FCNT合同会社は、らくらくスマートフォンの最新モデルを正式発表しました。
ぶっちゃけ、らくらくスマートフォンによって一番困るのは、ユーザーのみならずその家族……という声もSNSなどに散見されます。
というのも、らくらくスマートフォンは操作が独特なので、使い方がわからない時、教えようにも家族が教えられない……という状況が発生し得るからです。
この「家族が教えられない」という要因は、大きくわけて2つあるものと推察します。
1つ目は、UIが違いすぎることです。一般的なスマートフォンとはかけ離れたUIをしている上、何なら文字入力さえも違いすぎてわけがわからないから教えようがない、そもそも教える側が操作できない……となります。
これについては、設定から変更してarrowsのシンプルホームを使えるとのこと。このとき、文字入力も一括でフリック入力に変更。これで少しは教える側がとっつきやすくなるはずです。
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ちなみに今回、端末初期設定時点でシンプルモードにするかどうかの選択項目も用意しているとのこと。
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シンプルモードのホーム画面はarrowsの相当モード準拠で「長押しでメニュー」「上フリックでアプリケーションドロワー」など、通常のAndroid端末に近くなる。
2つ目は、タッチパネル操作が根本的に異なることです。
これは高齢者の特性に合わせた特殊なタッチパネルをFCNTが採用しているため。
通常、一般的なスマートフォンにおける指のタップ操作は「触ればタップ、長押しすればメニュー等が出る」、これが私たちが当然抑えている全ての基本中の基本です。
ところが、らくらくスマートフォンはその基本から異なります。「触れてもタップできない。強く押し込むとタップ」という非常に独特なものとなっています。
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誤操作を防止する意図。
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たわみ量から押圧を検出する。一般的なスマートフォンの静電式タッチパネルは「カバーガラスとタッチ一体型ディスプレイ」だが、そこに感圧センサーを加えたのが「らくらくタッチ」
この基本概念を知らないまま高齢者以外が操作すると、「そもそも画面の反応が悪すぎて、教える以前に操作すらできない……?」ということになります。
押し込みの場合、「ガラケーのダイヤルキー入力で連続で押し込む際には、指を離さず済む」といったメリットもあるものの、家族等が操作方法を教えられない・当人が他の静電式タッチパネル端末を操作する際に困るというデメリットもあります。
もし「らくらくスマートフォンの操作がわからない」という高齢者がいた場合、「タップするには押し込み」という基本概念を念頭に置いたうえで操作することもできますし、違和感があって教えられないなら、設定からこれを切ることも可能です。これによって通常の静電式タッチパネル相当の操作が可能。
- 設定→タッチの設定→らくらくタッチをオフ
【現役世代必見】高齢者がらくらくスマートフォンの使い方を訊いてきたが、そもそも画面の反応がおかしすぎて操作すらできないんだが……という場合。「タップは、指で押し込み」という基礎概念を頭に置きながら、設定→タッチの設定→らくらくタッチをオフ pic.twitter.com/wQW9JmZr4Z
— すまほん!! (@sm_hn) October 31, 2024
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オフで通常のタッチ操作。説明が終わったら、必要に応じてオンに戻そう。
一般的に、高齢者は指が乾いてるのでタッチパネルを操作しにくいとの説も言われてきたことですが、それとは別に、タッチパネルを操作する際、フィードバックを求めて強く押してしまう傾向が高齢世代にあることを指摘する論文もあることを踏まえると、モノづくりのメーカーであるFCNTが「押し込みでタップ」というアプローチを採用することには一定の合理性はあります。
しかしながら、世の中の様々なデジタル機器のタッチパネルは、押し込みタップという概念の存在しない静電式タッチパネルです。特殊なタッチパネルのらくらくスマートフォンに慣れるよりも、最初から一般的な静電式のタッチパネルのスマートフォンに慣れるよう勉強・練習する、静電式タッチペンを持ち歩くといった方が、結果的には当人や家族にとって良いのではないかとも思います。
とはいえ、何もかもわからない状況で初めて一般的なスマホに挑戦するのは敷居が高い、敷居が高いのでスマホ自体を諦めてしまう……というよりかは「これなら自分でもできるかもしれない」と思って、らくらくスマートフォンをステップアップの第一歩として挑戦する高齢者がいるのであれば、それは大変有意義なことだと思います。
ただし、「家族等に教えてもらう時のために、らくらくタッチのオフやシンプルモードの有効化の方法を覚えておく・メモしておく」などの工夫は利用者にあったほうが良いと思います。
また、そのような一般的なスマートフォンとの差異を抑えておくことで、「一般的なスマホへの機種変更に挑戦したい、らくらくスマートフォンのらくらくタッチオフやシンプルモードにして、しばらく機種変に備えて練習しよう」といったポジティブな方向で進むことだってできるはずです。
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あくまでらくらくスマートフォン独自のUIは商品の看板でもあるため、今回の発表会では(質疑応答を除いて)シンプルモードの存在には触れられていなかった。初めて今作から初期設定で任意のUIを選択することが可能になっている。
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UIとは別に、文字入力方式を別個のものに選択も可能。
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フリック入力の使い方ガイドも用意されている。本機を「安住の地」としてみるか、「補助輪」「補助ロケット」としてみるかによって、利用者当人と周囲の教える人の幸福度や、らくらくスマートフォンへの見方が大きく変わってくるのではないかと思う
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