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ACEMAGIC F5Aレビュー。メモリ暴騰の時代に「全部入りで10万円切り」、OCuLinkでAIサーバー化も捗るミニPC

ACEMAGIC F5Aレビュー。メモリ暴騰の時代に「全部入りで10万円切り」、OCuLinkでAIサーバー化も捗るミニPC

 DDR5メモリの価格が信じられない勢いで高騰しています。筆者が半年前に5.5万円で「少し値上がりして高いな」と思いながら買ったDDR5 64GBメモリを先日ふと確認したところ、同じ商品が10.8万円になっていて腰が抜けました。そんな時代に、メモリもSSDもOSも全部入りで10万円を切るミニPCがあると聞けば、気にならないわけがありません。

 というわけで今回は、ACEMAGICのミニPC「F5A」(Ryzen 7 H255版)をレビューします。ただ安いだけでなく、外付けGPUを直結できる「OCuLink」ポートを備えているのが本機の見どころ。筆者は実際にRTX 3090を繋いで自宅AIサーバーとして運用してみたので、その使用感も含めてお届けします。

外観・インターフェース

 デザインはかなりかっこいい部類だと思います。グレーの筐体に、天板上部はメッシュ構造。その下からスリムなシロッコファンが覗き、本体背面のヒートシンクから吸排気して冷却する仕組みのようです。

 ただし難点もあります。最大の難点は、指紋がものすごく付きやすいこと。メッシュ部分はまだ許容範囲なのですが、天板下部のCPUステッカーが貼られたピアノブラック調の部分が曲者で、一度付いたら取れないのではと思うレベル。拭いても拭き跡が残ります。普段頻繁に触る場所ではないので実害は少ないものの、几帳面な人は気になるかもしれません。あとはカスタマーサポートへのLINEのQRコードがダサいのが難点でしょうか。

 インターフェースを確認しておきましょう。前面には電源ボタン、イヤホンジャック、USB Type-A×2、そしてUSB4ポート。前面にフル機能のUSB4があるのは地味に便利です。マイク穴も開いており、本体にマイクが内蔵されているようです。爪楊枝などで押すタイプのリセットボタンもあります。

 背面はDCジャック、USB4、2.5G LAN×2、HDMI、DisplayPort、USB Type-A×2という構成。そして左側面に、本機の目玉であるOCuLinkポートがあります。「電源を切ってから抜き差しするように」と注意書きがある通り、ホットスワップには対応していません。

 モバイル向けCPUを採用しているだけあって、ACアダプターは比較的小型。スマホより小型で持ちやすく、取り回しやすいレベルです。

スペック

 搭載CPUはAMDの「Ryzen 7 H 255」。聞き慣れない型番ですが、Zen 4アーキテクチャの8コア16スレッドで、実質的にはRyzen 7 8745HSのリネームに当たるモデルです。中身が最新世代とは言えないのは事実なものの、ノートPC向けの設計ゆえ消費電力と発熱が抑えられており、ミニPCとの相性は良好。GPUはRadeon 780Mを内蔵します。

 メモリは24GBのLPDDR5で、速度は6400MT/s。オンボード実装のため増設はできませんが、調べてみたところ、スロットで抜き差しできる一般的なDDR5メモリより帯域面ではやや有利なようです。オンボードDDR5と書いているのに、製品紹介画像が明らかに着脱可能なメモリなのはご愛嬌。

 ストレージは1TBのPCIe 4.0 SSD。ほかにWi-Fi 6E、2.5G LAN×2を備え、OSはWindows 11 Proという構成です。

 本体底面のゴム足を外してネジを外すと、内部にアクセスできます。メモリがオンボードになっているため、ここにアクセスする目的はSSD換装増設程度。ちなみに、地味な長所として最大3枚のPCIe Gen 4 SSDを装着可能。高速なやり取りの必要なデータの置き場としても活躍できます。

 24GBという容量は少し中途半端に感じるかもしれません。しかし冒頭で触れた通り、いまDDR5メモリの32GBキットは5万〜7万円という相場です。24GBという中途半端な容量は需要も供給もなく高めな設定なのでここから適当に8掛けするとして、1TBのSSDだけでも3万円近くすることを考えると、メモリとSSDだけでたぶん6~8万円、本機の販売価格の半分以上に相当する計算になります。

 そこにメインボード、CPU、電源、Wi-Fiまで揃って10万円切り。この時代のコストパフォーマンスとしては素直に素晴らしいと思います。……こう考えると、本当に自作PC冬の時代ですね。自作をする意味がとことんありません。大量購入はやはり正義です。

