
不死鳥wena、世界最小で再始動!
「お気に入りの腕時計を生かしてスマート化する」。2015年、クラウドファンディングで1億円超を集めて日本記録を打ち立てたwena。2016年の一般販売開始以降から10年経った今も色褪せない、唯一無二のコンセプトです。
しかし2020年発売のwena3を最後に、2026年2月28日をもってwena 3のサービス提供が終了。「ソニーのwena事業」は幕を閉じました。SNS上には「他にないコンセプトなのに」「後継機を出してくれ」という悲痛な声があふれ、サポート最終日まで使い続けた愛用者からは感謝の言葉も届いたといいます。

筆者のwena3と腕時計
そんなユーザーに愛されたプロダクト。灯火はここにきて新たな会社に引き継がれました。
wena開発部隊がソニーグループから商標・特許を継承し、augment AI株式会社として独立起業。資金調達と並行しながら、新モデルの設計に取り組んできました。その成果が新製品「wena X(ウェナ クロス)」です。2026年3月20日11時より、GREEN FUNDINGにてクラウドファンディングを開始します。今回、ソニー時代にwenaを発起し、今回新会社で代表取締役になった對馬哲平氏から話を聞きました。
今回新会社で新登場のwena Xは、1.0型以上のフルカラーディスプレイを搭載した主要メーカーのスマートウォッチとして「世界最小」を謳います。アルキメデス法、つまり沈めて実測もしたそうです。完全新規設計により、wena 3比で全長8.5%の小型化を達成。

奥は筆者のwena 3
さらに手首に沿うワイド型カーブAMOLEDを新たに採用し、表示領域は約1.7倍に拡大。独自の超小型カーブバッテリー(80mAh)と3次元基板実装により、視認性と装着感を両立。当然、各種基板は部品もこのアーク状筐体に合わせて設計配置しているわけで、それで小型大画面化も達成しているのですから流石の技術力ですね。

本記事における写真は試作機。最終量産版まではまだいくつかの試作機を挟む予定で、外観の細かい部分は変わる可能性があるため、あくまで参考までに。
最大の特徴は、腕時計スタイルとスマートバンドスタイルを行き来できる「2WAY構造」にあります。
なるべく安全に簡単につけ外し可能とする片側フランジ構造を開発し、機構特許出願まで苦労したそうです。バックルモジュールをワンタッチで取り外し、腕時計とスマートバンドを切り替えられます。外出時はフォーマルに腕時計スタイルで、運動時や就寝時はスマートバンドなどの使い分けもできるというわけ。

wena3を出してからサポート最終日まで5年間、プロダクトを使ってくれて感謝の声を伝えてくれた顧客について語り、年末の出荷に向けて、より強化したモデルを出せると思っていると意気込みを見せた代表取締役對馬哲平氏
従来は自分の腕時計と組み合わせる顧客が多かったものの、今回は小型スマートバンドとしても訴求する構え。

腕時計のバンドとして使う場合には、縦画面で利用

上部からスワイプで呼び出せるコントロールパネルから縦横切り替えが可能。
対応ラグ幅は16〜24mm。多くの腕時計がワンタッチ着脱できる見込みで、計測キットも付属予定。単体販売も想定するものの、クラファン支援者には1つ無料で提供予定。

適切なサイズのエンドピースをつけ、バンド部をワンタッチ着脱。 参考:汎用のラグ幅計測。純正計測キットが付属予定。
OSにはAndroidやWear OSといった汎用品ではなく、RTOSベースの独自「wena OS」を搭載。フラッシュ領域も小さく、スマートリングのOSに近く、常にメモリ管理との戦いになる。一方でリングは画像描画をさせなくていいのに、本機はそこをさせる必要があるため、よりメモリが厳しいと、ソフトウェア面での苦労も語りました。
ただ、この非常に限られたリソースでタスクを順番にこなしていく構成の、超省電力・安定性・リアルタイム性に特化した基本ソフトによって、バッテリー持続時間は1週間(予定)という恩恵があるそうです。筆者は長らくwena3を愛用していましたが、電池持ちが良いのは魅力でした。腕時計が機械式自動巻きで長持ちするのに、バンド部の電池がすぐ切れるようでは魅力半減ですからね。

充電端子はクリップ式で別途販売も予定
カレンダーはiOSやAndroid標準のものをそのまま表示できるので、OutlookやGoogleカレンダーなどを利用可能。Exercise、Payment、Weather、Schedule、Camera Shutter、Music Control、そしてChatGPTまで名を連ねています。マイク搭載によりAIを使えることで、様々な可能性が広がります。
画面表示はより綺麗に。細いシックな文字を使い、色も抑えめのUIとすることで、腕時計と組み合わせた時のデザイン性やディスプレイ消費電力抑制を意図しているそうです。動作感はまだ開発機ということは差し引いても、リフレッシュレートはwena 3と同程度だと感じました。
ヘルスケア面も大幅に強化。3波長統合型光学式心拍センサーと高精度体動補正アルゴリズムにより、心拍センシング精度を向上。東京大学発のスリープテックスタートアップACCELStars(アクセルスターズ)との資本業務提携により、AI睡眠分析が可能。エクササイズは130種類以上に対応し、VO2Max、フィットネス年齢、筋肉回復度まで可視化します。なおAppleやGoogleのヘルスケアとも連携可能とのこと。
wenaシリーズの利用者需要として、腕時計に健康測定機能を付加できる点は旺盛だったそうです。ただ従来機種が強くなかった部分なので、今回強化。ヘルスログは日本国内のサーバーで保管し、自社で一貫管理する方針。

ただ従来機種にあったQrioやAlexa連携がなくなっているほか、FeliCa決済なし。決済機能はNFCのみで、国際ブランドのチャージ決済の対応に向けて開発中とのこと。
ラインナップはループラバー(スマートバンド型)、レザーバンド2種、メタルバンド2種。
時計部分も登場。10周年記念として、機械式スケルトン腕時計「wena X – 10th Special Edition -」もクラウドファンディング限定で先行予約を開始します。従来通りwenaはスマートバンド部分の開発に徹し、腕時計部分はコラボレーションが前提。まだ搭載製品の出ていない最新のスイス製新型機械式ムーブメントSELITA SW200-2 S b Power+を搭載し、8振動の滑らかな針の動きと65時間のパワーリザーブを両立。Silver・Black各200本の数量限定です。

ソニーという巨大企業から小さなチームが独立し、ユーザー支持の厚いプロダクトを復活させ、自力で資金を調達しながら、世界最小スマートウォッチを設計し、クラウドファンディングで市場に問う。シビれますね。これが売れてシリーズ化し、いつか将来的にFeliCa対応版が出てくれるというアツい展開に期待したいです。筆者はもちろん出資予定です!
ちなみにソニーからの独立にあたっては、他にも同様のスピンアウトの例もあり、そうした話を聞いて実現。暖かく送り出してくれたといい、実際に十時CEOからもプレスリリースにコメントが寄せられているほど。ソニー、懐深いですね。

【朗報】サ終からまさかの復活!!!!!!
腕時計に合体してスマートウォッチ化するwena新機種「wena X」が登場!!!!!!! pic.twitter.com/HJlkQKpdSe
— すまほん!! (@sm_hn) March 17, 2026




















