
涙ぐましい努力。
謎のアプリ「Toastmas」が、米App Store無料アプリ総合ランキング1位に躍り出ました。

表向きはライフスタイルカテゴリ、アプリ説明は「複数のイベントを掛け持ちするMC(司会者)のためのワークスペースアプリ」をうたっていますが、中身はロシアの大手銀行T-Bank(旧Tinkoff Bank)のiOS向けクライアントアプリとみられます。ロシア媒体Hi-Tech Mailなどが確認しています。
T-Bankは米国の制裁対象です。米財務省OFACは2023年7月、同行(当時のJSC Tinkoff Bank)をSDNリスト(取引禁止や資産凍結の対象となる特別指定国民リスト)に追加しています。
背景はロシアによるウクライナ侵略戦争があります。このため、この銀行にはEUも制裁を加えているほか、英国では資産凍結対象となっています。
AppleInsider.ruは、Toastmasを実際に入れてT-Bank口座にログインできた、完全な銀行クライアントだと確認。
さらに銀行自身がTelegramで正式に告知しており、公式アプリである可能性が極めて高いものとなっています。

実はこの手口、今月これで2件目とみられます。
6月5日には、ポモドーロタイマー(作業と休憩を区切る時間管理術)を装ったアプリ「Сириус(シリウス)」が米国のiPhone向け無料ランキング3位まで浮上していました。
こちらのシリウスの正体は、ロシア政府が多数株を保有するVTB銀行のクライアントアプリとみられます。アプリがロシア語のみ対応だったことが大きな手がかりとなり、公開後2時間ほどで削除されています。
世界からの制裁を回避して銀行サービスを提供するための苦肉の策だと考えられます。それをロシア人が一斉に落とせば、確かにランキング上位になるのかも……。ちょっとびっくりです。
このT-Bankのアプリは現在、App Storeから削除されています。











