
TCLの代理店より「TCL Note A1 NXTPAPER 11.5インチ」を提供していただきました。レビューしていきます。
いわゆる「電子ノート」と呼ばれるジャンルの製品。次世代ペーパーライクディスプレイ「NXTPAPER」を搭載し、付属のスタイラスペンで紙のように書き込めるのが最大の特徴です。
結論から言うと、この端末……筆者は一度ガッカリしかけました。
しかし、「あるアップデート」をきっかけに評価が一変。最終的には「単体で使う電子ノートとしては最強の部類では」とまで思わせてくれた、なかなか面白い一台です。順を追って紹介していきますね。
同梱物をチェック
まずは化粧箱から。落ち着いたブラックの箱には、TÜV Rheinlandの「Paper Like Display」「Reflection Free」「Flicker Free」「Pencil-Like Writing」、そしてSGSのブルーライト低減と、目に優しいことをアピールする認証マークがずらり。堂々と「AI機能搭載スマートノート」を名乗ります。

同梱物は本体、付属ペン、USB-C to Cケーブル、クイックガイド、保証書、画面クリーナー、そして替え芯セット。ACアダプターは付属しないので、手持ちの充電器を使う形ですね。

替え芯はソフトが3個、ハードが3個(うち1つがペンに装着済み)付属。ペン先は消耗品なので、最初から予備が入っているのは地味にありがたいポイント。

付属ペン「T-Pen Pro」はBluetooth接続式。本体側面にiPadのようにマグネットで吸着し、そのまま充電できます。ペンが付属するのは電子ノートとして当然ですが、収納と充電を兼ねた吸着はやはり便利。Bluetooth方式ゆえ、アプリ側での対応が必要になる場面もあるのかな、という印象です。

外観・デザイン
正面。左側面に円形の物理ホームボタンを備えます。最近のタブレットでは珍しい存在ですね。

ホームボタンのアップ。いつぞやのiPhoneのようなもの。もちろん指紋認証も対応してます。

背面はマットなグレー。サラサラとした手触りで指紋も目立ちにくく、極薄5.5mmをうたうだけあって持つと驚くほど薄いです。

背面の角にはアウトカメラ。電子ノートにカメラ?と思いますが、書類のスキャン取り込みなどを想定しているのでしょう。

カメラの突起なんてあるだけ机上で描き込むのに邪魔だろ……という声を想定してか、その分、他の角に突起が設けられています。これにより、机においてもしっかり安定してペンで書きこむことができます。

横から見ると薄さがよく分かります。ペンを吸着させる面もこちら側。

底面にはUSB-Cポートとスピーカー。……そう、ここで一つ気になる点。本機にはボリュームキーがありません。公式でも「ブラウザでYouTubeを見たり」とうたっているのに、音量を物理キーで調整できないのはちょっと驚きました。

反対の側面。電源ボタンとスピーカーのみ。

NXTPAPERディスプレイと書き心地
本機の主役、次世代ペーパーライクディスプレイ「NXTPAPER」。これが本当に良い。光沢パネルのiPadと並べてみると、その差は一目瞭然です。

左から第11世代iPad、本機、iPad Pro (M4)。
照明や顔の映り込みを見てください。左の光沢タブレットがギラギラと反射するのに対し、NXTPAPERはほとんど映り込みません。超低反射で、長時間見ていても目が疲れにくいですね。

ガラスフィルムを貼っている影響もありますが、一目瞭然の差。
そして書き心地。純正ノートアプリ「TNote」で書いてみると、紙のような程よい摩擦と、低遅延でペン先に吸い付くような描画。これは素晴らしい。

ツールバーも充実しています。ペン先はホバー操作に対応していて、画面に触れる前から浮かせた状態でカーソル位置を確認できます。

線の拡大。低反射のマット面に黒々とした線が乗る様子は、まさに紙に書いている感覚に近いです。

ペンをひっくり返せば消しゴムになるのも、ペンタブらしくて良いポイント。浮かせながら選択できるホバーも地味に効いてきます。

このペンもなかなかド変態です。ペン自体に触覚フィードバックが実装されており、書き心地を変えることができます。また、ペンによって触覚が変わるので、それがまた気持ち良いです。

スペックをチェック
中身も見ていきましょう。SoCはMediaTek MT8781。6nmプロセスで、2.2GHzのCortex-A76×2と2.0GHzのCortex-A55×6の8コア構成、GPUはMali-G57 MC2。バリバリのハイエンドではありませんが、ノートを取るには必要十分でしょう。

