
シャープよりAQUOS sense10をお借りしましたのでご紹介します。
AQUOS sense10は、前世代のAQUOS sense9とほぼ同じ高さ149mm、幅73mm、厚み8.9mmのボディ。筐体は公称166g、実測値およそ167gで、iPhone Airと同じぐらいの軽さが魅力です。

AQUOS sense10 実測 およそ166g

iPhone Air 実測 およそ166g
お借りした緑色、和のテイストをほのかに感じて可愛いです。おサイフケータイ(FeliCa)はもちろん対応で、FeliCaロゴ表記を省略しています。

ディスプレイは約6.1インチ、フルHD+(2340×1080)のPro IGZO OLED。全白1500nit・HDRピーク2000nitというスペックで、ミドルレンジとしてはかなり明るいパネルを搭載しており、屋外直射日光下での視認性も良好です。
SoCはSnapdragon 7s Gen 3。従来のAQUOS sense9が搭載していたSnapdragon 7s Gen 2と比べ、CPUが約20%、GPUが約40%、AI性能が約30%向上したと謳います。実行メモリはLPDDR4X、ストレージはUFS2.2の構成。実機でのAnTuTu v11スコアは、おおよそ92万点でした。従来から大きくスコアを伸ばしています。
ミドルレンジとしてはかなり余裕のある数値で、SNS、ブラウザ、動画視聴、カメラといった日常用途はもちろん、重くない3Dゲームなら快適にこなせるレベルで、「最大パフォーマンスを出して途中から一気に熱ダレ・サーマルスロットリングでカクつく」というタイプではなく、ほどほどの熱を持ちながら持続可能なタイプです。Xのスクロールも120Hz駆動でもミッドレンジ機としてはかなり軽快です。
- AnTuTu v11.0.5: 92万0155点
- 3DMark Wild Life Unlimited Stress Test: Best 4190, lowest 4150, 99%
- PCMark Work 3.0 performance: 13833
- Geekbench 6.5.0 CPU: Single 1159, Multi 3236
- Geekbench 6.5.0 GPU(OpenCL): 3317
アウトカメラは広角と超広角の二眼構成。どちらも約5030万画素で、広角側には上位機AQUOS R10と同じ1/1.55インチセンサー、光学式手ぶれ補正付きレンズを採用します。


いい感じに撮れました。空が綺麗に撮れると景色を撮る気分もアガります。

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飯撮りはこってりしてますが良い感じでしょうか。

影がじゃまになる場合、一直線に並んだアイコンの中から、消しゴムアイコンを選択してみて下さい。きれいに消せます。

個人的には離れて2倍で撮るべきだと思うので、あまり使わない機能ではあるものの、ライティングの関係上やむを得ない場合に重宝します。

また、今回から新搭載のガラス映り込み低減「ショーケース」機能。同じく一直線のアイコンの中から、鏡アイコンを押すと発動します。使ってみるとガラスがないかのように撮れて、案外気合の入った出来栄えだったので、ぜひ活用したい機能です。もしかすると、水族館とかでも効果を発揮してくれるかも。


定番の東京駅も撮っていきます。


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全体を通じて思ったのが、まだチューニング中なのか広角も超広角も精細感には欠ける場面が多かったです。2倍画角はピクセルビニング解除・リモザイクによるクロップズームなので、その手前よりは相対的には良いのですが、絶対的にはいまひとつ。
1倍でSNSに上げる程度であれば、もはやハイエンド並の写りの場面も多く、露出の異なる複数枚合成処理が最大限働いているものの、RAW複数枚合成処理で得られるであろうディテールについてはまだ未完成という印象だったので、発売日を迎え、これからのアップデートでの進化の余地のある部分かと思います。ちなみにいつも取材させてもらっている中で、AQUOS Rシリーズで「カメラの悪いAQUOS」を払拭した時期の方が、今回はAQUOS sense10のカメラ画質を上げるべく担当を移っているので、今後のソフト更新に期待したい点です。
それはそれとして、光学的には不利な超広角も、夜景でも同様にパッと見は凄いのが面白いです。

