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「MacBook Neo」レビュー。色も筐体も最高、自分には合わなかった

 Appleが599ドルという低価格に踏み込んだノートPC「MacBook Neo」。気になって筆者が自費で購入したので、しばらく使い込んだうえでレビューします。

 結論を先に言えば、筐体の色は文句なしに気に入っています。ただしスペックがこの製品の評価をわけます。

色は文句なしに良い

 まず手にして印象的なのは、色展開です。カラーはシルバー、ブラッシュ、シトラス、インディゴの4色が用意されていますが、筆者が選んだのはシトラス。毎日テンションが上がるぐらい良いです!

「MacBook Neo」レビュー。色も筐体も最高、自分には合わなかった

 金属筐体、柑橘類のような色合い、キーボードは白に見せかけて外装に寄せた絶妙な色合い。あまり見ない部分の細かい調色までこだわっているPCメーカーといえば、日本のVAIOなんですけど、そういう息吹を感じますね。

底部ゴム足や端子内部もしっかりカラーリングされている

「普通のMac」であることの強さ

 やはり特筆すべきは、これが他のどのMacともそれほどは変わらない、普通のMacであるという点です。アルミ製の筐体、片手で開けるヒンジ、明るいディスプレイと、大体の人は「いつものMacそのものだ!」と思うんじゃないでしょうか。

 筆者はどうしてもベゼルの太さが目についてしまい、画面がより小さく感じられます。

 ただ冷静になって、10万円ほどの同じ価格帯のWindows機と比べてみると、率直にMacBook Neoの方が満足度高いんじゃない?とも思います。

 ちなみに前述のVAIOは小規模メーカーで頑張ってる分、価格は安くはないんですけど、MacBook Neoは(ちょっと厳しめの下限構成なら)10万円切りだったのが凄まじいですよね。まあ価格改定で上がっちゃいましたけど……。

打鍵感は良好、バックライトはなし

 重量は1.23kgで、サイズは高さ1.27cm、幅29.75cm、奥行20.64cm。とにかく軽く、取り回しが良いのが美点です。屋外でもさっと取り出して使い、さっとしまえる。この身軽さは日常的に持ち歩く道具として好きな部分です。もちろん日系メーカーのWindows機などにはもっと軽い機種もあるんですが、米国メーカーの製品として、MacBookとしては本機は軽いです。

 キーボードの打鍵感も実は面白くて、MacBook Proとは若干テイストが異なり、より弾力があり、キーストロークは深め。わずかな差ですが個人的には気に入りました。それでいて打鍵音もわりと静か。基本的な入力インターフェイスが、コストダウンしながらもしっかりしているのは高く評価できます。

 一方でキーボードバックライトが省かれているのは惜しい点です。暗い場所でも使いたいので欲しかったところですが、まあ些細な問題です。夜は寝ろってことですね。Appleの優しさです。

 本機はファンレス設計で、とにかく無音なのも美点です。冷却ファンの音が一切しないので、静かな部屋でも喫茶店でも気を遣わずに開けます。前述の打鍵音の静かさと合わせて、周囲に音を出さない一台としてはかなり優秀です。もちろん重い処理を続ければ発熱で性能は抑えられていきますが、そもそも本機で重量級の作業を続ける想定でなければ、静粛性のメリットのほうが大きいと感じます。

 トラックパッドは、上位モデルの感圧式から物理クリック式に変更されています。固定式の擬似的なフィードバックよりも、筆者は本機の物理クリックのほうが好みです。固定式のほうが壊れにくいという利点はあるので、上位モデルは固定式、下位の本機は物理式という棲み分けは妥当な判断だと感じます。

端子は左集中、ディスプレイは価格なり

 インターフェースはUSB-Cが2つで、片方がUSB 3規格(最大10Gb/s、DisplayPort対応)、もう片方がUSB 2規格(最大480Mb/s)。加えて3.5mmヘッドフォンジャックを備えます。

 これはコストの面から仕方ないのですが、USB端子が左側に集中しているのは使いにくいです。MacBook Proは両側に端子があって取り回しが良いです。Neoを買うならUSBケーブルの長さに余裕があるかもチェックしておきましょう。

 最近は無線マイクを繋いで音声入力したりてたんですが、DJI Micを繋ぐと隣の端子まで塞いじゃったりして、インターフェイスの面での不満もありました。

 なお外部ディスプレイは4K/60Hzが1台まで。デュアルモニタ環境を組みたい人は、この時点で選択肢から外れます。そういうヘビーな用途を求めない人向けのモデルってことです。

