BRAVIAにAndroid 5.1.1が配信開始。今さら録画機能に対応してやっと普通のテレビに!不満点も一気に解消しました

掲載日時: 2015/10/18(日) 12:07

 OSにAndroid TVを搭載した4K BRAVIA 2015年モデルX9300Cを使用しています。

 テレビにAndroidを初搭載ということで、誰もが嫌な予感を抱いていたと思いますが、その悪い期待を裏切らず、6月の発売日が7月に延期

 発売時時点では、番組録画などの重要機能は使用できず、それらはアップデートにて「今夏提供予定」とのアナウンスのみ。しかしそれらも一向に提供されず、夏の終わりごろになって急遽「ソフトウェア設計スケジュールの遅れ」を理由に、アップデートの実施を「9月下旬に延期」。それが9月になると、「再度延期」とアナウンスされたのです。本当にグダグダですね。

 一応、9月にも2回ほどアップデートはあったのですが、いずれも内容は「安定化」のみ。10月15日になって、やっと以下の機能が提供されました。

 これでやっと普通のテレビ並みになりました。CES2015での発表から約9ヶ月、「テレビ」が本物のテレビになるまでの感動を味わえました。アップデートで感動の涙を流したのはXperia X10以来です。

 対応のSONY製BDレコーダーやnasneがあれば、ブラビアリンク(HDMIリンク)で、録画先として指定可能です。(私が使用しているのはSHARP製レコーダーなので無理)

 なお、以下の機能は11月中旬以降に延期されています。

 これでOSのバージョンはAndroid 5.1.1 Lollipopに。何気に端末情報画面から再起動もできるようになってますね。

 調子が悪くなったら、タッチリモコンの電源ボタンを長押しすれば再起動できるのですが、通常のテレビリモコンの電源ボタンだとなぜか再起動できなかったので、ソフトウェアから再起動ができるようになったのは地味に便利です。

 タッチリモコンは、指を滑らすと十字キーが連打されるような、コントロールの大変困難な挙動なので、常用に値しませんからね。ただタッチリモコンの良いところは、テレビとの接続方式がBluetoothなので、赤外線のようにテレビに向けなくても瞬時にボタン操作が伝わるので(上下左右入力を除き)非常に快適という点です。タッチリモコンも赤外線式の通常のリモコンも、旧来のBRAVIAのそれを転用したものなので、どちらもAndroid TVに最適だとは思いません。通常のリモコンを赤外線からBluetooth接続に変更して、裏面にBluetoothキーボード+マウスカーソル用のタッチパッドを付けたら、さぞかし使いやすいでしょうね。(旧Google TVのリモコンのように)

 また、全体的なチューニングも進んでいます。アプリケーションで動画を視聴中、原色の赤が多い場合に色が破綻、一部緑色になるといった事象を確認していました。(赤色のソファーや信号機の「止まれ」、炎の表現など)

 しかしアップデート適用後に確認してみると、同様の事象は発生しなくなっていました。

 また、ReadyNAS 102に入れているFull HD解像度以上のビットレートの高い動画ファイルが、読み込みが追いつかずカクつく時がありました。ボトルネックがスペックか回線速度か、完全に切り分けしていませんでしたが、アップデート後には多くのファイルが再生できるようになりました。これは大きな収穫です。Phantom 3 Professionalで撮影した無変換の4K動画は、これまでは全く再生できませんでしたが、今はコマ落ちしつつもほとんど止まらずに一応再生できるようになっています。(標準プレイヤーではなくMX Playerにて)

 BRAVIAを5GHz帯のWi-Fiで接続しているのですが、Wi-Fiアイコンにビックリマークが表示されていることが多々ありました。しかしアップデート後はアイコンが正常に表示されるようになっています。おそらくWi-Fiに不具合があり、NAS内の高ビットレートの動画再生が詰まる問題もこれが原因だったのでしょう。そういえば、購入当初はしょっちゅうWi-Fi接続が切れてました。これでやっとAndroid BRAVIAの持つポテンシャルを最大限引き出せそうです。

 全体的な挙動もほんの少しながら軽くなっているように思います。番組表の起動も高速に。どうでもいい点としてはニコニコ動画の流れるコメントのカクつきが軽減されました。それと、PCのブラウザで動画再生中のタブをキャストするとかなりカクカクが酷かったのも治りました。

 個人的に重要な点として、Netflixの字幕が頻繁に消える事象がありました。字幕が消えた場合は、再度設定を開いて字幕を表示しなおせば問題ないのですが、イライラしていました。アップデート後、(今のところは)この事象に遭遇しなくなりました。引き続き様子を見ます。[追記 10/10 15:46] 洋画を見続けた4本目の途中で日本語字幕が消えました。十字キー下を押して字幕をオフ→オンすれば再表示できます。

 動画配信サービスPlayStation Videoや、月額定額でPS3のゲームをストリーミングプレイできるPlayStation Nowもアプリケーションに追加されました。これらは嬉しい点ですね。特にPS NowはCES2015に展示されたAndroid BRAVIAに提供されており、日本での発売時には存在しなかったので、落胆した記憶があります。

 PS3といえば夢の高性能プロセッサ”CELL”です。台湾MediaTek製SoCを搭載したAndroid BRAVIAでPS3をプレイするだなんて信じられない話ですが、ゲームの処理はクラウド上で行っているので、回線速度さえあれば問題無いでしょう。定額2500円/月で遊び放題というのはインパクトが大きいですね。

 Opera TVストアとかいうのも追加されましたが現時点ではアプリがなさすぎて論外でした。一応パートナーとしてはSONY, SHARP, TiVo, Samsung, Swisscom, TCLが名を連ねているはずなのですが。これから増えてくれるのでしょうか。

 総評として、個人的にはかなり「神アプデ」だったと思います。3ヶ月前は、「大きな55インチAndroid端末」として大いに楽しみつつも、偏屈な私でさえ多くの不満点に悩まされていたわけですから、普通のテレビを期待して高いお金を払って購入してしまった一般人にとっては、拷問に近い3ヶ月間だったのではないでしょうか。

 アップデートで安定性も高まり、テレビとして当然の録画機能も備え、「別に強くおすすめまではしないけど、そろそろ検討候補に入れてもいいんじゃない」という段階には来ているのではないかと思います。


SONY 55V型4K液晶テレビ BRAVIA KJ-55X9300C

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