
うどん県ではありません。
アメリカ合衆国のカリフォルニア州で、2025年10月にニューサム知事が署名した「Digital Age Assurance Act(AB 1043)」が、2027年1月1日に施行されます。同法はOSの提供者に対し、アカウント設定時の年齢入力と年齢区分シグナルの仕組みを義務付けるもので、WindowsやmacOS、iOS、Androidだけでなく、解釈次第ではLinuxディストリビューションにも影響が及ぶ可能性があります。
具体的には、OSはアプリ開発者の要求に応じて「13歳未満/13〜15歳/16〜17歳/18歳以上」の年齢区分をリアルタイムAPIで提供しなければなりません。政府発行IDなどの本人確認は不要で、自己申告で足りる設計です。違反した場合、過失なら子ども1人あたり最大2500ドル、故意なら7500ドルの民事制裁金が科される可能性があります。
こうした状況に真っ向から対抗したのが、FreeBSDベースの小規模OSS「MidnightBSD」です。開発者のLucas Holt氏は2026年2月26日、「2027年1月1日をもってカリフォルニア州の住民はMidnightBSDをデスクトップ用途に使用する権限を持たない」とする条項をライセンスに追加しました。「より良い対応策が見つかるまで」の暫定措置だとしています。
小規模OSSにとって年齢APIの実装は開発リソース面で大きな負担で、制裁金は存続を左右しかねない金額です。ArchやGentoo、Slackwareのようなディストリビューションにも同様の課題が波及しかねません。これらには中央集権的なアカウント基盤がなく、「地球中の人々が開発するソフトウェアにカリフォルニア州法をどう適用するのか」という声も上がっています。
AppleやGoogleのような大企業は既存のアカウント基盤で対応しやすい一方、小規模プロジェクトには余力がありません。香川県の「ゲームは1日1時間」条例の時も同様に「ゲーム事業者は対応する必要があるのでは、さもなくば香川県をブロックする必要があるのでは」との議論はありましたが、特に具体的なアクションは引き起こされませんでした。マイナー自治体の条例とは違って天下のカリフォルニア州法、しかもOS事業者への義務や技術的措置を要求し罰金も課せられる強制力のあるルールですから、施行まで残り約10か月、議論はまだ続きそうです。



















