AndroidにSDXCはオススメできない?SDXCが混乱を招いているその理由

 ドコモに始まりソフトバンクもAndroidスマートフォンとSDXCカードについてのアナウンスを発表した。今回、問題となっているのはSDXCに対応していないスマートフォンでSDXCのカードを使用すると、データが破壊されるというものである。

SDメモリカードの規格

 SDメモリカード(以下、SDカードと略す)は複数の規格を持っており、まずはその情報を整理することから始めよう。

SDカードの大きさでの区切り

 まずSDカードは物理的な大きさによって、分類わけをすることが出来る。それはSDカード、MiniSDカード、MicroSDカードだ。

 SDカードは主にデジタルカメラで利用されるケースが多く、最も大きい形状をしたカードだ。デジタル製品を扱ったことのある人ならば一度はみたことがある形状だろう。

 続いてminiSDカード。miniSDカードはもはや死んだも同然の規格なので、今回は割愛する。

 そして最後にMicroSDカード。これはスマートフォンをはじめとした小型のデバイスで多く利用されている、現状最も小さなSDカードである。

 カードは物理的な大きさが違っても、互換性があり、MicroSDをSDカードの大きさに変換するアダプタも市販されている。ここまでが予備知識だ。

対応容量での違い

 次はSDカードの中にある、論理的な規格の違いを説明する。なお、HCやXCという言葉は、通常サイズのSDカード、最小のMicroSDカード、その両方につく。つまり、SD HCカードもあればMicroSD HCカードも存在する。さてこれはややこしい。このHCXCとはいったいなんのことなのだろうか。それは、対応している容量の違いである。

 以下の表を参考にしてほしい。

  SD(MicroSD) SDHC(MicroSDHC) SDXC(Micro SDXC)
フォーマット FAT16 FAT32 exFAT
最低容量 無し 2GB 32GB
最大容量 2GB 32GB 2TB
Android対応の可否 対応 対応 非対応

*なお今回は混乱をさけるために、2進接頭辞を使用した。
また最低速度保証についての情報も割愛したので興味のある人は是非調べて欲しい

 これが、SDカードの規格を策定しているSDカードアソシエーションが公式に発表しているものだ。さて、表をしっかりと見ていただければ何かおかしいことに気がつくだろう。本来ならばSDXCはAndroidに対応していないのだ。

 フォーマットと呼ばれるものがあり正規のカードであれば、表に記されたものに準拠した形でフォーマットされる。フォーマットを簡単に表現すると、データを読み込み・保存する時の最も基本的なルールである。たとえばSDHC(FAT32)にのみ対応しているデバイスにSDXC(exFAT)を挿入してもSDXCカードは認識されない。なぜならば、SDHC(FAT32)にしか対応していないデバイスはSDXC(exFAT)のデータを読み込む方法すらわからないからだ。

 ただし、SDXCに対応したデバイスは基本的にSDHC、SDのデータを読み込むことが出来る。これは下位互換性と呼ばれ、任天堂DSでゲームボーイアドバンスのゲームが出来たことを想像してもらえれば分かりやすいかもしれない。
現在の3DSは下位互換をやめた為、ゲームボーイアドバンスのゲームはプレイ出来なくなった

状況を整理する

 さて、ここまで膨大な情報をぶちまけられると、さすがに混乱する方が多いだろう。状況を整理する。

 本来ならばSDXCカードはAndroidスマートフォンでは利用することができない。しかし、なぜか利用している人がいる。なぜか?それはフォーマットの問題だ。

 実はSDXCのカードを規格されていない形であるFAT32(SDHC用)でフォーマットすることが出来るのだ。これが原因で現在混乱が起きていると予測される。ファイルフォーマットの規格であるFAT16、FAT32、exFATはSDカード専用に作られたものではなくWindowsのコンピュータで利用するために作られた規格であり、実はFAT32は2TBの領域まで扱うことができるのだ。

 すると、64GBのSDXCカードをFAT32(SDHC用のフォーマット)でフォーマットできるのだ。さて、そうするとどうなるだろう。どの規格にも準拠しない、謎SDが生まれてしまうのだ。
(恐らくは何らかの形で認識されるのだろうが)

 そうすると、機械が混乱するのは必至だろう。64GBの領域を持っているため、SDXCだと認識しようとすると、フォーマットがSDHC用になっているのだ。つまり論理的なエラーが起きてしまっているのだ。びっくりである。これが、どれくらいびっくりすることかというと、キューサイの青汁が美味しいくらい混乱することだ。あまり機械をいじめてあげないで欲しい。

私たちが出来る対策

 現行のAndroidスマートフォンではMicro SDHCカードを利用するのが、最も賢い選択だ。そもそも、付属の取り扱い説明書には、対応するSDカードの最大容量が明記されている。それをしっかり守っていれば今回のようなトラブルは起きえなかった。

 ただ、SDカードの規格が混乱を招いているのも事実だろう。今後、環境が改善されていくことを切に願っている。

参考:ドコモからのお知らせ : microSDXCカードご利用時のご注意について | お知らせ | NTTドコモ
参考:非対応メモリカード(microSDXCカード)ご利用時のご注意 | SoftBank
参考:SD規格の概要 – SD Association
使用画像引用元:ファイル:SD Cards.svg – Wikipedia