ディスプレイ解像度は2200×1440、メモリは8GBです。

そして注目はストレージ。電子ノート端末でありながら、なんと256GBも積んでいます。ここは強気。大量の手書きノートやPDF、電子書籍を放り込んでも当分困らない安心感がありますね。

ちょっとおもしろいなと思ったのがタブレットなのにバイブレーションが搭載されています。このサイズの端末が震えるのはなかなかおもしろい体験です。

純正ノートアプリ「TNote」の使い勝手
ノートアプリの出来は良好で、慣れればメインのノートとしても十分使えます。ホーム画面にはインスピレーションスペースやタスク、全ファイルが並びます。

音量ボタンがないのでどうやってスクリーンショットを取るのかと思ったら、3本指で画面を下にスワイプするとスクリーンショット、といったジェスチャーも用意されています。

作成したノートは全ファイルから一覧可能。

メニューからはファイルマネージャやクラウド連携、各種アプリへアクセスできます。クラウドサービスはGoogle Drive、OneDrive、Dropboxに対応。後ほどどんどん対応していくとのこと。

メニューに表示するアプリは自分で選んでカスタマイズも可能です。(4つまで)

画面を外部ディスプレイにキャストする機能も搭載。

SIMが刺さらないのにテザリングの項目があります。

プリインアプリはEdge、Outlook、OneNote、WPS Officeのみ。

なお、ホームボタンは「押すとノートアプリ、2度押しで新規ノート、長押しで録音開始」という割り当て。便利ではあるのですが、カスタマイズ不可なのが残念。筆者は録音を使わないので、別の機能に割り当てたいんですよね……。
日本語入力は標準のものが少し使いにくかったので、筆者はGoogle日本語入力に置き換えました。こうした調整ができるのも、後述のGoogle Play対応のおかげです。
失望……からのアップデートで大化け
ここまで読んで「書き心地は良いけど、結局ネットにつながるAndroidの電子ノートでしょ?」と思った方。筆者も最初はまったく同じでした。
購入直後の状態では、できることはほぼノートだけ。Playストアもなく(apkを入れる手はあるようですが、怪しいものも多い昨今そんな冒険はしたくありません)、正直「失望した」というレビューを書くつもりだったほどです。
ところが、アップデートを行うとなんとGoogle Playストアに対応! 多くのアプリをインストールできるようになり、一気に大化けしました。

ノートアプリのメニューにもGoogle Playストアが登場。

見慣れたPlayストアのようこそ画面。ここまで来ると、もう普通のAndroidタブレットです。

中でも筆者が一番感動したのがKindle。というのも、やはり超低反射で大画面のペーパーライクディスプレイで雑誌や漫画を読む体験は、iPadとはまったく違う心地よさ。これだけでも本機を買う価値があると感じました。
一方でGoodNotesも問題なく動きはするのですが、パームリジェクションがうまく効かない場面がありました。さらに、本機自慢の低遅延な書き心地はデフォルトインストールのアプリのみ対応のようで、GoodNotesでは遅延が大きく、こと書き味に関してはiPadが圧倒的に上。GoodNotesユーザーの乗り換え先として期待していただけに、ここは少し残念でした。
ならばランチャーアプリを入れて普通のタブレットとして使えば……と試しましたが、こちらはしっかり対策済み。ノートアプリ以外に「戻れない」ようになっており、ノートアプリから他アプリを開く導線もお世辞にも良いとは言えません。あくまで「電子ノート」として使わせる設計なのでしょうね。

気になる点
良い端末ですが、惜しい点を以下に改めて挙げておきます。
- ボリュームキーがない
- ホームボタンの機能をカスタマイズできない
- アプリの画面分割が非対応(6月以降に対応予定とのこと)。Kindleとノートアプリを並べて使えれば勉強が捗りそうなだけに期待
- 純正以外のアプリでは、自慢の低遅延な書き心地が活きない
- 他アプリへの導線が悪い
まとめ:単体電子ノートとしては最強クラス
当初は失望しかけた本機ですが、Google Play対応で評価は完全に逆転しました。
書き心地の良さ、目に優しい超低反射ディスプレイ、256GBの大容量ストレージ。そしてKindleで漫画や雑誌を読む快適さは、他のタブレットでは代えがたいもの。画面分割対応など、伸びしろもまだ残されています。
「とにかく書く・読むに集中できる一台が欲しい」という方には、これ単体で使う電子ノート端末として最強の部類に入るのではないでしょうか。気になった方は、ぜひチェックしてみてください。
TCL Note A1 NXTPAPER 11.5インチ フルカラー電子ノート【専用スタイラスペン付属】Google Play対応 8GB+256GB












