vivoのハイエンドスマートフォン「vivo X100 Pro」を購入しました。カールツァイス提携の5000万画素カメラ(広角・超広角)に6400万画素望遠カメラを搭載。広角カメラには、1/1.49型のSONY製 IMX920センサーが採用されていたりと、カメラ性能に定評があった前モデル「vivo X90シリーズ」をも超える一台との評判です。
実際に購入して使ってみたので、レビューをお届けします。
外観
早速vivo X100 Proを見ていきましょう。付属品はType-Cケーブル、ACアダプタ、クリアケース、説明書、SIMピンです。保護フィルムは最初から貼られているので、追加で買う必要はありません。
こちらがvivo X100 Pro。今回は青系のカラーを選びました。波紋を連想させるようなグラデーションが特徴的で、光の加減で見え方が変化するので非常に美しい。すりガラスのようなサラサラとした手触りで、指紋汚れが目立ちにくいです。
カメラ部分はかなり特徴的ですが、周辺の金属リングも相まって異質感はありません。とても分厚いですが、大型で左右対称のため机においてもがたつきません。よく見ると、上下で金属リングの太さが違うのがわかります。
重さは225g。筐体も決して薄型とはいえず、手に持つとズッシリ感じます。とはいえ、最近のハイエンドモデルは軒並み200gを超えてくるので、vivo X100 Proが特段重いわけではないでしょう。
性能
SoCに世界初搭載MediaTek Dimensity 9300を搭載。ベンチマークは以下のとおりです。
- AnTuTu v10.0.7:198万8525点
- Geekbench 6 Single-Core:2233点
- Geekbench 6 Multi-Core:7003点
- Geekbench 6 GPU:1万842点
GPU性能が特に高い印象。原神を30分ほどプレイしてみました。さすがハイエンドといったところで、高画質+60FPS設定で平均58.857FPSで推移します。高性能ゆえに発熱が懸念でしたが、冷却性能がすごいのか気になるほどではありません。ほんのり暖かくなる程度で、極端な負荷はないように思えます。
vivo X100 Proでは「フレーム補間」「フレームレート優先」といった支援機能があり、適用することでより安定してプレイすることができます。フレーム補間は通常、中国向けのゲームでしか適用できませんが、ADBコマンドを駆使することで他のゲームでも利用可能。
バッテリー容量は5,400mAh。搭載されているDimensity 9300の省電力性能が良いのか、さほど減りません。10時から使い始め、検証のためにベンチマークを回し、原神をプレイした後にSNSや動画視聴をしましたが、20時の段階でまだ40%ほど残っていました。待機時の電力消費も少ないので、使い方次第ではもっと持つでしょう。
100W有線充電、50W無線充電に対応しているので、専用の充電器を使えば爆速で充電可能。長時間ゲームをしてバッテリーが減っても、10分程度充電するだけで一気に回復します。ゲーマーにも適したスマホだと言えるでしょう。
カメラ
vivo X100 Proのカメラ構成は以下のとおり。
- 広角:23mm 5000万画素 IMX989/f1.75/OIS
- 超広角:15mm 5000万画素/f2.0
-
望遠:5000万画素f2.5/OIS
ゴーストやフレアなどを大幅に軽減するZEISS T*コーティングは前モデル同様採用されています。
「ビビッド」「質感」「ナチュラル」の3つの撮影モードが用意されており、ビビッドは彩度高めでナチュラルは見たままに近く、質感はコントラスト高めで雰囲気のある写真が撮れます。
以下、作例をご紹介。
シャープネスがかなり強めで、パキッとした写真に仕上がる印象。細部のディテールがしっかり表現されているので、見栄えが良いです(作例は全て圧縮処理しているので実際はもう少し綺麗)。
ズーム性能に関しては圧巻の出来と言って良いでしょう。10倍ズームはもちろん、20倍でもしっかり補正の効いたくっきりとした写真に仕上がります。
遠くにある看板を読みたいときは、わざわざ近くまで行かなくとも読み取れるので、望遠鏡代わりにもなります。
夜景については実際に見るよりもかなり明るく撮れます。少ないノイズで、ディテール崩れも起きずうまく処理されている印象。
4.3倍ズームあたりなら著しい劣化も感じません。