 ディスプレイは13.0インチのLiquid Retina(IPS方式)で、解像度は2408×1506、219ppi。十分見えますが、MacBook Proと見比べると、やや色褪せたように見えるなど、ディスプレイ品質は当然ながら上位モデルに軍配が上がります。

 最大500ニトで輝度はわりと頑張ってるのですが、屋外等では、思ったより見やすいと感じないのは、反射と映り込みは多めだからでしょうね。

 ただ、ノートPCってそんなに屋外で使う人ばかりでもないでしょう。色域はsRGBカバー率が約98%。この機体を手に取る多くの一般人にとって、日常用途で不足を感じる場面は少ないと思います。

8GBが足を引っ張る

 チップは、なんとiPhone 16 Proにも搭載されたApple A18 Proです。6コアCPU(高性能2+高効率4)、5コアGPU、16コアNeural Engineという構成で、メモリ帯域は60GB/s。シングルコア性能は非常に優秀で、多くの人にとっては軽い作業なら不満は少ないかもしれません。

 ただスマホチップのせいなのか、実行メモリが8GB(換装不可)しかないからなのか、けっこう起動直後や仮想画面の左右切り替えなどでもたつきます。

 一応ユニファイドメモリというのは、Apple SiliconのUMAはCPU・GPU・Neural Engineが同じ物理メモリを参照するため、GPU処理のためにRAMからVRAMへ同じデータを複製する無駄が少ないなど、少なくとも、同等の容量の8GBメモリを搭載したWindows機と比べれば明らかに高効率です。

 メモリが逼迫するとSSDをスワップ(疑似メモリ)として使うことで凌いでいます。買った当初は余裕かなと思っていたのですが、筆者はChromeを入れてタブをあまり閉じずに使いがちで、さらにCodexやAdobeのPhotoshop、Lightroomといったクリエイティブ系アプリなど複数のアプリを使っていると、普段からスワップが頻発し動作に厳しい場面が何度もありました。重くなった末に一度電源が落ち、生体認証情報がリセットされるという事象にも遭遇してしまいました。

 ちなみにスワップはSSDの空き領域を使う仕組みなので、下限の256GBモデルはさらに厳しいことになりそうです。指紋認証の有無を考えても512GBモデルの方がおすすめです。

バッテリーは十分、充電はやや遅め

 バッテリーは公称でビデオ再生最大16時間、ワイヤレスインターネット最大11時間(36.5Wh)。実際の使い方でも4時間以上は持つので、省電力プロセッサと控えめな電池容量でまとめた一台としては十分だと感じます。充電速度はやや遅めで、30分でおよそ15%程度。

 なお筆者はスマートグラスのXreal One Proや外部キーボードを繋いで使うことがあるのですが、電池容量が大きくないぶん、こうした機器を接続すると減りは一気に増えます。

日本語入力:ライブ変換の理想と現実

 やっぱり気になるのは文字入力ですよね。スラスラと文字が変換されていく「ライブ変換」のコンセプトはすごく良い。とりあえず文字だけ打てば、あとは文脈を理解したAIが適切な文字変換を行う、というのは間違いなく日本語入力の方向性として先駆的で正しいのではないかと思います。

 ただ、現時点では明らかにそこに技術が追いついていません。しかも使っていくうちにどんどん変換語彙がおかしくなっていくのですよね。日本語入力の拙さは、間違いなくApple製品の大きなマイナスポイントだと言えます。

 なのでGoogle日本語入力をインストールして使っています。旧バージョンを間違えてインストールしたのか当初動かなかったんですが、その後ちゃんと動きました。筆者にとっては日本語入力環境を整えられるかどうかは重要なポイントなので、Google日本語入力が使える時点でとりあえずクリアです。カスタマイズしてスペース左右のキーに日英変換を割り当てるとさらに快適に使えます。

本機が輝くのは「母艦への窓口」として

 ラップトップ単体でXcodeでiOSアプリを作ろうにも8GBではなぁ……といったところですが、ヘビーユーザーが本機を使うなら、自宅のマシンを遠隔で使う用途が面白いです。

