Garminは、同社のフラッグシップGPSウォッチの最新モデルとなる「fēnix 8 Pro」シリーズを発表しました。AMOLEDを採用する主力モデルに加え、スマートウォッチとして世界初となるMicroLEDモデルを用意し、LTEと衛星通信を統合してスマートフォンなしでの単独の通話・メッセージ・SOSが可能になったとのこと。
日本では、予約受付を9月11日に開始し、AMOLEDモデルの「fēnix 8 Pro」を9月18日に、「fēnix 8 Pro MicroLED」を10月以降に順次発売します。価格はAMOLEDモデルが20万6800円からで、MicroLEDモデルは31万8800円です。なお、通信機能の利用には月額1180円からのサブスクリプションが必要です。
本機種の核となる機能は、スマートフォンがなくても通信できる点にあります。eSIMを本体に内蔵しており、月額1180円からの専用サブスクリプションに加入することで、低消費電力のLTE-Mネットワークに対応した音声通話やメッセージの送受信、現在地を共有するLiveTrack機能が利用できます。
さらに、Garmin独自の衛星通信技術「inReach」を組み込むことで、携帯電話の電波が届かない山岳地帯や洋上でも、衛星を経由したメッセージの送信やSOS救助要請が可能になりました。これにより、万が一の状況下でも手首のデバイスだけで外部と連絡を取れることが可能になり、これまでにない高い安全性を確保したとアピールします。
なお、これらの通信機能はGarmin独自の「Garmin Messenger」アプリを介した安全連絡機能に特化しており、Apple Watchのように電話番号を使った汎用的な通話やメッセージはできません。

左から、通話受信、メッセージ送受信、メッセージの履歴、Messengerチェックイン、SOS発信
ディスプレイも、前モデルと比較して大きな進化を遂げました。標準モデルには高精細なAMOLED(有機EL)ディスプレイを採用し、従来モデルよりも明るく鮮やかな表示が可能です。
最上位モデルには、スマートウォッチとしては世界初となるMicroLEDディスプレイを搭載。このMicroLEDモデルは、最大4500ニトという超高輝度で、直射日光の下でも圧倒的な視認性を確保します。スマートフォンの場合は「全白輝度」が視認性を測る上で重要になりますが、スマートウォッチは黒の背景で白を基調とした文字を表示するので、明暗差がくっきり分かれるピーク輝度の高さはスマホ以上に画面の見やすさにつながりやすいという訳です。
40万個以上のLEDを敷き詰めることで、視野角や色再現性も向上しており、海外メディアの「TechRadar」などは、「史上最も明るいスマートウォッチ画面」と伝えています。画面は、傷に強いサファイアクリスタルレンズで保護されています。
筐体は、DLCコーティングのチタンベゼルとサファイアレンズ、FRPケースにチタン製リアカバーを組み合わせ、10気圧防水と米国防総省の調達基準であるMIL-STD-810に準拠したタフネスを確保しています。日本でのラインナップは、47mmと51mmのAMOLEDモデル、そして51mmのMicroLEDモデルで、小型の「S」モデルはありません。
バッテリー性能は、公称値で51mmのAMOLEDモデルがスマートウォッチモードで約27日間、常時表示を有効にしても約15日間の連続使用が可能です。また、GPSのみを単独で使用するモードでは最大78時間という長時間駆動を実現していると謳い、長期の登山やウルトラマラソンでも安心して使用できるとしています。
一方で、MicroLEDモデルは、視認性の高さを優先したためAMOLEDモデルよりも持続時間が短く、公称値ではスマートウォッチモードで約10日間、常時表示で約4日間です。
とはいえ、競合製品であるApple Watch Ultra2の公称値が、低電力モードで最大72時間(3日間)、常時表示では最大36時間(1.5日間)であることを踏まえれば、MicroLEDモデルですら驚異的なバッテリー性能を備えていることがわかります。
トレーニング機能も充実しており、ランニングやサイクリング、スイミング、ゴルフ、スキー、登山、またサッカーやバスケットボールといったチームスポーツまで、100種類以上のアクティビティに対応します。Garmin PayによるSuica決済や、Spotifyなどの音楽ストリーミングサービスにも対応。
fēnix 8 Proシリーズは、スマートフォンの母艦ありきではなく、スマートウォッチ単体で独立してSuica対応、衛星を経由したメッセージの送信が可能など面白い機能がまとまっています。
fēnix 8 Pro(AMOLED) | fēnix 8 Pro MicroLED | |
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サイズ・重量 | 51×51×16.5mm/90g(※日本展開の一例) | 51×51×17.5mm/93g |
表示 | 1.4型 454×454 AMOLED | 1.4型 454×454 MicroLED(最大4500ニト) |
通信 | LTE-M(Messenger経由の通話/メッセージ)、inReach衛星、Wi‑Fi、Bluetooth、ANT+ | |
バッテリー | 約27日(常時表示約15日)/GPS最大約78時間 | 約10日(常時表示約4日)/GPS最大約44時間 |
耐久 | 10ATM、防水インダクティブボタン、MIL-STD-810準拠 | |
価格(税込) | 20万6800円 | 31万8800円 |
発売 | 9月18日発売/9月11日予約 | 10月以降 |