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 KEYoneからShiftキーを1つ削ってまで新たに追加されたスピードキー(ユニバーサルショートカットキー)。従来はホーム画面のみで有効だったキー長押し・単押しによるショートカットを、スピードキーによってどの画面からでも呼び出せるというもの。

 前面QWERTY端末ならばこそ、ホーム画面ではショートカットではなくインクリメンタルサーチを使いたい、そういう要望に応える機能だと思います。前面QWERTY端末の名機で使っていたあのインクリメンタルサーチでの横断検索機能も、キーショートカットも、両方存分に楽しみたいという欲張りさん向けでしょうね。

 ただ、挙動がいまひとつ不安定なのが気になりますね。スピードキー+○キーで反応する場合と反応しない場合があるんですよね。ソフトウェア的なチューニング不足の問題だと思うので、この辺りはアップデートで安定化してもらわないと評価が難しいですね。

 この文章を書いている中で気付いたのが、インクリメンタルサーチ有効状態だと、単押しのショートカットが無効化されるのが本来仕様という点ですね。しかしこの状態になる前に単押しとして設定された内容は、この状態でもスピードキー+単押しで有効になっている(場合がある)というのが実に謎。目玉機能の作り込みの甘さは気になりますね。アップデートでの修正を待ちます。

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 Shitキーを削ってまで実装すべきだったかというと、やはりShiftキーは左右両側に欲しいので、削るのではなく、空いているスペースにスピードキーを増やす形で実装してくれたほうがまだ良かったでしょう。

キーショートカットによるアプリ起動

 スピードキーはさておき、ホーム画面で特定キーを押すとアプリが起動すること自体は素晴らしいです。起動アプリは単押し長押し個別に任意で割当可能。

 自分はホーム画面にごちゃごちゃ物をおいてしまいがちで作業効率ガタ落ちなんですよね。特にアイフォーンなんてドロワーがない分まともに使ってられません。

 その点ブラックベリーは最高です。キー割当さえしておけば「あのアプリどこに配置したんだっけ!?」と焦ることもありません。押せばどうにかなる安心感が素晴らしい。(だからこそ『どの画面でも』押せばどうにかなるはずだったスピードキーには期待していたので、アップデートでの追い込みに期待したいところ)

片手文字入力

 alt+spaceなど同時押しが必要な場面では片手では完結しないため、基本的には両手操作が推奨です。

ソフトウェア

Android OS、BlackBerryならではのアプリも

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 Android OSを採用。ファイラーやBlackBerry関連アプリも入っています。プライバシー・セキュリティー向上系のDTEKも。以下、初期状態のBBF100-9のホームアプリ「BlackBerry Launcher」のホームとドロワー。

統合アプリ「BlackBerry Hub」

 通話履歴やメッセージングアプリを統合し表示してくれる「BlackBerry Hub」。複数情報の時系列統合といえばTimescapeやWindows Phone、Jibeといった取り組みがありましたが、どれも廃れましたね。そんな試みをつい思い出させる部分です。

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生産性タブ

 画面上に常時表示されるツマミ。これをスライドして引っ張り出せる生産性タブ。ToDoやカレンダー、アドレス帳といったいわゆるPIM機能を統合。ウィジェット表示領域も備えています。昔ながらの情報端末・PDAと言えばやはりPIMですからね。ツボを抑えています。使わない場合の非表示も可能。

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カメラ

 カメラはデュアルカメラになりました。とびきり良くなったということもなく、普通ですね。

 ご飯撮りはいまいちな色合い。Instagramなどカラーフィルターを掛けてあげるといいでしょう。

 シングルカメラの前モデルBlackBerry KEYoneは、実のところ「優秀な飯テロマシン」というのは、これまでレビュー記事で何度も言及してきたところ。TCLがKEY2のカメラのチューニングをミスっているものと思われるので、アップデートがほしいですね。

総評:(粗も目立つが、個人的には)神機。

 単にキーボードだけだとKEYoneもいい線行っていたのですが、やはり何よりスペック不足。KEY2は性能・ネットワーク・SIMフリー・IME・打鍵感、ほとんど全てが素晴らしい。新しいのに随所に懐かしさ、本当に感動を覚える出来です。ハードウェアと基本的な部分はほぼ完璧。ついに巡り会えた理想(に限りなく近い)の一台。

 あとはソフトウェアの細かなバグ・不安定な挙動・カメラのチューニング不足さえ改善されれば、本当に最高。物理QWERTY好きにとって素晴らしい、歴史に残る一台になるポテンシャルを秘めています。アップデート次第ですね。

購入方法

 国内版発売日は9月7日。もちろんSIMフリー。

 本体価格は、デュアルSIMで64GBのSilver(BBF100-8)が7万9800円(全て消費税込)、シングルSIMでストレージ128GBのBlack(BBF100-9)が8万9800円となっています。

2018年9月10日7時56分追記:caseplayにて販売中。また、クーポンコード「KEY2SCASE-PR」にてSoft Shell Caseが50%OFFになるキャンペーンも実施中とのことです。