 ローカルLLMやオープンソースのAIエージェントを動かしておき、SSHやリモートデスクトップ等の手段で接続すれば、本機の非力さもさほど気にならなくなります。

 たとえば今はCodexやClaudeも遠隔で使えて、セットアップの敷居も下がっていますし、こういう外観重視の廉価MacBookというのは、非常に時代に合っていると思います。

それでも思う、Appleのラインナップの微妙さ

 個人的には前述のいくつかの不満が出たことや、60Hz止まりの画面で作業をするのがやや辛くなってきたので、120Hz駆動のMacBook Pro M5 Maxを導入しました。実行メモリ128GBを積んだので、ローカルLLMでたっぷり遊んでいきます。

 ここで強く不満に思うのがAppleの製品ラインナップですね。Mac Studio M5 Ultraが出ていれば、自宅のAIマシンとしてそれを選んだはずなんですが、出てなかったんですよね※。Mac Studioに実行メモリを多めに積んで、屋外でもっと画面品質の良くて安いMacBookで……という構成をしたかったです。

 また、MacBook Neoが60Hzなのはまあ仕方ないとして、実はMacBook Airも60Hz止まりなので、結局MacBook Proを選ぶ必要が出てきます。メモリ高騰で仕方ない部分もあるとしても、今のMacBookのラインナップ自体がもう少しどうにかならないかな……と思ってしまいました。

※この記事をほぼ書き終えた時点で、M6搭載のMac miniと、M5 Mac Studioが発表されました。M6 Ultraが出てないので仕方ないですが、「ちょっと遅いよ」と感じちゃいますね。

 これもAppleのラインナップの問題ですが、値段を安く見せるためにMacBook Neoの下限モデルが指紋認証なし・256GBストレージという構成なのもいただけないですね。Apple Watch接続で回避できますし、相当割り切ったサブノートなら運用できるとはいえ、ちょっと玄人向けだなと思いました。昔のiPhoneにあった「この下限モデルの容量はキツくて地雷」みたいな感じがしてしまい、この下限モデル自体いるのかなぁ……と少し疑問です。

 チップについても、せめてA19 Proなら実行メモリ12GBでもうちょっと使いやすかったのかなと思いました。実際、MacBook Neoはあまりにも売れすぎて、もういらなくなったA18 Proを再生産する羽目に陥っていると伝えられています。であれば最初からA19 Pro・12GBメモリで出しておけば、利用者体験もAppleのやりくりも良くなったはずです。

まとめ

 画面の仕様や端子の配置、色々気になるので辛い部分がありましたが、総評としては、MacBook Neoは良い製品だと思います。ライトユーザーが気になりにくい部分を徹底的に妥協して低価格を実現した、良い新ラインです。メインではなくサブノートとして、そして購入時に詳しい人が周りにいて支えてくれる一般の人のメインノートの選択肢として、推奨します。

項目 MacBook Neo(13インチ)
発売年 2026年(日本発売 3月)
カラー シルバー/ブラッシュ/シトラス/インディゴ
チップ Apple A18 Pro(6コアCPU:高性能2+高効率4、5コアGPU、16コアNeural Engine、メモリ帯域60GB/s)
実行メモリ 8GB(ユニファイドメモリ、換装不可)
内蔵ストレージ 256GB/512GB SSD
冷却 ファンレス
ディスプレイ 13.0インチ Liquid Retina(IPS)、2408×1506、219ppi、500ニト、10億色、sRGB、60Hz
バッテリー ビデオ再生 最大16時間/ワイヤレスインターネット 最大11時間(36.5Wh)
充電・拡張 USB 3(USB-C)×1(最大10Gb/s、DisplayPort対応)、USB 2(USB-C)×1(最大480Mb/s)、3.5mmヘッドフォンジャック
外部ディスプレイ 4K/60Hz × 1台(内蔵ディスプレイと同時利用可)
カメラ 1080p FaceTime HDカメラ
オーディオ デュアルスピーカー(Dolby Atmos空間オーディオ対応)、デュアルマイク
ワイヤレス Wi-Fi 6E(802.11ax)、Bluetooth 6
キーボード Magic Keyboard(Touch ID搭載モデルあり、バックライト非搭載)
トラックパッド 物理クリック式(感圧タッチ非対応)
サイズ 高さ1.27cm × 幅29.75cm × 奥行20.64cm
重量 1.23kg
OS macOS(Apple Intelligence対応)
付属品 20W USB-C電源アダプタ、USB-C充電ケーブル(1.5m)
価格 599ドル(米国)
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