
Appleが2025年9月に発売した「iPhone Air」を、発売直後から長らくメイン端末として使い続けてきました。
筆者はこれまで、iPhone 14までのiPhoneを「明確に使いにくい」と感じてきた人間です。そんな筆者が、iPhone Airで初めて「iPhoneがめっちゃ好き!」と言えるようになりました。
一方で、長期使用で見えてきた弱点により、現在はiPhone 17 Proへの移行を検討している段階でもあります。本稿では、惚れ込んだ点と限界を感じた点の両方を、実使用に基づいて率直にお伝えします。
奇跡の薄さがもたらす「所有する喜び」

iPhoneを使ってる時の悩みとして、「手に馴染まないのでサブ端末、サブサブ端末になる」という点がありました。OSにも原因はありますが、フォームファクタ・デザインが大きな要因です。個人的にはあまり刺さらない外見で、Androidの方がかっこいいと思うことが多いです。
ところが、iPhone Airはなんといっても薄さ5.6mm、軽さ165gのチタニウムボディ。数値以上に体感が強烈で、今でも手に取るたびに惚れ惚れします。かっこいいから眺めてよし、持ってよし。お得です。
従来のiPhoneは触っていて楽しいと感じたことはAndroidと比べれば少なく、しょっちゅう充電を忘れていたのですが、iPhone Airにしてからは「触っていて楽しいから充電を忘れない」という、自分にとって稀有なiPhoneとなりました。
薄さは携帯性にも直結します。筆者はマイナカード・クレジットカードなどが入る、小銭のほぼ入らない薄型カード入れを財布として使っています。これとiPhone Airをズボンの同じポケットにふたつ突っ込んでも大丈夫。ポケットを節約できるので、持ち歩けるスマホの台数も増やせます。
実用性

過去にもハイエンド薄型軽量Android端末はありましたが、どれも「発熱でハイエンドらしい性能をほとんど引き出せない(AQUOS zero2)」「発熱は抑えられたがリフレッシュレートやデザインに難あり(arrows 5G)」「そもそもミッドハイどまり(Xiaomi Mi 11 Lite 5Gやモトローラなど)」といった課題を抱えていました。
ところが、iPhone Airは(さすがに長時間ピーク性能維持は無理でも)しっかり高リフレッシュレートで高性能。ここが過去の類似機種とは異なり、魅力的に映る点です。単眼カメラで重量を削ぎ落とし、側面フレームに軽くて堅牢なチタン素材で剛性を確保し、圧倒的な耐久性を実現。筐体に宿った物語まで美しいです。
6.5インチの大画面も、薄型端末としては十分な迫力です。そもそもiOSのアプリやコンテンツは大画面前提で設計されているため、「やたら小さい画面のmini」などと違って、実用性の問題は生じないのもいいですね。
音響面はステレオスピーカーではなくモノラルスピーカーなのが残念。ハイエンドiPhoneに期待される高音質ではありませんが、動画を適当に流しておくには全然使えます。防水防塵なのでシャワー中にも使えますね。
また、DACとiPhoneを同時に運用する際に、背面にDACをつけた状態でも胸ポケットに入れやすいのも良かったです。

iOSへの積年の不満が緩和

前述のiPhoneが肌に合わない理由のひとつがiOSです。ホーム画面の使いにくさ、カメラ即時起動のしにくさ、設定UIのおかしさ、インターネット共有(テザリング)の出来の悪さ、文字入力・日本語入力周りのダメさ、挙げ始めたらキリがありません。
ただ、iPhone 15世代、iOS 15以降はホーム画面が改善され、iPhone 15 Pro/Maxではカメラ即時起動がAndroidのように物理ボタンで可能となり、Androidユーザーが致命的だと感じる欠点が解消。
そしてiPhone Airにあわせて登場したリキッドグラスも(完成度はまだ甘い部分もありますが)かっこよくて、使っていて気持ちいい。iOSが「どちらかというと嫌い寄り」から「どちらかというと好き寄り」になってきたと思います。
iPhoneの長年の弱点が着実に解消されてきたからこそ、iPhone Airをより一層好きになれたというのはあると思います。
日常使いの完成度:決済・カメラコントロール・Dynamic Island
決済周りの出来の良さはさすがAppleで、端末乗り換え時の引き継ぎもまあまあ楽。かざす時もiPhone Proよりも薄型軽量のAirの方がなんだか楽しいです。
側面のカメラコントロールによるカメラ即時起動も便利で、撮りたい瞬間を逃しません。ただ、ひとつのボタンに機能・操作を詰め込みすぎな点なのは使いにくいですね。単にカメラを起動するだけ、ぐらいに割り切っていれば不満は少ないです。
カメラ:単眼48MPは物足りないが、画質はそれなりに良い
iPhone Airのカメラは48MP Fusionカメラの単眼構成です。広角カメラの品質は基本的には意外と良好で、2倍程度もそこそこは画質は確保できます。景色や飯撮り程度なら不満は少ないです。


