Galaxy Z TriFold、ついに正式発表。10インチがポケットに入る「三つ折りスマホ」登場

　Samsungが、2つのヒンジで3枚のディスプレイを折りたたむ新型スマートフォン「Galaxy Z TriFold」を正式発表しました。開くと10インチ級のDynamic AMOLED 2Xディスプレイが現れ、閉じた状態では6.5インチの縦長スマホとして使える、同社初の商用三つ折り端末です。

　韓国では価格359万400ウォン（約38万円）で、発売日は2025年12月12日。その後中国、台湾、シンガポール、UAE、米国などへ順次展開される予定です。

　メインディスプレイは10.0インチ/2160×1584のDynamic AMOLED 2Xで、最大120Hzの可変リフレッシュレートと1600ニトのピーク輝度に対応します。カバー側には6.5インチ/2520×1080のDynamic AMOLED 2Xを搭載し、こちらは最大2600ニトで屋外でも見やすいとしています。

　展開時の厚さは最薄部で約3.9mm、折りたたみ時でも12.9mmに抑えたスリム設計が特徴です。重量は309gで、ヒンジ部にはチタン素材、フレームには高強度の「Advanced Armor Aluminum」、背面にはセラミックガラス繊維強化ポリマーを採用し、IP48相当の防水防塵にも対応します。

　SoCにはカスタム版の「Snapdragon 8 Elite for Galaxy」を採用し、実行メモリは16GB、内蔵ストレージは512GB/1TB構成です。バッテリーは3セル構成の5600mAhで、Galaxyの折りたたみとしては最大容量。45W有線急速充電と15Wワイヤレス充電、さらに他デバイスへ給電できるWireless PowerShareもサポートします。

　カメラは背面が200MP広角+12MP超広角+10MP望遠のトリプル構成で、3倍光学ズームと最大30倍の「Space Zoom」に対応します。カバー側とメイン画面側の両方に10MPのフロントカメラを備え、開いても閉じてもビデオ通話もこなせます。

　ソフトウェア面では、Android 16/One UI 8に「Galaxy AI」を統合し、大画面を活かしたマルチタスク機能が充実しています。最大3つのアプリを縦に並べて同時表示したり、ウインドウサイズを自由に変えて作業したりできます。さらに本機はスマホ単体でデスクトップ環境を構築できる「スタンドアロンSamsung DeX」に初対応し、最大4つのデスクトップワークスペースで各5アプリまで同時に動かせるとしています。

　AI機能としては、写真編集向けの「Generative Edit」や「Sketch to Image」などの生成AI機能に加え、ブラウザの要約・翻訳を行う「Browsing Assist」、画面やカメラ映像を共有しながら質問できる「Gemini Live」などを搭載。

　価格は従来のGalaxy Z Foldシリーズよりも大幅に高価な超ハイエンド機になる見込みです。

　なお、現時点で日本国内での発売についてはアナウンスされていません。

　スマホ、タブレット、簡易PCを1台で済ませたい人向けに振り切った、かなり尖った製品といえそうです。Galaxy Z Foldシリーズの次の一手として、三つ折りという極端なフォームファクターが市場にどう受け止められるのか、今後の展開が注目されます。