
Appleは9月10日(日本時間)のライブ配信で、Apple Watch Series 12とApple Watch Ultra 4を発表しました。健康データを測るセンサーを刷新し、運動や休養の判断に役立つ「準備度」を導入。周囲の音を知らせたり、会話の内容を文字で振り返ったりするオーディオインテリジェンスも打ち出しました。
健康機能の土台となるのが、新しいヘルスセンシングシステムです。電極は従来と同じ実装面積の中で表面積を広げ、心電図を記録する際の皮膚との接触を改善。再設計したフォトダイオードを円形に配置して光の感知効率を高め、より大きく電力効率に優れたグリーンLEDを組み合わせています。動いている時も含め、一日を通じて高精度に心拍数を測定できるといいます。

測定した情報の見せ方も変わります。バイタルは夜間に加えて日中の状態も表示し、夜の測定値に表れる前の変化に気づきやすくするといいます。睡眠中の記録を翌朝見るだけでなく、活動している時間帯にも自分の状態を把握するための更新です。
新機能のReadiness(準備度)は、最近のアクティビティ、バイタル値、睡眠を分析して一つのスコアにまとめます。状態は「休養」「無理せずに」「準備完了」「絶好調」のいずれかで示し、トレーニングで追い込む時と、活動を抑える時の判断を支援。レースに向けて練習する人だけでなく、忙しい一週間を過ごす人の利用も想定しています。Apple WatchまたはiPhoneのフィットネスアプリで確認できます。

さらに、iPhoneのヘルスケアアプリでは、Apple Intelligenceを活用した要約や個人に合った助言を提供します。新しいインサイトタブで睡眠関連の情報や最大酸素摂取量の新記録を見たり、準備度や心臓の健康など、特定の話題を掘り下げたりできます。Watchで測った情報を、iPhone側で読み解く機能という位置づけです。新しいヘルスケアアプリは年内に米国英語から提供し、その後ほかの言語を追加するとしています。

長期的な健康状態を把握するためのヘルス年齢(Health Age)も導入。最大酸素摂取量や睡眠などの測定値をもとに、健康に関する指標と実年齢の関係を示す機能です。日々の運動強度を考える準備度に加え、生活習慣を長い目で振り返る情報も提供するそうです。
もう一つの柱が、iPhone上のApple Intelligenceと組み合わせるオーディオインテリジェンスです。用途は音楽だけにとどまらず、周囲の状況を知ることや、聞き逃した会話を追うことにあります。
まずSeries 12とUltra 4の「音認識」は、サイレン、アラーム、ドアベル、赤ちゃんの泣き声などを検知し、Watchに通知します。オンデバイスAIを使い、iPhoneが手元になくても動作するとのこと。配信ではドアベルを検知した通知画面を示し、特に聴覚に障がいのある人が周囲の状況を把握するうえでの意義を説明しました。

会話を振り返るLive Rewind(ライブ早戻し)は、15秒さかのぼって少し前の言葉を文字起こしする機能です。Digital Crownを2回押す操作で利用でき、飲食店のデモでは、店員が次々に挙げた料理名をWatchの画面で読み返す様子を紹介。文字起こしの内容をSiriに質問することもでき、おすすめされた本の名前や、同僚のアイデアを聞き取れなかった時にも役立てるとしています。

これに対し、Siri Recapはミーティングや保護者会などの会話を大まかにメモする機能です。Apple Intelligenceが会話のタイトル、概要、要点を生成し、メモはSiriアプリで確認できます。直前の言葉を確かめるライブ早戻しと、会話の要点を残すSiri Recapで用途を分けています。両機能にはSiri AIが必要で、年内に英語のベータ版から始め、その後ほかの言語を追加する予定です。
メモを取るか、いつ取るかはユーザーが管理できます。仕事中だけオンにするなどのスケジュール設定に加え、コントロールセンターで切り替えられます。Appleいわく、生の音声は録音・保存せず、Appleを含めアクセスできません。話者も特定せず、文字起こしとSiri RecapのiCloud同期にはエンドツーエンド暗号化を使います。
これらを支えるのが新しいS11チップです。電力効率に優れた常時稼働プロセッサと、処理のための生音声を安全に管理する専用オーディオバッファを備えます。CPU、GPU、Neural EngineはA20 Proから派生しており、Appleは自社で最もパワフルなウェアラブルチップと説明しています。
Series 12は外装の選択肢も広げました。アルミニウムはスペースグレイ、ブラック、ライトゴールド、新色ダークブロンズ。チタニウムは鏡面仕上げのラディアントゴールドとナチュラルです。さらにセラミック製ケースを用意し、パールホワイトとナイトブルーから選べます。

アルミニウムケースモデルの前面にはCeramic Shield 2を採用。同社は、以前のIon-Xガラスよりも60%頑丈だとしています。バッテリー駆動時間は24時間。
スポーツ向けのUltra 4は、より大きなバッテリーとS11の電力効率により、駆動時間が2日以上になったと説明。ワークアウト記録では、GPSと心拍数測定をフル稼働させて最大18時間。新しい「長時間のワークアウト(最大)」モードでは最大45時間とし、100マイルのレースを利用例に挙げました。本体はブラックチタニウムとナチュラルチタニウムを用意します。