一方で、逆光や強い光源が入る場面でのゴーストは酷いものがあります。これはiPhone Air固有というよりiPhone全般の持病ですが、光源のある夜景などでは覚悟が必要です。超広角や望遠が省かれている点も不便で物足りません。
ただ、「望遠がないならお前が近づけ、広角がないならお前が離れろ」と思ってしまうぐらいにはiPhone Airの割り切った「単眼で薄型軽量」コンセプトは好きなので、これでいいと思います。
最大の弱点:映像外部出力非対応とUSB周りの制約
筆者の使い方で最も痛かったのが、画面の外部出力に非対応である点です。XREALのようなグラスをUSB-C直結で使うことができず、グラス端末ユーザーとしては致命的です。薄型ボディの代償とはいえ、ここは明確なマイナスポイントです。
USB DAC周りにも癖があります。iBasso DC-Eliteは発売当初動作が怪しかったものの、その後のアップデートを経てか現在はなんとか動作しています。
一方でCayin Nunchakuは、筆者の環境では発売時点から現在に至るまで一度も単体動作せず、別途電源供給が必要でした。

筆者はバッテリー内蔵のUSBハブ的アクセサリを追加購入して凌いでいます。主にDC-Eliteを使うことで解決しています。
バッテリー:普通に使えば持つが、ヘビーな常時接続運用では限界
バッテリーは、一般的な使い方であれば1日持ちます。電力効率に優れたA19 Pro、Apple自社設計の無線チップN1、モデムC1Xの組み合わせは伊達ではありません。
問題は筆者の運用です。MacBookへインターネット共有(テザリング)で常時ぶら下げつつ、スマートグラス経由でAIエージェントと繋ぎっぱなしにするという使い方では、電池消費がかなりエグいことになります。モバイルバッテリーを忍ばせておき、家に帰ったらすぐMagSafe充電器にくっつける、というのがデフォになりました。まあ便利なMagSafe充電の存在は今のところAndroidに対する明確な優位性ではありますよね。
MagSafeに貼り付くタイプのモバイルバッテリーで凌いできましたが、せっかくの薄型ボディにバッテリーを常時貼り付けるのはちょっと本末転倒かな……という気もしています。カバン無しで出かける日は、ポケットがモバイルバッテリーに持っていかれることになってしまいますしね。

この運用が常態化した結果、筆者は現在、大容量バッテリーを積むiPhone 17 Proへの移行を真剣に検討しているため、一旦データを移行しました。本気で乗り換えられるか運用中です。しばらく経ったらまた結論を出して感想を記事化します。
なお、それほどヘビーには使っていない時には結構電池が持っていたので、多くのライトユーザーはこれで1日1回充電程度で十分使える機種だとも思います。
まとめ:Airを出せるAppleが魅力的

iPhone Airは、スペックシートでは測れない「所有する喜び」を提供してくれる稀有な端末です。筆者を長期間iPhoneに繋ぎ止め、「iPhone大好き」とまで言わせた功績は大きいです。ヘビーな使い方をしない人や、他の機種と組み合わせるには面白いデバイスです。ぜひとも挑戦して欲しいですね。
ただ、ヘビーユーザーには残念ながらProの方が合理的とも思います。
それでも言いたいのは、このラインを絶やさないでほしいということです。このカメラ突起に半導体・処理系・通信系を内蔵する発想と薄型化の技術は、折りたたみスマホやグラスの開発にも生きてくるはずです。mini然り、Air然り「こういう挑戦的な製品を出せるApple」が魅力的だと思うんですよね。
Airやフォルダブル、グラスがないAppleなら、iPhoneともサヨナラかな……と思ってしまいます。Airが素晴らしいだけに、今後のラインナップには否応なく注目せざるを得ません。
やっぱり、滾るようなデザインは大事だと思います。iPhone 17 Proにデータを移したはいいものの、Airに戻そうかと日々悩んでいます。Leitzphoneに加えてInsta360 Luna Ultraが持ち歩き端末に加わったので、「動画撮影にはiPhoneが優秀だしなぁ」というのを尚更あまり考えなくてもよくなったんですよね。また時間が出来たらiPhone Airに戻すかもしれません。











