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Gemini Nano V3対応!MediaTek「Dimensity 8550」発表されるも安いチップだけでは安いスマホにならない理由

Gemini Nano V3対応!MediaTek「Dimensity 8550」発表されるも安いチップだけでは安いスマホにならない理由

 安価なAIチップでも安いスマホにはならない。

 MediaTekがスマホ向けSoC「Dimensity 8550」を発表しました。NPU 880にLLM Booster(大規模言語モデルの処理を底上げする機能)を組み合わせ、Googleの端末内で動くAI「Gemini Nano V3」に対応します。これにより、GoogleのAI機能群「Gemini Intelligence」に必要な土台の一部を、手の届きやすいフラッグシップ寄りのAndroidスマホにも広げられる可能性が出てきた、と9to5Googleなどが伝えています。

 スペックを見ると、4nmプロセスとされ、CPUはCortex-A725のみで構成され、1基が最大3.4GHz、3基が最大3.2GHz、4基が最大2.2GHzで動く全大コア構成です。GPUはMali-G720 MC8を搭載します。

 ただ、前世代のDimensity 8500から大きく変わったのは、CPUやGPUの骨格というより、LLM BoosterとGemini Nano V3対応を含むAI周りの位置づけです。NPU 880自体はDimensity 8500にも載っているため、今回の主役はNPUそのものの刷新というより、GoogleのオンデバイスAIへの対応を前面に出した点と見るのが自然でしょう。

 ここで引っかかるのが、Gemini Intelligenceに乗るための条件です。Googleが示す要件は、12GB以上の実行メモリ、端末上のNanoモデルAI、認定SoC、一定の品質基準などです。9to5Googleの整理では、5回以上のOSアップグレードや6年間のセキュリティ更新も条件に含まれるとされています。つまり、平たく言えば安いチップを積んだだけでは足りません。8GBの端末は少なくとも現時点の要件では厳しく、12GBを積めるとなれば、価格はミドルレンジの上限あたりまで押し上げられがちです。

 一方、競合のQualcommも黙ってはいません。Snapdragon 7 Gen 4は、前世代比でAI性能を65%引き上げたHexagon NPUを掲げ、オンデバイスAIを狙う構えです。なお、Dimensity 8550系を積んだ端末も中国ではすでに登場しており、HONOR 600 ProはDimensity 8550 Elite、OPPO Reno16はDimensity 8550 Superを採用しています。

 ただ、AIチップが安く手に入るようになっても、メーカーが価格を抑えるために素材を安っぽくしたり、カメラを一段落としたりすれば、結局は中途半端な一台が出来上がります。チップが整っても、最後に問われるのはメーカーの引き算のセンスなのかもしれません。

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