もうデジカメじゃん!Xperia 1 IIの「Photography Pro」、RAW対応が神すぎる! すまほん!!

 Sony Xperia 1 II(エクスペリアワン マークツー)のカメラアプリ「Photography Pro」が、RAW対応で鬼に金棒になったということで、早速レビューしていきます。この記事の動画版はこちら

Photography Proに待望の機能追加

αの血を受け継ぐPhotography Pro

 Photography Pro(以下Photo Pro)は、Sonyの最新旗艦スマートフォン「Xperia 1 II」に搭載された「マニュアル写真撮影特化アプリ」。Sonyのデジタル一眼レフカメラ「α(アルファ)」と共通のUIとなっています。

 先に出たPhoto ProのメニューUIが、後から出たα7sIIIの最新メニューと同じUIだったのは驚きました。衰退期のXperiaとは違い、今はしっかり事業部の壁を超えて連携していることが伺えます。

最新アップデートでRAWに対応!

 瞳AF、AF/AE追従高速連写など、αの技術が次々と投入されるXperia。最新のフラッグシップスマートフォンXperia 1 IIは、Photo Proでじっくりマニュアルモードで本格的な写真撮影を楽しむことができ、オートHDRによる複数枚合成処理による今風の夜景撮影も選択可能に。ついに海外ハイエンドモデルの画像処理に追いつきました。

(マニュアルモードでオートHDRを選択可能。AUTOモードなら自動。いずれもJPEG保存の場合のみ有効化)

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 ただ、αユーザーと話していてずっと懸念だったのが、「そもそもαって、JPEGそこまで良くないよね」という点。

 そう、本当に突き詰めるユーザーは、しっかりRAWも保存しておき、後でじっくり現像できるようにしているんですね。(後述の通り、αユーザーに限らずです)

 ところが、ついにXperiaが最新アップデートでRAW撮影に正式対応。これ、本当に待望と言えます。カメラで最先端のHuaweiやGalaxyも対応してるので、「ついに来た!」という感じ。

(保存形式 RAWのみ / RAW+JPEGが選択可能に。Xperia 1から既に端末自体はRAWに対応していたが、標準カメラアプリではRAWに対応しておらず、Xperia 1 IIはこのように純正アプリで正式対応を果たしたのが素晴らしい)

そもそもRAWって?

 RAWデータというのは、基本的にイメージセンサーが捉えた情報をそのまま記録したもの。つまり未加工で、たくさん情報が保存されたデータというわけ。理屈上、カメラ性能を活かした広いダイナミックレンジと豊かな階調をたっぷり保持できます。

 これを画像処理チップですぐに加工したJPEGが、みなさんがカメラ・スマホで撮った後によく見ている写真ですね。JPEGだと情報が失われてしまい、後からの修正が効きません。(修正自体はできますが、JPEGとRAWでは保持している情報量が桁違いなので、後から編集には圧倒的にRAWが向いており、またJPEGになった時点で失われた情報はどうにもできません)

 なので、写真家のみなさんは、つぶしが効くRAWで保存しておくわけですね。あとでLightroomなどのアプリケーションから、現像することができます。

広いダイナミックレンジ!

 そうは言っても所詮スマホカメラのセンサーじゃん、と思いきや、驚くべきことにスマホにしては広いダイナミックレンジ。時計盤の数字が消えているように思いきや、現像してみたところ、しっかり残っています!

(左:現像前のRAWデータ、右:現像後の例)

 東京駅丸の内駅舎の赤煉瓦の外壁。複数枚撮ったうち、マニュアル撮影でちょっとイマイチだった1枚。JPEGだと一見、ディテールが潰れ気味に見えて「所詮スマホだし夜景だし1220万画素だし設定甘かったし、こんなもんか」と思っていました。

 しかし改めてRAWで起こしてみると「え、けっこう保持してんじゃん、すごいな!」と感心。下の2枚がそれで、どちらも拡大したもの。左がJPEG、右がRAWから現像。レンガの質感がエモい。

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撮って即現像!

