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お前ホントにarrowsか?最新機種アルファ進化の秘訣を探る

 物価高をぶち抜くミッドハイ!

 FCNT合同会社は新製品発表会を開催し、スマートフォン「arrows Alpha」を発表しました。NTTドコモと公開市場に投入します。発売日は2025年8月下旬以降、市場想定価格は8万円台(公開市場版)になるとしています。

 従来は真ん中を狙う廉価モデルが中心のarrowsでしたが、同時発表のらくらくホンとのMAV戦術もとい二人三脚によって、先端ユーザーとラガード層をカバーする布陣と言えます。

 arrows Alphaの心臓部にはMediaTek製の高性能SoC「Dimensity 8350 Extreme」を搭載し、独自のチューニングや大型のベイパーチャンバーを組み合わせることで、従来の「arrows 5G」と比較して「2倍」以上の「総合性能」を実現したと主張します。

 FCNTとしては「ハイエンド」を謳いますが、搭載SoCや価格帯からはミッドハイ以上・廉価ハイエンド未満の機種と捉えるのが正確です。

 このようなSoC選定については市場の最高峰(ウルトラハイ)からはワンランク下の性能と認めながらも、あくまでF1レーシングカーではなく、高速道路を快適に走れる利用者にとっての「体験価値」を重視した結果だと説明。その上で、ストレージやカメラ、ディスプレイといったSoC以外の部品は、ウルトラハイの製品群にも引けを取らないものを採用しており、総合的な体験価値としてハイエンドを実現していると豪語します。

 物価高・端末価格高騰を背景に、価格を抑えて「手が届く」ことを目標に開発したという本機。従来のarrowsはコストパフォーマンスという観点では他社に大幅に劣後することも多かったですが、今回の8万円台という価格設定については、進化の割には決して高くはない、といった印象。パネル一つ取ってみても品質に妥協は見られず、1-144HzのLTPOパネルなどコスト高となる要因も見受けられます。

 この8万円台という価格に抑えられた要因としては、やはりLenovo傘下となり、Motorolaが兄弟会社になったことによる開発体制の変化が大きいようです。

 実際、Dimensity 8350やLYT-700Cなど様々な構成がMotorola edge 60 proと共通ですし、同梱充電器もモトローラです。方針として、グローバルで共通化できるリソースは最大限活用。arrows AIの技術基盤も、Lenovo/Motorolaグループで共有するエンジンをベースにしており、FCNTは日本市場の利用者に向けた最適化に注力するという「グローバルとローカルのバランス」を取ることで、高性能と戦略的な価格を両立させたとしています。

 高い堅牢性は健在で、MIL規格だけでなく、先端トレンドでもあるIP69も対応。これだけやっても壊れません。

 筐体は幅72mmで持ちやすいと謳います。

 arrowsらしい野暮ったさは良い意味であまり感じにくく、特に背面の質感は良好です。

 バッテリー性能も重視しており、1度の充電で2日間持続するスタミナと、独自技術による5年間の「長寿命(5年後電池パック充電容量80%維持)」を両立させたとしています。

 さらに、付属の90W専用充電器を使用することで、わずか10分で40%、35分で満充電が可能な超急速充電に対応すると謳います。電源ICを3つ搭載し、熱源を分散することで発熱を抑えて急速充電を実行、低温火傷等も防止します。PD3.0で汎用急速充電器が利用可能としながらも、「35分で満充電」などの各数値はあくまで同梱充電器の数値だとしています。充電器はモトローラとの共通化でコストを抑えています。

 また、新たな独自機能として「arrows AI」を搭載。物理キーから「promptバー」を呼び出して、設定の検索などが可能。ほかにも通知をAIが要約して伝える機能が2024年秋から冬にかけてのソフトウェア更新で追加を予定します。arrows AIはオンデバイスとクラウドのハイブリッドで提供します。

 なお、このAI呼び出し用の物理キーは、1度押し・2度押し・長押しで任意のアプリを起動可能なので、他社のAIサービスを利用することもできるほか、特にAIを頻繁に使わない人でもカスタマイズできるのが良さそうです。

 メインカメラには、ソニー製の1/1.56インチセンサー「LYT-700C」と光学式手ぶれ補正を採用し、AI技術を駆使することで、夜景やポートレート撮影でも白飛びや黒つぶれを抑えた鮮明な写真を撮影できるそうです。

 arrowsのカメラは日中屋外は多少は使えるものの、ひとたび低照度になってくると著しい画質低下・撮影失敗が顕著でした。近年は夜景モードをようやく実装し、「何があるかは写ってるね」と判別ぐらいはできるようになったものの、なかなか積極的に使いたいと思える水準にはありませんでした。今回は、数少ない作例からも比較的高い水準と演色的な画作りが確認でき、少なくともこれまでとは明らかに異なる傾向であることが期待できます。

メーカーの謳う「写実性」は、時に画質処理を怠る免罪符となる。「記憶以上の記録」で攻めのカメラ進化を決意する姿勢は大いに評価できる。

 今回、ポートレートはHDRや夜景と組み合わせて利用可能に。背景ボケ処理も二眼の視差ではなくAIを活用したことで、広角と超広角どちらでもポートレートを利用可能に。ボケや境界線は、少なくとも体験ブースでは上手くいっていました。他社に優れている部分は無いといっていいほど力が入っていなかったカメラ機能でしたが、得意な特定のシチュエーションでは勝る可能性があるのではないか、と思わせる期待感さえあります。

 複数枚の連続写真から全員が目を開いた表情のグループ写真を生成する機能や、動きの激しい被写体をシャッタースピードを調整しブレなく撮影する動体追従機能なども備えます。

 また、DisplayPortによる外部モニター出力にも対応するそうなので、他社のグラス端末等の利用も期待できるかもしれません。

 よくまとまっており、期待値で言えば従来のarrowsよりも圧倒的に高いです。既に予約受付を開始しているのでチェックしてみて下さい。なお発売日が8月下旬以降と先の方なのは、他に良い機種が出てきて目移りしてしまう可能性がありネックかもしれません。大いに悩ましいと感じられるのも従来機種との違いかもしれません。

 なお今後のラインナップに関して、ミドル・ローエンドモデルは、既存の「arrows We2 Plus」や「arrows We2」の販売を継続する方針。また、法人向け市場についてはAlphaよりも「arrows BZ」シリーズが中心になるとの見解を示しました。

項目 arrows Alpha F-51F
サイズ(高さ×幅×厚さ) 約156mm×約72mm×約8.8mm
重量 約188g
画面 約6.4インチ(有機EL Super HD)、最大144Hz
CPU Dimensity 8350 Extreme
実行メモリ 12GB(仮想メモリ12GB拡張対応)
ストレージ 512GB
外部メモリ microSDXC(最大2TB)
メインカメラ 約5030万画素(広角)・F値1.88
約4990万画素(超広角)・F値2.05
インカメラ 約4990万画素(広角)・F値2.0
バッテリー容量 5000mAh
急速充電 90W(約35分でフル充電)
OS Android 15
防水・防塵 IPX6/IPX8/IPX9(防水)、IP6X(防塵)
耐久性 MIL-STD-810H準拠
生体認証 指紋認証、顔認証
カラー ホワイト/ブラック
発売予定 2025年夏
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