
Naverマップの牙城が崩れるか?
韓国の国土交通部が2026年2月27日、Googleに対して縮尺1対5000の高精度地図データの国外への持ち出しを条件付きで認めたと、The Korea Heraldが伝えています。Googleが最初に持ち出しを求めた2007年から数えて19年、ようやくこの問題に決着がついた形だそうです。条件が満たされれば、韓国でもGoogleマップのターンバイターン方式による車両ナビゲーションや徒歩案内が使えるようになる見通しです。
ちなみに「ターンバイターン方式」とは、交差点や曲がり角のたびに「次を右折」「300m先を左折」と音声や画面で逐一案内してくれるナビの仕組みのこと。日本ではカーナビやスマホの地図アプリで当たり前に使われていますが、韓国のGoogleマップではこれが長年使えなかったわけです。
Googleは2007年、韓国の高精度地図データの国外への持ち出しを申請しましたが、韓国政府は朝鮮半島の休戦協定に伴う安全保障上の懸念を理由にこれを認めませんでした。2016年の2度目の申請も同じ理由で却下しています。Googleは2025年2月に3度目の申請に踏み切り、3度の延期を経て今回の条件付き承認に至ったとのことです。
米通商代表部(USTR)が韓国の地図データ規制を「非関税障壁」と位置づけてきた点も、判断を後押ししたとの見方もあります。なおAFPは2025年9月の時点で、Googleが機密性の高い場所について衛星画像をぼかす方針を示したと伝えていました。
承認には複数の条件が付いています。生データは韓国の提携企業が国内サーバーで加工し、政府の審査を通った情報のみ国外への移転を認めるという枠組みです。国外に出せる情報もナビゲーションや経路案内に必要な最小限に限られます。GoogleマップやGoogle Earthのグローバルサービスでは、韓国領土の座標情報の削除または制限も必要です。衛星画像・航空写真に加えて、Google Earthの過去画像やストリートビューについても、軍事・機密施設を識別できないよう処理しなければならないそうです。等高線データについては搬出を認めないとしています。
国家安全保障上の緊急時に即応するための技術的措置(レッドボタン)の整備や、地図関連の専任担当者の現地常駐も条件に含まれるといいます。条件が守られなければ、承認の停止や撤回もあり得るとのことです。
韓国の地図アプリ市場ではNaverマップが強く、Korea Heraldがアプリ分析サービス「Mobile Index」のデータとして紹介したところでは、2025年2月時点の月間アクティブユーザー(MAU)はNaverマップが約2650万人で、シェアはおよそ70%を占めるのだとか。T Mapが約1440万人、KakaoMapが約1060万人と続き、ナビゲーション機能を持たないGoogleマップも約880万人のMAUを記録していたそうです。
ナビゲーション機能が本格的に加われば、勢力図が大きく変わるかもしれません。19年越しの規制緩和で、海外からの観光客の利便性も向上する見通しだそうです。




