 Lightroom Mobileをインストールすれば、撮影した直後のRAWを読み込んでさっと編集できるのも素晴らしい。カメラで撮ってそのカメラの画面で現像できるヤバさ。最高。HDRなしでここまでいけます。

 arrows 5GのPhotoshop Expressカメラモードではできなかったところなので、arrows 5Gはやはり基本的なRAWデータを渡してすらいないか、arrows 5GのカメラのDR性能が低いのか、Xperia 1 IIのカメラのDR性能が高いのか、いずれかだと思います。

(arrows 5GのPhotoshop Express。自動強調表示処理においても、後から編集においても、失われた細部を表現することはできない)

作例

 以下、筆者(ivara)が散歩しながら適当にPhotography Proで撮影したもの。RAWデータが案外良かったので、三脚を持っていけば良かったとちょっと後悔しています。他のライターにもちょちょいと現像してもらいました。RAWなので、エモい感じでも、ちょっと非現実的な色でも、ディテールを保持しつつ自由自在に変更可能。

(現像:綾鷹らいち)

(現像:そっぷる)

(現像:ivara)

(現像:綾鷹らいち)

 現像中、カメラ好きのライターから「スマホでここまで出来ちゃうのは正直、悔しい(笑)」とのコメントを頂いております。

知っておこう

 RAW現像時の注意点としては、シャドウを持ち上げると輪っか、ゴーストが見える場合があることですね。

(空の部分をよく見ると黒い円のゴーストが)

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 わかりきっていることですが、F値1.7、1220万画素の24mm広角(メインカメラ)が抜群に素晴らしいのに対して、望遠がオマケレベルなのはRAWで撮ろうが変わらないので、一切期待しないように。

 あと、カメラに多少なりとも知識があるユーザーならば「RAW撮影だと、オートHDRは選べないか、まあそりゃ当然だよな」とわかるのですが、スマホからステップアップしたい人には初見殺し。

 ここでたとえば、グレーアウトしたオートHDRをタップすると「RAWを保存する設定のため、本機能は選択できません。JPEGのみ保存に変更して、オートHDRを有効化しますか?」と訊いてくる仕様ならどうでしょう?不必要な障壁を取り除き、少しでもXperiaユーザーがーPhoto Proを使いこなせるよう配慮したほうが、将来のαユーザーは増えると思います。ていうか、そうやって設定を2箇所同時に変えてくれた方が、わかってるユーザーにとっても手間が少なくなって助かりますよね。

 また、RAWの容量は当然ながら大きめ。20~60MBぐらいです。なのでPhoto ProやCinema Proのファイル保存先が、高速な読み書きのできる内蔵ストレージに限定される仕様はわかるものの、それなら国内キャリア版のみストレージ容量が半減する悪習はいい加減やめてもらいたい。

評価

これぞ本格派

 「写真を楽しむ」という行為が、Xperia 1 IIでここまで本格的にできるのが本当に驚きです。特にTスターコーティングの施された1220万画素24mm広角カメラの出来が良く、ユーザーインターフェイスもα準拠、RAW対応、ダイナミックレンジが広く素晴らしい。もはや、写真を楽しむ行為をカジュアルに始めたいなら、コンデジは要らないのではないかというハイレベルさ。

 コンデジを選ばずともXperiaで体験できる。ステップアップの先として、αがある。そしてαや他社カメラのユーザーのサブとして、Xperiaが選べる……。理想的なOne Sonyが具現化されていると感じます。

「ハイエンドスマホのカメラかくあるべき」をクリアしつつ、突き抜けた個性

 ハイエンドスマホのカメラで最も重要視されるのが夜景が綺麗に撮れるかどうかです。Photo ProのHDRオートにてマルチショットを駆使した今風の夜景処理が取り入れられており、ここをしっかりクリア。

 ハイエンドスマホとしてやるべきことをやった上で、マニュアル撮影やRAWによって真価も引き出せる。死角がありません。

 何も考えずに万人が扱える標準的なスマホカメラがiPhoneとGalaxy、スマホで可能な限界を突き詰める夜景と望遠ならHuawei, OPPO, Xiaomiといった中華勢。そして専用機のカメラや写真撮影が好きな人はXperia。こういう図式がさらに強化されてきたと感じます。

 かつてカメラ評価の権威だったDxOMarkは「スマホで可能な限界を突き詰める」技術部分にスコアが割り振られすぎているのか、最近のDxOMark上位の機種のカメラは、実際に使ってみると「確かに『スゴイ』けど、『良い画・色』かと言われると、微妙」という乖離も感じるところ。