フードモードを使うことで、メインカメラの1型センサー特有の「過剰なボケ」を抑えることができます。適用することで2倍ズームとなり、少し寄った写真に。明るさも良好で、メシウマ写真の量産が可能です。
中国版のクセの強さ
今回購入したのは中国版vivo X100 Proですが、そのままだと非常に使いづらいです。
- 中華フォント
- アプリ通知が遅れる
- Google Playストアが標準未搭載
- Android Auto、ニアバイシェアやロケーション履歴などが使えない
他にもまだありますが、筆者としてはこの点を改善できればまだマシです。
中華フォントを変更するには「設定」→「ディスプレイと明るさ」→「フォントスタイル」に飛び、経典字体を適用すればOKです。
vivo X100 Proに搭載されている「OriginOS 4」はデフォルトの状態だと通知が遅れてくることがあります。普段からiPhoneやGalaxy、国内向け端末などを使っている方からすれば「設定しないと通知がスムーズに来ない」というのは理解できないかもしれませんが、これが事実です。
通知が遅れる理由として「強力なタスクキル機能が裏で動いている」というのが一つ挙げられますが、これは「設定」→「バックグラウンドでのバッテリー消費量の管理」→「アプリ情報」→「権限」→「権限を自動起動にする」や、バックグラウンドでの大量電力使用を許可してあげれば改善されることが多いです。
中華スマホを購入するにあたり、こういった「設定変更をしないと快適に使えないという点は知識がない人からすると購入ハードルは高く感じるかもしれません。
総評
カメラ重視でスマホを選ぶ方にとってはとても有力な選択肢になるでしょう。カールツァイス提携の高画質カメラや、1型センサー、強力な内部補正など、他のメーカーと比べても頭一つ抜きん出ていると感じます。中華スマホに見られる彩度高めの写りも、Zeissナチュラルカラーを適用することで解消可能。
Dimensity 9300のゲーム性能の高さやフレーム補間機能などの支援機能なども相まって、スペックを要求される3Dゲームとの相性は抜群。ゲームメインでの使用も楽勝でしょう。
vivoのスマホは他社の中華スマホと比べると、多少扱いやすいのも良い点。Volteに対応していなかったり、サードパーティ製アプリに制限があるものも少なくないですが、Vivoであれば使えます。通知周りは色々制限がありますが、検索すれば対処法が見つかるので過度に心配しなくても良いです。
値段が4999元(約10万円)~というのも魅力。日本から手に入れるにはハードルは高いですが、価格以上の価値をしっかり感じられる素晴らしい機種だと思います。
スペック
vivo X100 | vivo X100 Pro | |
---|---|---|
OS | OriginOS 4 (Android 14) | |
SoC | MediaTek Dimensity 9300 | |
メモリ | 12/16GB (LPDDR5X) 16GB(LPDDR5T) | |
容量 | 256/512GB, 1TB (UFS 4.0) | |
画面 | 6.78型 1.5K (2800 × 1260) 有機EL 1-120Hz 可変リフレッシュレート(LTPO) ピーク輝度:3000nit 2160Hz PWM調光 エッジディスプレイ |
|
カメラ | 広角:23mm 5000万画素 IMX920 VCS 1/1.49型 1.0μm f/1.57 OIS
超広角:15mm 5000万画素 JN1 望遠:70mm 6400万画素 OV64B |
広角:23mm 5000万画素 IMX989 1.02型 1.6μm f/1.75 OIS
超広角:15mm 5000万画素 JN1 望遠:100mm 5000万画素 |
インカメラ | 3200万画素 f/2.0 | |
電池 | 5000mAh 急速充電(最大120W) |
5400mAh 急速充電(最大100W) ワイヤレス充電(最大50W) リバースチャージ |
寸法 | 164.05×75.19×8.49(8.74)mm, 206g(202)g ※()内はレザー | 164.05×75.28×8.91(9.05)mm, 225g(221)g ※()内はレザー |
カラー | ブルー/ブラック/ホワイト(ガラス)、オレンジ(レザー) | |
その他 | 画面内指紋認証 ステレオスピーカー USB 2.0 vivo V2 IP68 |
画面内指紋認証 ステレオスピーカー USB 3.2 Gen1 vivo V3 Hi-Fi IP68 |