OSは最新のAndroid 16を搭載し、発売日から最大3回のOSアップデートと5年間のセキュリティアップデートを公約します。
ちなみに日本人の端末利用は、内閣府消費動向調査では平均約4.5年程度。なお2019年調査によれば、高齢者が5〜6年使って平均値を引き上げていた一方、若年・現役世代の多くは 2〜3年周期でした。おそらく「OSの新機能もちょっと気になる現役世代は3年間」、そして「セキュリティだけあればとりあえず大丈夫な高齢者は5年」で、この辺のサポート期間も大体ぴったり国民機かもしれないですね。
UIは素のAndroidに割と近い見た目を保ちつつ、独自機能あり。画面端長押しでスクリーンショットが撮れる「Clip Now」、指紋センサー長押しで決済アプリなどを即起動できる「Payトリガー」など。オートスクロールは、非常にゆっくりしたスクロールを行うと発動し、自動でスクロールしてくれます。通勤電車で吊り革に掴まった時や料理をする時に役立ちます。ジムでも使えてありがたい機能です。
通話に関しては、この機種の目玉機能ともいえるAIノイズリダクション「Vocalist」を新搭載。自分の周りの騒音だけでなく、相手側の環境ノイズもAIがリアルタイムに抑えてくれるほか、自分の声だけを相手に届けるモードも用意されます。音声通話をよく使う人にはかなりうれしい進化です。「Discordの通話はたまにするけど、流石に防音マイクmutalkを常に持ち歩くわけにはいかないから助かる」という人もいるはず。
筐体はIPX5/IPX8の防水とIP6Xの防塵に対応し、MIL-STD-810G/H準拠の耐衝撃や耐振動、温度耐久など16項目のタフネステストをクリア。泡ハンドソープで洗浄やアルコール除菌シートで拭き取り対応など、ある程度雑に扱えるのも魅力です。
スピーカーはsenseシリーズ初となる上下のデュアルBOXスピーカー構成で、標準的なステレオだけでなく、低音域の音圧が約1.85倍、体感音量が約1.25倍になったとされています。動画視聴やスピーカーホン通話の聞き取りやすさが向上しているほか、シャワー浴中でもかなり大音量で聞き取れました。
肝心のスピーカー品質は、確かに低音の量感が増してサラウンド感も良くなっているので、確実に改善はしておりAQUOS senseユーザーにとって嬉しい点ですが、決して良い音ではないので、過度な期待は禁物です。製品特性として最も重要な聞き取りやすさが向上しているという点で十分だとは思います。
タップ時のフィードバックは、senseといえども気にならないレベルまでなんとか抑えてきました。今さら開発ガイドライン非推奨の旧来型の偏心回転質量式バイブ搭載の機種は流石に使う上で苦痛を覚えますからね。sense10は少なくとも立ち上がりは素早く、一瞬だけ弱くフィードバックが来るので、文字入力や日常利用中に気分が削がれることは防いでいます。
USB Type-C端子はUSB3.2 Gen1+DisplayPort Alt Mode対応。愛用のXREAL One Proも使えたのが良かったです。DP Altを廉価機で削ってしまうメーカーも多い中、英断だと思います。

AQUOS sense10は、デザインをあえて大きく変えずに中身をしっかりアップデートした、正統進化型のミドルレンジ国民機です。Snapdragon 7s Gen 3と高駆動IGZO OLED、大型センサーカメラ、5年セキュリティ+最大3回OSアップデートという長期サポートなど、よくまとまっています。
AQUOS sense10の発売日は2025年11月13日。市場想定価格は、SIMフリー版の6GB/128GBモデルが6万2700円、8GB/256GBモデルが6万9300円前後。国内では公開市場向けSIMフリーモデル(SH-M33)に加え、NTTドコモ(SH-53F)、au、ソフトバンク、楽天モバイル、J:COM、IIJmioやmineoなど多数のMVNOが取り扱います。
| 項目 | AQUOS sense10 |
|---|---|
| OS | Android 16(発売時) |
| SoC | Snapdragon 7s Gen 3 Mobile Platform(オクタコア 2.5+2.4+1.8GHz) |
| メモリ | 6GB / 8GB(LPDDR4X) |
| ストレージ | 128GB / 256GB(UFS2.2) |
| 外部ストレージ | microSDXC(最大2TB) |
| 画面 | 約6.1インチ Pro IGZO OLED/フルHD+(2340×1080)/全白1500nit・ピーク2000nit |
| リフレッシュレート | 1〜240Hz可変駆動(表示最大120Hz) |
| タッチサンプリング | 最大240Hz |
| アウトカメラ | 標準:約5030万画素 1/1.55インチ F1.9 OIS/超広角:約5030万画素 1/2.5インチ F2.2(122度) |
| インカメラ | 約3200万画素 F2.2(80度) |
| 動画撮影 | 最大4K 30fps(OIS+EIS対応)、フルHD 60fps対応 |
| バッテリー | 5000mAh(インテリジェントチャージ対応) |
| 充電 | 有線最大36W(PD対応)、ワイヤレス充電非対応 |
| スピーカー | 上下デュアルBOXステレオスピーカー(ハイレゾ対応) |
| 生体認証 | 顔認証(マスク対応)/指紋認証 |
| 防水防塵・耐久性 | IPX5/IPX8・IP6X、防水・防塵/MIL-STD-810G/H準拠(耐衝撃ほか16項目) |
| おサイフケータイ | FeliCa/おサイフケータイ対応 |
| SIM | nanoSIM+eSIM(デュアルSIM対応) |
| 通信 | 5G Sub6/4G LTE/Wi-Fi 6E(11ax)/Bluetooth 5.2 |
| インターフェース | USB Type-C(USB3.2 Gen1/DisplayPort v1.4対応)、イヤホンジャックなし |
| 寸法・重量 | 149×73×8.9mm/約166g |
| カラー | デニムネイビー/カーキグリーン/ペールピンク/ペールミント/フルブラック/ライトシルバー |





















