
中国Keebmonは、メカニカルキーボードとPCを一体化させた謎のデバイス「Keebmon」のクラウドファンディングをKickstarterで開始しました。
価格はメモリ・ストレージなしのベースキットが3104香港ドル(約6万2300円)から。2026年4月発送予定とのことです。
こいつを一言で表現するなら「メカニカルキーボードを搭載したVAIO type-P」という感じのもの。クラファンPCらしい尖りに尖りまくった製品です。
搭載するSoCはRyzen AI 9 HX370で、PassMarkベンチマークで約3万6000点と、Core i7-14700HXを上回る性能を持ちます。内蔵GPUのRadeon 890MはGeForce GTX 1650相当の性能とされており、軽めのゲームなら十分動作するレベルです。
ディスプレイは13型で、解像度が1920×720ピクセルというウルトラワイド仕様。アスペクト比が8:3という特殊な画面を採用しています。この縦720ピクセルという解像度はかなり窮屈に感じそうですが、横に長い分、複数ウィンドウを並べるには便利かもしれません。
キーボードはUS配列の84キーで、Kailh製ロープロファイルChoc V2スイッチに対応したホットスワップ仕様。キーマップ変更にも対応しているそうです。自作キーボード界隈では定番のChoc V2対応というあたりに、メーカーのこだわりを感じますね。そしてVAIO type Pと同様にトラックパッドを備えないので、タッチ操作かマウスつなげて操作するか……というところです。

拡張性も意外と豊富で、USB4端子×2、USB 3.2 Gen 2端子×2、HDMI 2.1出力、OCuLink端子、SDカードスロットを搭載。OCuLink端子があるということは、外付けGPUボックスとの接続も想定しているのでしょうか。無線通信はWi-Fi 7とBluetooth 5.4に対応し、さらにLTE機能も内蔵しているとのこと。

気になるのは、メモリとストレージが別売りという点。DDR5 SO-DIMMに最大64GB、M.2 NVMe SSDに最大2TBまで対応しますが、ベースキット6万2300円にこれらを追加すると、トータルではそこそこの価格になりそうです。メモリが高騰しているいまだと余計にですね。
自分用には絶対要らないと思いつつも、妙に魅力を感じてしまうのも確か。外付けディスプレイに繋げば普通のデスクトップPCとして使えますし、単体で持ち運んでカフェで作業なんてこともできます。キーボードマニアと小型PC好きが交わるニッチな領域を狙った製品でしょう。あれ?ミニPCを首から掛けて分割キーボードをたまに持ち歩いているすまほん!!編集長にどストライクでは……?
ただし、クラウドファンディング製品なので、納期遅延やスペック変更のリスクは当然あります。2026年4月発送予定ということは、製品化まで1年以上。その間に技術も進化するでしょうし、気長に待てる方向けですね。日本への発送対応状況や技適の取得についても不明なので、購入を検討される方はその点も確認が必要です。
まあでも、こういう「誰も作らない変なもの」を作ってくれるメーカーがいるのは楽しいですよね。成功するかはわかりませんが、完成したら触ってみたい気持ちはあります。




