 以下のツイートの写真比較。AがXperia 1 II、BがHuawei P40 Proです。色再現性ではXperiaが良好な傾向にあります。

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 ハイエンドスマホは10万円前後の価格であり、高級コンデジすら買えてしまうような価格であることもあってか、各メーカーは一般消費者にカメラ性能を訴求しています。

 ハイエンドとしてあるべきカメラ機能は具備しつつ、突き抜けたデジカメ的な個性と画質を獲得。文句なし。ずっとこんなXperiaを待っていました。Huaweiなどにもマニュアル撮影はありますが、UIが微妙。Xperiaならトコトンこだわれます。物理シャッターキーもあるしね。

今後の課題

スマホでRAW編集、推してもいいぐらい

 RAWをどう扱うか?という問題。一応Google Photoで閲覧は可能。クラウドや有線でPCに移して編集もできますし、PCで弄るのに耐えるクォリティーなのは素晴らしい。

 ただ、スマホ単体でガッツリ編集するとなると、Lightroom Mobileが必要です。そこをよくわからないユーザーもいるかも、と考えるとちょっともったいない。

 せっかくなので、ここはもういっそLightroom Mobileをプリインストールアプリにして、「広いダイナミックレンジで、後でじっくりどうにでも写真を編集できる!」、そういう楽しみ方をガンガン訴求してもいいぐらいだと思います。

 だって、スマホだけでRAW現像を完結できるって、浪漫と実用性のカタマリじゃん!これだけのRAW撮影をできて、超精細キレイな4K有機ELで即編集できるんだから。そこは自信を持って、もっとやっちゃえ!と思いますね。

 ただしオートでサクッと撮れるのもスマホの魅力なので、マニュアル撮影や後から編集でキレイな写真が楽しめることを、決してオートの改善の言い訳にしてはならないとも筆者は考えています。

低照度マルチショットの処理向上

 標準カメラアプリの夜景オート判定のために、標準カメラアプリを立ち上げる必要はもうありません。Photo ProでAUTOを選べば、夜景判定でオートHDRが使えるので、今風の写真もバッチリ。良い。

(そりゃ現像には負けますが、パッと撮ってこれは良い。暗めで落ち着いたカメラ的な画でしっかり撮れている。中華ハイエンド機種でも同じくしっかり描写できるが、技術感アピールで明るすぎたり色がイマイチになったりしがち)

 これぐらいの光量のある夜景らしい夜景ならいいのですが、さらに光量が少ない環境では、手ブレによる失敗が起きやすいのです。できるだけ手ブレが起きないようにして欲しいですね。国内メーカーの機種がマルチショット導入に踏み切らない中、SonyがオートHDRを導入したのは本当に素晴らしいことですが、改善の余地はあります。

(Photo Pro AUTOにて夜景判定。露出の異なる複数枚合成処理をしているなら、奥の方にある光は低露出時のものを使い上手いこと合成するとさらに良くなりそう)

標準アプリとの棲み分け

 悩ましいのが、標準アプリとの使い分けです。Photo Proは夜景オートHDRもありますし、料理判定アリ。個人的にスマホカメラに求める重要な点をしっかりクリアしてくれています。基本的には、静止画ではPhoto Proメインでいけてしまうのです!

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(夜景判定だけではなく料理判定も出る Photo Pro AUTOモード)

 とりあえずカメラシャッターキーで即時起動するメインカメラアプリとして、Photo Proを指定しています。

(カメラキー長押し即時起動にPhoto Proを割り当て可能)

 ただしPhoto Proは動画撮影には非対応なので、そのために標準アプリを立ち上げる必要あり。

 もちろんCinema Proで録画すべき素晴らしい光景にばかり巡り会えればいいのですが、残念ながらそうでもなく。Photo Proはあくまでプロの使用にも耐える民生機がベースですが、Cinema Proは完全に業務用カメラがベースだけあって、さすがにちょっと日常的な動画撮影アプリとしては使い勝手が違いすぎますからね。

 個人的にはPhoto Proに動画撮影機能も入れ込んでしまい、標準カメラアプリを削除でも良いのではと思ってしまいますが、逆に一般ユーザーはPhoto Proはとっつきにくいでしょうから、なかなか削除は難しいと思います。

 当面は「動画は標準カメラアプリ、それ以外はPhoto Pro」といった具合に運用していこうと思います。

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