VAIO株式会社は3月29日、新製品VAIO F14/F16を正式発表しました。6月以降に発売します。
今回、VAIOは新しいWindows PCの定番を目指すといいます。なぜなのか?
2022年はPC業界全体が不調に。新生活などの需要が落ち着いたことや、世界的インフレも逆風になったといいます。3年連続で国内PCは出荷減少。ギガスクール需要を除いて低迷が続いている状況。
円安などの様々な要因によりVAIOも苦戦するも、今期は通年で過去最高の売上を達成する見込み。これは営業体制強化と既存製品の本質的価値追究によって、特に法人向けPC事業が好調だったとのこと。
これまでのVAIOは、高い付加価値を求める利用者、いわばニッチ向けに留まっており、大きなスケールメリットも期待できないボリュームだったため、開発戦略を見直して、今こそより多くの人に愛される製品を作ることを目指したといいます。
若者の間ではiPhone人気を背景にMacBook Airが定番商品に。Windows PCには企業ユーザーの間ではシェアを持っているが群雄割拠、定番という製品は無いと分析。
そこでVAIOが新しい定番を作るにあたり、気持ちよく愛着を持って長く使えることを考え、それをVAIOの本質的価値を盛り込むことで実現。単に見た目が良いだけではなく機能性やブランドからくるワクワクさせるかっこよさ、放熱性やAI騒音除去マイクなど相棒にできる賢さ、紛い物ではない高い質感や品位がその本質的価値だといいます。
単に安いPCを作るのはVAIOの役割ではないため、VAIO F14/16は利用者が真に求める価値を盛り込んだ定番製品に。FにはFitやFamilyの想いを込めているそうです。
新生活様式以降に変化した生活に対応、大画面やコミュニケーションの重要性が強まったことにも対応します。
電池駆動時間の延長のため、バッテリーセルもTDK株式会社と新規開発。VAIOの充電制御も加わって容量劣化対策も実現。
そして傾斜がついて疲れにくいキーボード、耐久性の高いアルミパームレスト、表面塗装の印字部分をレーザー剥離して色を整えつつ耐久性を確保したキーなど、定番に相応しい要素を上位モデルから継承も。
特性の異なる14種類の素材を、異なる調色でありながら、全てのパーツのトーンを合わせて一体的なデザインにする見えない工夫も。シンプルな製品を作る工程はシンプルではないといいます。
オンライン会議も便利に。インカメラに角度をつけてちょうどよく人を映すといった工夫も取り入れたとのこと。AIによって前方にいる人の声だけを拾う機能・ノイズキャンセリング機能によって、利用者の声だけをしっかり伝えます。
製品のプロモーションには声優の諏訪部順一氏を起用。PCに扮してVAIO F14/16をPRします。実は同氏は8bit時代からのPCユーザーで、思い入れのある機種として、1998年の小型のVAIO C1(PCG-C1)を挙げています。
https://youtu.be/U_5HI39K3wk
VAIO F14/16はラインナップ全体の売上の4割から5割の売上を目指し、1.5倍以上の規模に成長を目指したいとしました。ただ従来の法人8割・個人2割という全体比率は今回の商品によって変わるわけではないとみているとのこと。
ちなみに海外展開は、ソニーからの独立後は限定的で、国内販売比率が95%。海外投入製品も海外設計のライセンスでしたが、今後は国内シェアを上げて、海外でも自社製品を増やしていきたいとのこと。
当初は本日の発表にあわせて発売する予定だったものの、量産に向けて長期間使用した場合に生じる一部懸念が見つかったため、6月以降に延期したとのこと。これは自社工場で徹底して品質検査する安曇野フィニッシュだからこそ、幸いにもこの課題を発見できたのだといいます。
今回、VAIOのラインナップの表にはVAIO Zはありませんでした。これについて、ZのようなVAIOだけが作れる製品があるからこそ定番製品も作れるのであり、どのような名前になるかはわからないが、Zのような製品を作る試みをやめるつもりはまったくない、「乞うご期待」とのこと。VAIO Fシリーズが成功してくれれば、熱烈なファンの期待する製品も出てきてくれそうですね。
より多くの顧客を獲得するための魅力的な新製品の登場によって、今後のVAIOのシェアがさらに伸びてもらいたいところです。
オンラインストアでVAIOを買う [AD] | ||
VAIO STORE | ソニーストア |