携帯各社が年内提供予定だった「キャリアメール」の持ち運び制度。ついに始まります。
ドコモとKDDIが正式発表しており、いずれも月額330円。他社にMNP/解約後31日以内なら利用可能。
NTTドコモの「ドコモメール持ち運び」サービスは2021年12月16日に提供開始。ドコモ契約回線からahamoへのプラン変更と同時に行うことも可能。
ahamoでは「ドコモメールアプリ」を利用可能である一方、それ以外ではIMAP対応メーラーに自力で設定が必要。
KDDIの「auメール持ち運び」は2021年12月20日開始。他社/UQ/povo移行後も、au契約時同様にAndroidは「auメールアプリ」から、iPhoneは標準のメールアプリから利用可能となっています。
キャリアメールはドコモの過ちによってRFC違反アドレスを許容してきた過去があり、負の遺産となっており、さらに雑な迷惑メールフィルターのためPCからのメールを一律弾く利用者が多いため不本意にキャリアメールを強いられるユーザーがいるなど、存在自体がもはや公害同然なので持ち運びではなく廃止するのが妥当ですが、前政権下の総務省で持ち運びが決定されたため、こういったものが出てきてしまい延命することになりました。
RFC違反アドレス利用者は速やかにアドレス変更や別のメール/メッセージングサービスへの移行を行ってください。
KDDIは、キャリアメールとしてauメール(@au.com/@ezweb.ne.jp)を提供しています。その開始当初、auは国際標準RFCに準拠した仕様であったものの、国内最大手のドコモのRFC違反に追随してRFC違反のアドレスを許容するようになった経緯があります。
現在ではRFC違反のメールアドレスの新規取得は不可能。KDDIは、今後も同様の事例が発生する可能性があることから、対処方法として第一にメールアドレスの変更を検討するように促した上で、あくまで変更が難しい場合の一時的な対処方法として、iOSの設定からプロファイルの削除・更新とメールアカウント再設定、またはブラウザからのWebメール利用を挙げているので、ドコモのアナウンスよりも真っ当です。
国内携帯キャリアは、MotorolaやHTCなどの海外メーカー製端末のRFC違反メールアドレスを弾くという標準に従った正しい挙動を、事実上の「不具合」と見做していたことがあり、KDDI販売の端末としてはHTC Evo WiMAXのメールアプリが標準に従った挙動をしていましたが、キャリアはメーカーにソフトウェア更新で修正させました。もちろん間違っていたのは海外メーカーではなくキャリアメールです。