VAIO株式会社は、スタンダードノートPCの新製品「VAIO F16(法人向け:VAIO Pro BM)」および「VAIO F14(VAIO Pro BK)」を発表しました。
受注開始は2025年6月3日10時から、発売は2025年6月13日。価格はVAIO F14が14万1800円、VAIO F16が14万6800円。
開発背景には、コロナ禍を経て多様化した働き方があります。VAIOは、モバイルワークから在宅・ハイブリッドワーク、そして場所や業務内容を問わない「シン・モバイルワーク」へと移行する中で、ユーザーが本当に必要とするPCの基本を再検討。結果として単なるスペック競争ではなく、「見やすい大画面」「長持ちする品質・安心」「普段使いにちょっといい性能」「快適なオンラインコミュニケーション」という4つの要素を「定番」の条件として追求したといいます。
「VAIO F14」は、14.0型ディスプレイを搭載しつつ、筐体の刷新とディスプレイの狭額縁化により、約1.23kgという軽量性を実現しました。特に液晶ディスプレイ(LCD)は、ベンダーとの協業により約34%もの軽量化を達成。
バックライトや視認性、LCD周辺の機構は特に変わっておらず、厚いLCDのガラスを薄くしたことによる軽量化が要因。ただ薄くした分、耐久テストを通らなくなったものの、ベンダーと協力して思考錯誤を重ね、弱い部分を補強することでハイエンドモデルと同等の127cm落下試験などをクリアする堅牢性を確保したといいます。
「VAIO F16」は、アスペクト比16:10の16.0型ディスプレイを採用し、縦方向の表示領域を拡大しました。画像や動画編集をすることも多いという個人利用者の反響を踏まえ、個人向けにWQXGA(2560×1600)の高解像度パネルも用意します。
また、ユーザーからのフィードバックを反映し、SDカードスロットは従来のmicroSDから利便性の高いフルサイズに変更されました。(F14はmicroSDスロット廃止)。約1.57kgからという重量は、「いざという時に持ち運べるA4ノート」としての機動性も考慮した結果とのことです。
両モデルとも、最新のインテル Core プロセッサー シリーズ1(法人向けにはシリーズ2や第13世代Core i5も選択可)を搭載し、Wi-Fi 6EやBluetooth 5.3に対応。
普及機ではあるものの、加工や着色技術に優れたVAIOらしい、品位あるデザインに仕上がっています。

底部もシールではなくレーザー刻印など外観にこだわっている
機能面で特筆すべきは、オンラインコミュニケーション機能の大幅な強化です。マイクを従来の2つから、ディスプレイ上部中央を加えた3つに増設。これにより、ハイエンドモデルで実績のあるAIノイズキャンセリング技術を最大限発揮し、周囲の雑音だけでなく、PCの対面(奥側)にいる人の声まで抑制し、発言者の声をクリアに届けられるようになったとしています。会議室での利用を想定したモードなども搭載し、ビジネスシーンにしっかり対応します。
DC入力端子を廃止し、USB Type-Cポートを2基に増設。これにより、電源供給、映像出力、データ転送がType-Cケーブル1本で可能に。

上位モデルは左右側面にUSB-C端子を配置するが、普及機の本機は右側面に配置。
キーボードは、キーキャップ中央のくぼみ(ディッシュ形状)や静音構造など、上位モデルで培った打鍵感の良さを継承しつつ、文字の印字色を見直すことで、薄暗い場所での視認性を向上。新たにCopilotキーも搭載。 VAIO F16はテンキーも備えます。
180度開くディスプレイや、タイピングしやすい角度を生むチルトアップヒンジ、触り心地と剛性を両立するアルミ製パームレストなど、VAIOならではのこだわりを継承します。
設計面では、VAIO S13、F14、F16でマザーボードや子基板の一部、バッテリーなどを共通化。これにより、開発効率や評価効率を高め、品質向上や開発期間の短縮を実現。
各種耐久性試験はもちろん、VAIO F14は飛び跳ね試験も含むモバイルノート向け特別品質試験やMIL規格(MIL-STD-810H)準拠品質テストも実施。もちろん安曇野FINISHを称する専任技術者による点検も実施して出荷します。
普及機でありながらも、しっかりVAIOらしい個性や品位を備えた新定番モデルと言えます。