京セラは、Japan IT Week 秋にて、「5Gコネクティングデバイス(KC-R901)」を展示しました。
本機はざっくり言えば法人向けのモバイルWi-Fiルーターです。ぶら下げられる同時接続数は20端末。通信は4Gに加えて5Gミリ波/Sub6、ローカル5Gにも対応します。Wi-Fi6、Bluetoothにも対応。USB Type-Cから変換アダプタを噛ませてHDMI、RS232C、有線LANも利用可能。
ただし、基本ソフトウェアはAOSP(Android Open Source Project)ベース。チップセットには、なんとハイエンドSoCであるSnapdragon 865を搭載。2.6インチタッチパネルで操作できます。見慣れない無骨な筐体で、見慣れたAndroidが動く奇妙な感覚。
Android OSの採用と高い処理性能により、アプリ開発もしやすく、エッジコンピューティングに活用できる点がただのWi-Fiルーターとは異なります。さらに、ルーターながらGPS、GLONASS、みちびき、北斗の位置測位にまで対応します。本機の開発にはTORQUEなど京セラのスマホ開発ノウハウも活かされているのだとか。
カメラ映像をリアルタイムで送受信する放送中継、ARグラスと接続してエッジコンピューティングで解析、遠隔操縦による建設現場での活動、監視カメラの映像伝送といった用途に耐えます。また、京セラ製アプリを追加すれば4K動画のエンコード/デコードにも対応するそうです。
目を引くのはその大きさ。厚み27mm、重量348gとなっています。これは排熱機構搭載によるもの。他社の5Gルーターよりも放熱による長時間の安定稼働が期待できるといいます。凶悪な見た目してますね。イカス。
底部には吸気口とUSB Type-C端子を2つ搭載。
スペックは以下の通り。
OS | AOSP |
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SoC | Snapdragon 865 Mobile Platform X55 5GModem-RF System |
メモリ | 8GB |
容量 | 128GB |
画面 | 2.6型 タッチパネル |
電池 | 6000mAh |
寸法 | 159× 78× 27mm, 348g |
Wi-Fi | 802.11 a/b/g/n/ac/ax 2×2 MIMO |
その他 | USB Type-C PD3.0, Bluetooth 5.0 5G NR(Sub6/mmW), Local 5G(Sub6/mmW) 4G LTE, nano SIM GPS、GLONASS、みちびき、北斗、A-GPS |
販路はキャリアではなく、京セラ独自。既に2週間ほど前から法人向けに販売を開始しているとのこと。