使ってみて

 レビュー期間中はUbuntuを入れて運用していましたが、安定性はまったく問題ありませんでした。他メーカーのミニPCではUbuntuを入れるとドライバーが噛み合わず、ファンが回らないといったトラブルに遭遇したこともあるのですが、本機ではそういったことも起きず、しっかり作られている印象です。

 PCIe 4.0のSSDのおかげで起動もファイル転送もストレスなし。またモバイル向けCPUを採用しているからか、動作音も熱も控えめ。

OCuLinkでRTX 3090を繋いでみた

 さて本題のOCuLinkです。専用のeGPUドックと接続することで、USB4やThunderbolt経由よりも高速に、内部的にはGPUを直結に近い形で増設できます。筆者はeGPUスタンドとCorsairの750W電源を用意し、RTX 3090を載せて運用しました。

配線が汚い…のではなく実利を取ったんです

 この構成、想像以上に快適です。まず電源が独立しているため、本体側の電源容量を一切気にする必要がありません。通常のデスクトップPCを組むと大きなケースと電源が必要になり、ケース内に熱がこもってファンがうるさくなりがちですが、この構成なら低負荷時はGPUのファンも止まり、ミニPC側も静か。セミファンレスの電源を選べば、音をほぼ気にせず自宅にGPUサーバーを置けます。省スペースなのも大きな利点です。

 なお、もともとは小型なSFX電源を内蔵したeGPUボックスを使っていたのですが、低負荷時はおろか電源OFF時でも不快なノイズを鳴らしまくる不良品でした。総額は少し高くなりますが、電源は別々に有名メーカー製のものを買うことをお勧めします。

 ここでスペックを測定して紹介したとて、それはACEMAGIC F5AのレビューではなくRTX 3090のレビューになってしまうので詳細は割愛させていただきます。

 この環境ができてから、ClaudeなどのAIにこのPCを操作させ、いろいろな作業を試してみるのが非常に楽しくなりました。これがRyzen AI Max+ 395とは違うポイントで、LLM以外の学習や推論が非常に高速にこなせます。

 例えばTTS(音声合成)では、これまで2〜3秒かかっていた処理が、10秒以上の音声でも1.2秒で生成完了。LLMや画像生成、音声合成まで一通り動かせる、理想の環境を比較的ローコスト(?)で実現できます。

 注意点として、本体のACアダプターは最大120W、GPU側はシステム上最大350Wほど消費します。同じコンセントに他の家電をぶら下げている場合、1つの壁コンセントからとれる容量、あるいは部屋ごとの容量を超えないように注意しましょう。

気になった点

 不満はいずれも細かいものです。まず内部アクセスは、底面のゴム足4つを剥がすとネジが現れる方式。一度粘着テープを剥がすことになるため、SSD増設などで何度も開けているといずれ粘着力がダメになりそうで、正直この形式はあまり好きではありません。

 OCuLinkポートの位置も、筆者の環境では少し使いづらく感じました。もっともOCuLinkケーブルは超高速通信ゆえに太くて取り回しが悪く、どこにポートがあっても多少は苦労するはず。PC側というよりケーブル側の問題ですね。気になる場合はL字型ケーブルを別途用意するのもありだと思います。

 もうひとつは電源ボタンの質感。押し込んだ感覚はあるものの、跳ね返りの音や感触があまり良くありません。これは以前レビューしたACEMAGIC M1Aにも共通する弱点です。ぶっちゃけ筆者の使い方なら電源ボタンを押す機会自体が少ないので実害はほぼないのですが、細部の詰めとして惜しい部分です。

まとめ

 ACEMAGIC F5Aは、メモリ・SSD・OSまで全部入りで10万円を切る価格と、OCuLinkによる拡張性を両立したミニPCです。パーツ価格が高騰しきった今、「ある程度安くてまともなスペックのPCが欲しい」という人にはお勧めできます。

 そのうえ、OculinkやNVMe SSDの増設など、オンボードメモリ以外の拡張性も魅力的。

 10万円を切る本体に加えてeGPUボックス+電源(合わせて2万後半ほど)、そしてGPUを用意すれば、強力なGPUを搭載したおうちサーバーができるというわけです。なお、GPUのお値段は考えないこととする。

 ここまで安くてOculinkに対応して拡張性のあるPCはかなり限られてきますが、F5Aはその中でも比較的お安め。オフィス用途はもちろん、筆者のようにAI学習・推論用の常時稼働PCとしてもおすすめです。

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