Samsungが長年開発しているにも関わらず一向に投入を見送られ続けてきた「折りたたみスマホ」。それがついに前倒ししてでも投入される可能性が、業界動向的な観点から指摘されています。
韓国の朴槿恵前大統領への賄賂の罪に問われた、サムスン電子副会長李在鎔(イ・ジェヨン)氏は、執行猶予付きで釈放。その後、サムスン電子の経営に復帰しました。
最近のスマートフォンの買い替えサイクルが鈍化する中、この経営復帰がSamsungに大きな好影響になるのでは、と期待されています。The Bellが報じています。
李在鎔副会長は経営に復帰後、IM(モバイル)部門に特別な関心を見せており、様々な決定を行っています。
今年5月はじめには、中国の宣伝に出張に行った際、ライバルであるHuaweiやXiaomi、Vivoなどの中国メーカーのCEOたちと会談、さらにスマートフォン実店舗に立ち寄って競合他社のスマホを事細かにチェックしたとのこと。
この出張後、IM部門の組織や製品戦略に変化が出てきたとのこと。8月7日にグローバル発表予定のGalaxy Note 9の製品仕様を急遽変更。IM部門は5月中旬、Note 9のウィンドウガラスの厚さを0.5mm削減し、さらなる薄型化を行ったとのこと。リリース3ヶ月前に変更を行うのは初。
当時、李副会長が中国メーカー各社の製品を触った上で、それらのグリップ感がNote 9よりも良かったと評価したことで、製品仕様を変更する決断をしたそうです。
さらにIM部門は、欧米事業所で技術部長をしていたパク副社長を、開発参加のグローバルハードウェア開発部長に変更人事を6月1日付で発表。副社長はこれまでミッドレンジ・ローエンドスマートフォンの開発を統括していた頃から、ハイエンドスマートフォンの業況悪化克服のために、ミッドレンジ・ローエンドのラインナップを強化する狙いがあるのではとの観測があります。重要な組織の人事のタイミングとしては異例のこと。
2018年度第2四半期のIM部門の営業利益は前年比43%減少しており、何らかの決断が必要と見られており、李副会長の手腕に注目が集まっています。
IM部門の今後は、折りたたみ(foldable)スマートフォンのような革新的製品を発売し、再び消費者の交換需要をもたらすか、または中低価格スマホの販売を強化してフラッグシップ需要の減少を補う、といった選択肢が予想されます。ただし中低価格市場ではすでに中国メーカーに強みがあり、Samsungにも限界があります。
これまでSmasungは新技術導入などには慎重な姿勢を見せています。デュアルカメラやディスプレイ内指紋認証センサーなどは、競合他社が市場投入した後、その技術の完成度を高めてから投入するという保守的な姿勢を見せています。折りたたみスマホも長年Samsungが開発を続けてきたものに関わらず、技術的理由により先送りし続け、ZTEに先を越される形となっています。
これまでの守りの姿勢では通じないことを業績が物語っており、副会長は短期的な業績にこだわることなく、中長期的な成果のために果敢な決断を下すことができるという見方が業界ではされているようで、折りたたみスマホの導入時期が早くなる可能性が注目されています。
IM部門は現在、来年初めに試験的な形で折りたたみスマホを発売するよう準備していると伝えられてます。折りたたみスマホはSmasungだけでなくAppleや中国企業も準備していると伝えられており、モタモタしてはいられません。Samsungは適正なタイミングで投入することが重要であり、副会長の決断できる部分です。
The Bellによれば、業界関係者は「折りたたみスマホは大衆受けするかまだ検証できておらず、現在のところ勢力図を再編する唯一の選択肢とされている。Samsungが従来と違って、リスクを取って先んじられるかどうかが最大の見所」と述べています。
折り畳みのGalaxyスマホは、5年以上前から「来年にも出る」「ついに出る」と言われ続けてきたものです。以前、実際に市場投入を想定して開発されていたと思われる機体も流出しています。これがようやく実戦投入の機運になったというのは感慨深いものがあります。お披露目される可能性が高いところとしては、来年1月のCES2019が挙げられています。折りたたみGalaxyの満を持しての登場が楽しみなところです。
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— すまほん!! (@sm_hn) 2018年7月13日