
医師が「ゲーム」を処方する時代へ。
塩野義製薬は6月5日、注意欠如・多動症(ADHD)の子ども向けデジタル治療補助アプリ「ENDEAVORRIDE(エンデバーライド)」を発売したと発表しました。
医師の指導と処方を受け、スマートフォンやタブレットにダウンロードして使うビデオゲーム型の医療機器プログラムで、小児ADHDを対象とするデジタル治療補助アプリとしては国内で初めて承認され、ゲーム形式の治療用アプリとしても国内初の保険適用事例となります。
もともと米国のAkili(アキリ)が開発したアプリで、米国では「EndeavorRx」の名で先行して使われてきました。塩野義は国内第3相臨床試験の結果をもとに、2025年2月に製造販売承認を取得しています。
中身はシンプルです。画面の中で乗り物を操作し、指定された経路に沿って進みながら、同時に現れる対象物をタップする「二重課題」に取り組みます。なお、課題の難易度は患者ごとに自動で調整されます。認知機能に関わる前頭前野を活性化するよう設計されており、大脳皮質を刺激して、不注意・多動性・衝動性の改善を促す狙いです。

対象は、不注意と多動性・衝動性がともにみられるタイプ、または不注意が優勢なタイプの小児ADHD患者です。環境調整や心理社会的治療を実施しても期待する症状改善がみられない場合に使うことが想定されています。国内試験は6歳以上18歳未満の小児ADHD患者を対象に行われました。
使い方は1日およそ25分、6週間続けて使い、その後4週間以上の観察期間を置くことが推奨されています。
ゲーム形式の治療用アプリが日本で保険適用されるのは、これが初めてだといいます。ちなみにこれは、医薬品ではなくデジタル治療補助アプリ(治療効果を狙って設計された医療機器プログラム)という扱いです。飲み薬や注射だけでなく、ソフトウェアそのものが「治療補助の道具」になる仕組みです。そのため勝手にダウンロードして使うものではなく、あくまで医師の処方と指導が前提となります。
Steamの大作ゲームもびっくりの保険償還価格1万4500円で、6月1日からは公的医療保険の対象のため、3割負担ならアプリ本体分の自己負担分は単純計算で4350円です。











