
Apple向けにSamsung Displayが進めていた廉価XR機器向けディスプレイの開発が、白紙化に向かっていると韓国のThe Elecが伝えました。
問題のパネルは業界で「G-VR」と呼ばれ、ガラス基板の上にOLEDを形成するマイクロOLED方式とされています。狙いは、Vision Proが採用するシリコン基板ベースのOLEDoSより製造コストを大きく下げられる点にあり、廉価・軽量なXR機器に載せる候補だったといいます。
しかし、開発を担っていたSamsung Displayの社内では、2026年9月にこの案件を正式終了する方針が固まったと伝えられています。
想定スペックは1600〜1700 PPI(画素密度)で、Vision Proの約3386 PPIのおよそ半分です。2028年以降の量産を見込んでいましたが、その前に計画は打ち切られる見通しです。
背景についてThe Elecは、AppleがXRヘッドセットからAIスマートグラスへ軸足を移しつつあるため、ガラス基板ベースのVRディスプレイ開発の勢いが失われたという業界関係者の見方を伝えています。
なお、Samsung DisplayはXRディスプレイ自体から手を引くわけではなく、Samsung ElectronicsのXR機器向けOLEDoSや次世代RGB OLEDoSの開発は続ける方針です。AWE USA 2026では、1.3インチでピーク輝度4万nitのRGB OLEDoSや、0.62インチRGB OLEDoSを載せたスマートグラスの試作デモも披露しています。
やはり米国向け価格が3699ドル(約60万円)からのVision Proのような高額なヘッドセットから、日常的に掛けられる眼鏡へ、業界の重心はゆっくり移っているのかもしれませんね。











